2022年に出版された本の中で一番面白かったぉ(^o^)丿ヾ(-_-;)オイオイまだ2月の終わりなんだけど!
【読んだ本】
植田真平『対決の東国史4 鎌倉公方と関東管領』(吉川弘文館,2022)
読了(^o^)丿 鎌倉府を中心とした通史で、叙述は丁寧だし図も工夫され解り易く、超面白かった(^^)
この時代の歴史書は京都の幕府を中心に描くから、鎌倉府のことは(幕府と揉めてトラブルになる時
以外は)等閑にされがちで、知識の空白を埋められたし、修正も出来たヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪
プロローグ 足利氏と上杉氏
足利と上杉と鎌倉/足利氏と上杉氏の出会い/鎌倉幕府の終焉/動乱の時代へ/
東国の歴史/
一 鎌倉公方、東国に立つ
①内乱のなかで
足利政権の人々/東国の情勢と上杉・高氏/ゆれる足利政権/足利兄弟の相克へ/
薩埵峠の決戦/
②関東執事と畠山国清の消長
武蔵野合戦/尊氏による東国支配/延文の大遠征/畠山国清の転落/
③関東管領上杉憲顕の帰還
舵を切る義詮と基氏/上杉憲顕の復帰/兄と弟/基氏の周辺/
④鎌倉公方家の成立)
足利基氏の急死/道誉、来る/平一揆の乱/次なる世代へ/
二 紛擾と争乱の東国
①闘う東国寺社
幼公方の船出/東国寺社をめぐる紛争/円覚炎上/香取社の嗷訴/
②氏満と義満
氏満の成長と能憲の死/難航する円覚寺の再建/上杉憲春の自害/政変のあと/
③小山義政の乱
小山と宇都宮/小山討伐/義政、ふたたび/義政、みたび/
④小山若犬丸と小田孝朝
公方氏満の憂鬱/不撓不屈のひと/小田孝朝の乱/鎌倉府の支配と東国武士の闘争
/東国社会と鎌倉府/
三 応永の乱から上杉禅秀の乱へ
①列島支配の再編
義満の諸国漫遊/陸奥と出羽/山内上杉憲方の死/氏満、南奥へゆく/
②応永の乱
足利満兼と上杉朝宗/走湯山をめぐって/今川了俊の挫折/大内義弘と「天命」/
③南奥へ
満兼の〝反省〟/一揆と争乱/東国の新たな秩序/義満と満兼/篠川御所足利満直/
④上杉禅秀の乱
東国をふたつに引き裂く内乱/幕府の選択/足利義嗣の出奔/鎌倉街道、血に染めて/
四 鎌倉公方足利持氏と関東管領上杉憲実
①上杉禅秀の影
戦のあと/亀裂のはじまり/続く残党討伐/残影/
②足利持氏の専制
両府の不一致/持氏出陣/京都扶持衆/越後応永の乱/両府の和睦/
③鎌倉公方の「野心」
和睦の条件/くじ引き将軍の登場/奥州情勢複雑怪奇/二階堂盛秀、上洛/罰状/
④「国堺」と相克
越後と駿河の混乱/義教の富士遊覧/呪詛の怨敵、関東の重圧/信濃の紛擾/
⑤永享の乱
終末前夜/戦端//錦の御旗のもとに/勝敗/終焉/
エピローグ 足利持氏と上杉憲実のこどもたち
結城合戦/将軍犬死/足利成氏と享徳の乱/鎌倉府の時代/鎌倉公方と関東管領/
対立へのみち/
参考文献
略年表
高師直・師泰兄弟を殺したのは上杉重能の(養子の能憲ではなく)実子の重季だった(本書25頁)、
関東執事の畠山国清が東国の軍勢を率いて上洛したのは足利基氏の(意に逆らったものではなくて)
承認を得たものだった(本書34頁)、(ゴリゴリの反尊氏派とされていた)桃井直常がいつのまにか
関東に下って基氏に仕えていて、基氏の急逝後は義詮のもとに赴いた由(本書49頁)_φ( ̄^ ̄ )メモメモ
上杉憲顕の鎌倉府帰参よる関東管領のダブルロール(本書40~41頁、「両府に両属的な特殊な性格」
と本書214頁)が鎌倉公方と関東管領の関係を理解する際のポイントであること等々勉強になった(^^)
・・・至徳四年(一三八七)五月、常陸の大名小田氏が[小山]若犬丸を匿っている
との情報が、鎌倉にもたらされた。鎌倉府はただちに、鎌倉にいた当主の孝朝を拘束
したが、国もとでは孝朝の息子や一族、重臣たちが小田城(現茨城県つくば市)に
籠って、鎌倉府に抵抗の姿勢をみせた。/・・・
こう本書91頁にある如く始まった「小田孝朝の乱」、鎌倉府の討伐軍によって鎮圧されるんだけど、
チト笑ってしまったのが本書93頁の次の件で、たしかに、おかしなネーミングだよね(^_^;)
・・・鎌倉府は小田家領の多くを没収したものの、小田家の家督は孝朝に認めた。
/孝朝本人が合戦に参加していないにもかかわらず、小田孝朝の乱と呼ばれる
この奇妙な争乱は、小山若犬丸を匿っているという怪情報に始まりながら、
その真偽もわからないまま一年も続き、最後は鎌倉府と幕府の政治的な妥協という
