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210314読んだ本&おまけ【バカチン】

読書の厄介なところは、あかん、優勝してまうという気になることである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
最下位脱出は余裕として、Aクラス入りを期待も、もしかして、もしかするとオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)

【読んだ本】

百目鬼恭三郎『奇談の時代』(朝日文庫,1981)所蔵本

先ずは、後藤昭雄&池上洵一&山根對助(校注)『新日本古典文学大系32 江談抄 中外抄 富家語』
(岩波書店,1997)75頁から山根對助&後藤昭雄(校注)『江談抄』(大江匡房の言談を藤原実兼
[←信西の父]が筆録)第三の八条の「勘解由相公は伴大納言の後身なりといふ事」を引くけど、
[ ]内は同書同頁の脚注から補った〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    「勘解由相公[藤原有国]はこれ伴大納言[善男]の後身[=生まれ変わり]なり。
    伊豆国には伴大納言の影[=肖像画]を留む。件の影は有国の容貌とあへてもつて
    違はず。また善男臨終に云はく、「当生[=来世では]必ず今一度奉公の身
    [=朝廷に仕える身]と為らん」」と云々。

浅見和彦(校注・訳)『新編 日本古典文学全集51 十訓抄』(小学館,1997)にも出てるが、海音寺
潮五郎『悪人列伝 古代篇』(文春文庫,2006)の「伴大納言」は紹介してなくて、本書で知った(^^)
百目鬼恭三郎は「有国は『江談抄』の著者大江匡房の曽祖父匡衡と同時代の人だから、むろん匡房が
有国の顔を知っているはずがない。当時そういい伝えられていたままを語ったのだろう。」と(^_^;)
伴善男と藤原有国、ともに言談・説話が多く「謎めいたところのある人物」同士だから結び付けられ
ただけでなく、伴善男は「摂関政治の中にいてうだつのあがらない後世の官僚たちからは、本来そう
あるべき理想像にみえたにちがいない。」し、他方で藤原有国も「平安中期の能吏の見本」のような
存在だから「有国が、官僚政治家の理想像である善男の生まれ変わりと目されるようになったのだ、
とも考えられるのである。」と推論してる(⌒~⌒) 本書も紹介しているが、藤原有国、その異能を
示す言談・説話が結構ある上に、一時は左遷されたりもするけど、妻は橘徳子で、実は摂関期の陰の
キーパースンなので、大河ドラマの主人公は無理でも、歴史小説の主人公にならないかな(〃'∇'〃)
ところで、「応天門の変」で自身を伊豆国への流罪とした朝廷に再び仕えたいと言い遺したなんて、
伴善男にとって朝廷はそんなに魅力的なのか(@_@;) 藤原有国を伴善男の生まれ変わりとするため
に作った感もあるが(^_^;) この『江談抄』の記述は伴善男の肖像画と称する贋作も生みそう(^_^;)

【おまけ(バカチン)】

上條彰次(校訂)『和泉古典叢書8 千載和歌集』(和泉書院,1994)所蔵本

藤原有国、漢詩は多く残ってるらしいけど、和歌は八代集には一首も入ってなくて(藤原公任の家集
『公任集』にはある)、『千載和歌集』の藤原公任の「別れよりまさりて惜しき命かな君にふたたび
あはむと思へば」の詞書に登場するだけである(´・_・`) 同歌の本書の補注は次の通り(@_@;)

    有国の太宰大弐任命は藤原佐理の後任としてであり、その赴任は翌長徳二年八月七日の
    道長邸送別宴後である(権記・百錬抄)。なお有国は、詩文にも長じた明敏な政治家で
    あった(江談抄)。

倉本一宏(全現代語訳)『藤原行成「権記」(上)』(講談社学術文庫,2011)で確認したところ、
「長徳二年八月七日」条がそもそも無くて、長徳元年[995年]10月18日条の大宰大弐に藤原有国が
任じられた小除目と長徳2年(996年)8月2日条の内裏での「大宰大弐、罷申」が出てるだけ(@_@;)
倉本一宏(全現代語訳)『藤原道長「御堂関白記」(上)』(講談社学術文庫,2009)も披いたが、
長徳2年自体がそもそも載っていなかった(@_@;) そこで、犬養廉&後藤祥子&平野由紀子(校注)
『新日本古典文学大系28 平安私家集』(岩波書店,1994)所収の後藤祥子(校注)『公任集』で同歌
を調べると、脚注に次のように記されていた( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

    長徳元年(九九五)十月十八日任大宰大弐(権記、百錬抄、栄花物語・見はてぬ夢)、
    同二年八月七日左大臣道長第で餞別宴(小右記)。この歌もその折のものであろう。

伊井春樹&津本信博&新藤協三『私家集全釈叢書7 公任集全釈』(風間書房,1989)も語釈で「・・・
佐理の後任としての有国の任大弐は長徳元年(九九五)一〇月一八日(『権記』『百錬抄』)。赴任
は翌二年八月で七日に道長邸で送別の宴が催されるが、その折の詠か。」として、別の歌の参考欄で
『小右記』の長徳2年(996年)8月2日条と7日条を丸々引用してたから、確認も出来たv( ̄∇ ̄)ニヤッ
タグ:奇談 歴史
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

「平成の高橋是清」と同じ扱いで「当代の伴大納言」と言われて
いたのかも(笑)。宮沢さんや麻生さんは全然及ばないので有国さん
ももしかしたら・・・・
by tai-yama (2021-03-14 23:12) 

ナベちはる

もしかして、もしかすると…に期待したいですね(´▽`*)
by ナベちはる (2021-03-15 00:55) 

middrinn

優秀だったので、藤原有国は「藤賢」と、
tai-yama様、呼ばれていたとか(^_^;)
by middrinn (2021-03-15 05:18) 

middrinn

何が起きるか分からないですから、
ナベちはる様、あるかも(〃'∇'〃)
by middrinn (2021-03-15 05:19) 

そら

大河になったら面白そう!
しかし百目鬼と書いてどうめきとは普通読めません(^^;
by そら (2021-03-15 06:43) 

middrinn

藤原兼家から道長にかけての摂関家の
ドラマになりそうですけどね(^_^;)
by middrinn (2021-03-15 06:47) 

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