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220714読んだ本

耳カットされた地域猫が濡れ縁で昼寝したり我が物顔に振る舞っている〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【読んだ本】

松枝茂夫(編訳)『中国古典文学大系59 歴代笑話選』(平凡社,1970)

『艾子雑説』(『東坡居士艾子雑説』)は、北宋の蘇軾(蘇東坡)の作と伝わるも実は「蘇軾の名に
仮託されたもの」らしいが、蘇軾は「笑話界のプリンス」だったと竹田晃&黒田真美子(編)大木康
(著)『中国古典小説選12 笑林・笑賛・笑府他〈歴代笑話〉』(明治書院,2008)は「解説」してて
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-07-12 )、だったら、艾子[がいし]
などという架空の人物を主人公にせず、蘇軾を主人公にすれば良かったのにと思ったりもする(^_^;)
んで、東坡肉をネタに・・ヘ(__ヘ)☆\(^^; 東坡肉が出てきたのを思い出して、河合克敏の「無学」な
書道漫画(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2018-01-16 )『とめはねっ! 鈴里
高校書道部 十三』(小学館,2014)を確認したら、「流刑にされた先でも料理をおぼえてくるなんて、
なかなかスゴイですね」「どんな状況でもエンジョイできる余裕を持つべきということですかね。」
と勅使河原が蘇軾のことを評しており、大木・前掲書の蘇軾論(上述)に通じるような気が( ̄◇ ̄;)
さて、先日読了(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-07-06 )した駒田信二
(編訳)『中国笑話集』(講談社文庫,1978)は『艾子後語』から「宦官」という一篇を紹介(@_@;)

    艾子は垣の中に二頭の羊を飼っていたが、牡の羊が気が荒く、人を見ると追いかけて
    行ってぶっつかった[ママ]。垣の中を通る弟子たちはその羊に手をやいて、艾子に
    たのんだ。/「先生の飼っていらっしゃる牡の羊は、たけだけしすぎます。どうか
    去勢してください。そうすればおとなしくなるでしょう」/すると艾子は笑っていった。
    /「君たちは知らないのか。今時の陽物のない連中は、陽物のある者よりもずっと
    たけだけしいということを」

この『艾子後語』だが、同書巻末「解説」で駒田信二は明代の笑話集として「蘇東坡の『艾子雑説』
を真似たものに陸灼の『艾子後語』十五話と、屠本畯の『艾子外語』二十二話があるが、その半ば
以上は他書の笑話と重複する。本集には前者から六話、後者から一話を選んだ。」と説明しており、
気になったのは、この話はいつの時代の宦官を諷刺したものなのかという点(@_@;) 大木・前掲書は
『艾子雑説』が艾子を戦国時代の斉の宣公に仕えた者と設定しつつも「・・・笑話の世界では・・・
時代錯誤にはまったくこだわらない」として唐の三蔵法師がネタになっているのも許容する(@_@;)
三田村泰助『宦官 側近政治の構造』(中公文庫,1983)は春秋時代には諸侯が宦官を使っていたこと
を指摘(後、白川静の研究に依拠して殷の時代にも既に宦官が存在したと)しているので、戦国時代
の斉の話でもおかしくはない(@_@;) 本書は『艾子雑説』『艾子後語』『艾子外語』を抄録してて、
当該笑話「牡羊(牡羊)」の訳に松枝茂夫は「明代は宦官が内外で勢力を張って横暴を極めていた。
それへの諷刺。」という注(本書96頁)を付してる(@_@;) たしかに三田村・前掲書も「特に宦官が
活躍した」時代として前漢、後漢、唐、明を挙げるし、松枝茂夫は『艾子後語』が明代の著作である
事実からの読みか(@_@;) 駒田信二は「その半ば以上は他書の笑話と重複する。」と記してたけど、
『中国笑話集』に当該笑話をチョイスしていたから、「他書の笑話と重複」してないのかな(@_@;)
こーゆー詮索を笑話に対して行なうのは、野暮なのかもしれないけどね〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
タグ:中国 笑話 歴史
コメント(8) 
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コメント 8

tai-yama

陽物のない人が猛々しいのは、たまたまその人だけのことかも(笑)。
司馬遷も宮刑によってたまたまが・・・・
by tai-yama (2022-07-14 23:47) 

middrinn

この地域猫が我が物顔なのも〝たまたま〟かな(^_^;)
by middrinn (2022-07-15 04:23) 

df233285

動物はウィルスと違って、性格は、個体差大きいですよね。
そもそも冒頭でそう示唆しているのに、人里離れた山奥の
羊飼いの羊と、ツガイもろともの交換等を、先生に訴えない
弟子も、何か話の流れがおかしいですね。去勢は、ツガイで
飼ってるという話だし、個体の増えすぎの防止策が当たり前で
チグハグ。私は「艾子先生に、当否不明の難癖つけられた」
という話のオチを聞いても、特に笑えず、そう訴えれば当然
そう出て来るだろうなと、納得しておしまいでした。
by df233285 (2022-07-15 20:07) 

ナベちはる

猫がお昼寝できる環境、平和ですね。
by ナベちはる (2022-07-15 20:12) 

middrinn

この「二頭」、たしかに番いのようですね(^_^;) 気付きませんでした(^_^;)
長さん様、wikiの「騸馬」の項にも「・・・気性を抑えて扱いやすくする・・・
理由で牡馬は去勢されていた。」とあるので羊も同様かと思ってました(^_^;)
by middrinn (2022-07-15 20:28) 

middrinn

その地域猫の母猫も来て、垣根の中で寝てたりするのですが、
ナベちはる様、先日、睨み合って一触即発の雰囲気に(^_^;)
by middrinn (2022-07-15 20:45) 

yokomi

宦官のあ玉を切るべきですね(^_^;)
by yokomi (2022-07-16 01:18) 

middrinn

『三国志』にも宦官たちを抹殺するクーデターの場面がありましたね(^_^;)
by middrinn (2022-07-16 05:56) 

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