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161216読んだ本&買った本

在庫切れ状態だった欲しい漫画が今朝になって入荷した(゚ロ゚;) 一日遅かりし由良之助だよ(T_T)

【読んだ本】

桂芳男『幻の総合商社 鈴木商店~創造的経営者の栄光と挫折』(現代教養文庫,1989)所蔵本

思い付くままメモ(^^) ①城山三郎『鼠』を読むのが主目的も、同書は「ノン・フィクション・ノベル」
とされ、また城山が佐藤正明に対して語ったこと(『日産 その栄光と屈辱』)も考慮して、本書を併読
することに(^^) ②巻頭の(1977年11月発行の単行本の)「まえがき」は笑えた^_^;「総合商社」とは
「世界に類例をみないわが国独特の機能と組織をもつ貿易商社であ」って、「明治以来こんにちも変わり
なく日本経済の発展にはかり知れない貢献をなし続けている。ときにはその行き過ぎたバイタリティーが
社会的な問題を引き起こすことがあっても、その存在を否定することはできない。」と記され、「社会的
な問題」は丸紅のロッキード事件を指すのだろうが、まるで1979年のダグラス・グラマン事件を予見^_^;
同事件の日商岩井は鈴木商店の後継会社であり、同事件の中心人物である海部八郎副社長こそ鈴木商店を
世界へと躍進させた高畑誠一(日商岩井相談役)から「自分の遺骨は海部に持たせること」と遺言された
ほど嘱望された人物(戸川猪佐武『悪の社会学~政・財・官界実力者の条件』[角川文庫,1983])^_^;
が、文庫化で「新修 金子直吉年譜」と「参考資料」を付しただけで同事件に対する言及は全くない^_^;
③本書は経営学のタームを解説なしに用いてて、字面から何となく意味は解せるとはいえ、不親切(+_+)
④大正6年には鈴木商店の貿易年商は三井物産を凌駕して日本一の商社となり、大番頭・金子直吉による
「三井三菱を圧倒するか、然らざるも彼等と並んで天下を三分するか」という所謂「天下三分の宣言書」
が発せられるわけだが、鈴木大躍進の立役者である高畑誠一のロンドンでの活躍ぶりは本書のハイライト
の一つとなるはずなのに、本書の叙述は味気なく感じられた(-_-) それは伊藤智義(作)森田信吾(画)
『栄光なき天才たち③』(集英社ヤングジャンプ・コミックス,1988)所収の第16話「鈴木商店①~④」
が「三国間貿易」や「一船売り」をやってのけた「カイゼルを商売人にしたような」高畑をヴィヴィッドに
描き切ってて、その印象が強すぎるから^_^; ⑤しかし、同漫画は高畑を引き立てようとロンドンでの
ライヴァルの三井物産・向井忠晴をいかにも漫画的な道化役に画いているが、後の彼の経歴を考えれば、
あまりの矮小化で興醒めしたね(-_-) 同漫画は本書の単行本や城山『鼠』も参考文献に挙げているのに、
細かい点で間違いが散見されることも判明(+_+) 特に三国間貿易をあたかも高畑のアイディアのように
画いているが、本書に〈ところが、三井物産のロンドン支店では、一足先に、ジュートなどの「三国間貿易」
を始めていたのである。〉(-_-) 米を買い占めて売り惜しみしているイメージを捏造して鈴木商店を
攻撃した大阪朝日と変わらんぞ、この漫画(-"-) 寝床で付箋は辛いので途中から『番長惑星』に変更(..)

城山三郎『鼠~鈴木商店焼打ち事件』(文春文庫,1975)所蔵本

【買った本】

杉本苑子『わたしの古典 杉本苑子の枕草子』(集英社文庫,1996)

欲しい漫画は在庫切れのまま、他方で期間固定ポイントの期限が迫ってるから、仕方なく昨日は予定外の
本を2冊注文(..) また期間限定ポイントも昨日付与されたので1冊、更にギフト券で1冊と、昨日は結局
古本屋4店に各1冊注文(..) 本書はその一つで、出品者の「100%の高い評価」は伊達じゃなかった(゚ロ゚;)
「和歌は貴族階級の男女がまず持たなければならぬ教養であったけれど、その和歌の手引きというべき
書物がたくさんあった。今日残っているのはその一部分にすぎないが、たとえば清少納言の『枕草子』
という書物もそういう目的で書かれたものなのである。『枕草子』が書かれた大切な目的のひとつには、
和歌の道の手引きということがある。」と、西村亨『王朝びとの四季』(講談社学術文庫,1979)に(^^)

また売り切れてしまったらと米騒動みたいな消費者心理で慌てて今朝定価で注文しちゃったよ(;_;)
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