奇妙な幕引きを迎えた。・・・
【読んだ本】
植田真平『対決の東国史4 鎌倉公方と関東管領』(吉川弘文館,2022)
読了(^o^)丿 鎌倉府を中心とした通史で、叙述は丁寧だし図も工夫され解り易く、超面白かった(^^)
この時代の歴史書は京都の幕府を中心に描くから、鎌倉府のことは(幕府と揉めてトラブルになる時
以外は)等閑にされがちで、知識の空白を埋められたし、修正も出来たヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪
プロローグ 足利氏と上杉氏
足利と上杉と鎌倉/足利氏と上杉氏の出会い/鎌倉幕府の終焉/動乱の時代へ/
東国の歴史/
一 鎌倉公方、東国に立つ
①内乱のなかで
足利政権の人々/東国の情勢と上杉・高氏/ゆれる足利政権/足利兄弟の相克へ/
薩埵峠の決戦/
②関東執事と畠山国清の消長
武蔵野合戦/尊氏による東国支配/延文の大遠征/畠山国清の転落/
③関東管領上杉憲顕の帰還
舵を切る義詮と基氏/上杉憲顕の復帰/兄と弟/基氏の周辺/
④鎌倉公方家の成立)
足利基氏の急死/道誉、来る/平一揆の乱/次なる世代へ/
二 紛擾と争乱の東国
①闘う東国寺社
幼公方の船出/東国寺社をめぐる紛争/円覚炎上/香取社の嗷訴/
②氏満と義満
氏満の成長と能憲の死/難航する円覚寺の再建/上杉憲春の自害/政変のあと/
③小山義政の乱
小山と宇都宮/小山討伐/義政、ふたたび/義政、みたび/
④小山若犬丸と小田孝朝
公方氏満の憂鬱/不撓不屈のひと/小田孝朝の乱/鎌倉府の支配と東国武士の闘争
/東国社会と鎌倉府/
三 応永の乱から上杉禅秀の乱へ
①列島支配の再編
義満の諸国漫遊/陸奥と出羽/山内上杉憲方の死/氏満、南奥へゆく/
②応永の乱
足利満兼と上杉朝宗/走湯山をめぐって/今川了俊の挫折/大内義弘と「天命」/
③南奥へ
満兼の〝反省〟/一揆と争乱/東国の新たな秩序/義満と満兼/篠川御所足利満直/
④上杉禅秀の乱
東国をふたつに引き裂く内乱/幕府の選択/足利義嗣の出奔/鎌倉街道、血に染めて/
四 鎌倉公方足利持氏と関東管領上杉憲実
①上杉禅秀の影
戦のあと/亀裂のはじまり/続く残党討伐/残影/
②足利持氏の専制
両府の不一致/持氏出陣/京都扶持衆/越後応永の乱/両府の和睦/
③鎌倉公方の「野心」
和睦の条件/くじ引き将軍の登場/奥州情勢複雑怪奇/二階堂盛秀、上洛/罰状/
④「国堺」と相克
越後と駿河の混乱/義教の富士遊覧/呪詛の怨敵、関東の重圧/信濃の紛擾/
⑤永享の乱
終末前夜/戦端//錦の御旗のもとに/勝敗/終焉/
エピローグ 足利持氏と上杉憲実のこどもたち
結城合戦/将軍犬死/足利成氏と享徳の乱/鎌倉府の時代/鎌倉公方と関東管領/
対立へのみち/
参考文献
略年表
高師直・師泰兄弟を殺したのは上杉重能の(養子の能憲ではなく)実子の重季だった(本書25頁)、
関東執事の畠山国清が東国の軍勢を率いて上洛したのは足利基氏の(意に逆らったものではなくて)
承認を得たものだった(本書34頁)、(ゴリゴリの反尊氏派とされていた)桃井直常がいつのまにか
関東に下って基氏に仕えていて、基氏の急逝後は義詮のもとに赴いた由(本書49頁)_φ( ̄^ ̄ )メモメモ
上杉憲顕の鎌倉府帰参よる関東管領のダブルロール(本書40~41頁、「両府に両属的な特殊な性格」
と本書214頁)が鎌倉公方と関東管領の関係を理解する際のポイントであること等々勉強になった(^^)
・・・至徳四年(一三八七)五月、常陸の大名小田氏が[小山]若犬丸を匿っている
との情報が、鎌倉にもたらされた。鎌倉府はただちに、鎌倉にいた当主の孝朝を拘束
したが、国もとでは孝朝の息子や一族、重臣たちが小田城(現茨城県つくば市)に
籠って、鎌倉府に抵抗の姿勢をみせた。/・・・
こう本書91頁にある如く始まった「小田孝朝の乱」、鎌倉府の討伐軍によって鎮圧されるんだけど、
チト笑ってしまったのが本書93頁の次の件で、たしかに、おかしなネーミングだよね(^_^;)
・・・鎌倉府は小田家領の多くを没収したものの、小田家の家督は孝朝に認めた。
/孝朝本人が合戦に参加していないにもかかわらず、小田孝朝の乱と呼ばれる
この奇妙な争乱は、小山若犬丸を匿っているという怪情報に始まりながら、
その真偽もわからないまま一年も続き、最後は鎌倉府と幕府の政治的な妥協という
奇妙な幕引きを迎えた。・・・