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221024読んだ本

ひたすら本から学ぶ独学(モチ単なる趣味だけど)だと生じた疑問を質問する相手がいない(^_^;)
答えが書かれてそうな本を探さなくても、また答えが出てる本に自然と出遭うような気が(⌒~⌒)

【読んだ本】

菅野禮行(校注・訳)『新編日本古典文学全集19 和漢朗詠集』(小学館,1999)所蔵本

「立春」に入る紀淑望「吹を逐つて潜かに開く 芳菲の候を待たず 春を迎へて乍ちに変ず 将に雨露
の恩を希はんとす」について「梅花が雨露の恩恵を受けて美しい花を咲かせるように、自分も天子の
恩恵を被って将来の栄達を願いたいものだと暗にうたったもの。『集註』に、この賦によって淑望は、
醍醐天皇から四位に昇進させられたとある。」云々と解説し、同じく「立春」に入っている藤原篤茂
の「池の凍の東頭は風度つて解く 窓の梅の北面は雪封じて寒し」についても「『永済注』によれば、
篤茂が近江少将の娘を妻にしたいと申し出たところ、少将は許したものの夫人が許さなかったのでこ
の詩を作って示すと、大変感激され遂に念願がかなったという。「凍」や「梅」を少将の娘にたとえ、
東側の凍[こおり]が解けたというのは少将の心を、梅の北面の雪はまだ寒いというのは夫人(北の
方)の厳しさを、それとなく訴えたものか。」云々と解説してる本書( ̄◇ ̄;) ついでに書くけど、
川口久雄(全訳注)『和漢朗詠集』(講談社学術文庫,1982)は、前者の話は紹介してるけど、後者の
話については全く触れず、マジで屑本かもねオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ! 話を戻すと、和歌の歌徳説話を
連想したけど、こーゆーのは詩徳説話と言うのかね(@_@;) 『古今和歌集』の紀淑望による真名序
の「天地を動かし、鬼神を感ぜしめ、人倫を化し、夫婦を和ぐるは、和歌より宜しきは莫[な]し」
という一文は『詩経』大序の「天地ヲ動カシ、鬼神ヲ感ゼシムルハ、詩ヨリ近キハ莫シ」に拠るもの
と、例えば、小町谷照彦(訳注)『古今和歌集』(ちくま学芸文庫,2010)の脚注にもあるし(@_@;)
タグ:古典 説話
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

藤原篤茂って2人目の妻と言うことか・・。くそ、リア充。
でも、その後、平忠常の乱で逃げ帰って・・・ざまあみろと(笑)。
by tai-yama (2022-10-24 22:47) 

ナベちはる

誰に聞かずとも本が教えてくれるというのは、質問しなくていい代わりに答えが出るのに時間が掛かる場合もありますね((+_+))
by ナベちはる (2022-10-25 01:53) 

middrinn

藤原篤茂は生没年未詳で、村上朝から円融朝の初めまでの事績が判明してるだけで、
後一条朝の「平忠常の乱で逃げ帰っ」たのは、篤茂の子の安房国国司の光業(^_^;)
tai-yama様も漢詩文の勉強をされて、素晴しい作品を詠むことで嫁取りを(^o^)丿
by middrinn (2022-10-25 06:12) 

middrinn

しかも、答えが出ている本に遭遇する頃には、
ナベちはる様、疑問内容を失念かも(^_^;)
誰かに質問しても答えがすぐに得られるとは
限りませんので、気長に待ちますよ(^_^;)
by middrinn (2022-10-25 06:36) 

df233285

「古書の方が同じ時代の他人より情報量が多いと感じる」国
というのはようするに、その国内で文化水準が、
長期低落化傾向にある証拠だと思う。
by df233285 (2022-10-25 07:27) 

middrinn

ちなみに、活字が大きくなった上に改行も多いので、
最近の本は昔の本より情報量が少ないですね(^_^;)
たしかに文化水準は低落傾向ですけど、例外もあり、
川口久雄は1910年生で菅野禮行は1929年生(^_^;)
by middrinn (2022-10-25 09:13) 

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