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210818読んだ本

読書の厄介なところは、対象人物について調べ尽くしてない伝記である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
知り尽くした上で書け!とは流石に言わないけど、せめて調べ尽くしてから書くべき( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
調べても判らぬ事はその旨記すべきで、調べた様子無しは論点見落とし問題意識欠如C= (-。- ) フゥー

【読んだ本】

坂本太郎(日本歴史学会編集)『菅原道真』(吉川弘文館人物叢書,1962→1990新装版)

「贈太政大臣」こと菅原道真が詠んだ歌を、その大意とともに小町谷照彦(校注)『新日本古典文学
大系7 拾遺和歌集』(岩波書店,1990)から繰り返し符号を用いずに引く〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

      流され侍て後、言ひをこせて侍ける

    君が住む宿のこずゑのゆくゆくと隠るるまでにかへりみしはや

     私が大宰府へ下向した時、貴女が住む家の樹木の梢が、去って行くに従って、
     次第に隠れて遂に見えなくなるまで、何度も振り返って見たことだ。

小生が読んだ類書と違って、本書117~118頁は「都も遠くなった途中においてよんだ歌」として紹介
してる(意外にも平田耿二『消された政治家 菅原道真』[文春新書,2000]185頁も紹介(^_^;))(^^)
「道真が自邸を去るとき、よんだ歌」として「こちふかばにほひおこせよむめのはなあるじなしとて
はるをわするな」も、本書はモチ紹介しており(本書117頁)、「・・・ともに『拾遺集』と『大鏡』
にのせられていて、早くから人口に膾炙したものである。」(本書118頁)とあるけど(なお、平田・
前掲書185頁の「・・・ともに『拾遺和歌集』と『大鏡』に載せられていて、早くから人々に広く好ま
れていることは、周知のとおりである。」という記述、かなりの類似で如何なものかな(^_^;))、

    ・・・明治・大正時代では、無実の罪におちいりながら君を怨まなかった忠臣の代表
    として、忠君愛国の教育において、かれの事績が讃美せられた。多くの研究は、若干の
    例外を除き、この時代の思潮と無縁ではあり得なかったのである。/・・・

という「はしがき」の指摘(本書3頁)とも関係があるのかしら(@_@;) 「第八 道真の学問」で、
〈「こちふかば」「きみがすむ」の二首は、前にあげたが、これらは『拾遺集』にのせられており、
やはり確実なものと見てよい。/『新古今集』には十六首も載録せられているが、それらの中には
筑紫におけるかれの境遇に同情して、後人の作為したものがあるのではないかと思われる。〉と指摘
してて(本書149頁)、流石に歴史学の泰斗だけある(⌒~⌒) とはいえ、本書が調べ尽くした上での
執筆でないことは、石川徹(校注)『新潮日本古典集成 大鏡』(新潮社,1989)が上記の歌に付した
頭注に次のように指摘していることから判るが、圏点(傍点)は略して引く(-ω-、)

    この歌、長徳三年(九九七)成立の『拾遺抄』に見える。第三句「ゆくゆくも」と
    ある本、第四句「隠れしまでに」とある本、第五句「かへりみしかな」とある本が
    ある。詞書もさまざまで、「流され侍りて後、女の許に言ひおこせて侍りける 贈
    太政大臣」の圏点部が「めのもとへ」「めのとのもとに」となっている本がなどが
    あり、どの本に拠るかで、歌を贈られた人物は「女」「妻」「乳母」の三様に岐
    [わか]れる。道真の妻は、島田忠臣(八二九~八九一)の娘の宣来子[のぶきこ]
    (八五〇~?)。乳母は誰だったか、専門家の教示を乞いたい。この歌、道真の子孫、
    菅原孝標女が『夜半の寝覚』(巻一)に引いているのが、印象的である。

本書も類書も菅原道真の「乳母」が誰かを明らかにしてないし、そもそも調べた様子も無い(ノ゚ο゚)ノ
タグ:伝記 和歌
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

「乳母」に贈った様に見えないから省略したのかも。まぁ、なら
「乳母」の解釈はいらないとも(笑)。道真の年で乳母だった人だと
もう、山に捨てられる年齢か・・・
by tai-yama (2021-08-19 00:07) 

ナベちはる

調べられるだけ調べてから書かないと、本の信ぴょう性や信頼性に関わってきますよね。
by ナベちはる (2021-08-19 01:06) 

ネオ・アッキー

middrinnさんおはようございます。
道真公は、色々な所で、天神様として祀られているようですが、逆に呪われ無いように気をつけてお参りした方が良いらしいです。 (実際に呪われてしまった方が実は多くいる様です)
京都の北野天満宮だけは、別格のようです・・・
by ネオ・アッキー (2021-08-19 05:38) 

middrinn

なら、この詞書を否定する根拠を、
tai-yama様、示さないと(^_^;)
by middrinn (2021-08-19 15:43) 

middrinn

ですよねぇ(^_^;) 本全体の記述が、
ナベちはる様、ちゃんと調べた上で
書いたのか疑わしくなります(^_^;)
by middrinn (2021-08-19 15:45) 

middrinn

北野天満宮は、和歌や歌人にも関係しているのに、
ネオ・アッキー様、参拝時は関心が無くて(^_^;)
by middrinn (2021-08-19 15:48) 

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