紫式部とか源義経、更には松尾芭蕉とかのフィギュアも江戸時代にはあったのかも(@_@;)

【読んだ本】

武藤禎夫(校注)『元禄期 軽口本集 近世笑話集(上)』(岩波文庫,1987)所蔵本

本書所収の「露休置土産」(宝永4年刊)の中の「隠れもない吝[しわ]ん坊」を(脚注から補筆し
ながら)引くエッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?

    世間に隠れない吝き男、ある所より、振舞の廻文を持ちきたる。かの使の者を呼び、
    「明日の振舞は、襟袖だち[=「襟も袖も同じ布で作った粗末な着物か。」]か、
    本立[=「並幅一反の布で大人用の着物を仕立てること。」]か」と問ふ。使聞き、
    「本立[ほんだち]でござりまする」「しからば参りませう」と、てんをかけけり。
    折ふし友達居合せ、「それは合点がゆかぬ」と問へば、「襟袖なれば身から物が出る、
    本立なれば身から物は出ぬ[←「平服参加は会費制、式服参加は招待の意か。」」と
    いへば、友達聞て、「さても貴様は、土の西行[=「旅装で富士を眺める富士見西行
    の泥人形。」]じや」といへば、「その心は」「はて、土の西行は、首は落ちても、
    ふろしきははなさぬ」。

脚注で「富士見西行の伏見人形は安物で、首の部分は壊れて飛んでも、風呂敷の荷物は胴体に付いた
ままで手放さず、がめつい。」と解説されているけど、小生は何が面白いのかも解らぬが、「富士見
西行の泥人形」が存在することに驚いた( ̄◇ ̄;) 西行をめぐる笑話として本書補注が紹介していた
のを前に取り上げたが(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-01-10 )、本書
所収の『軽口御前男』の「ふじ見西行[←目録だと「富士見西行」]」の本文の方のは富士見西行が
「蒔絵」になってて、ソレは「旅装の西行が富士山を眺める後ろ姿を図柄にしたもの。画題の一。」
なので解らなくもないけど、西行はフィギュアまで作られていたとはねΣ( ̄ロ ̄lll)ニャンと!?

・『軽口御前男』の巻之四の十四「茶の湯忠度」

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-01-04

・『軽口御前男』の巻之三の二「故事付[こじつけ]の名」

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2023-01-09