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201226読んだ本

ついに国際的陰謀を打破しスパムコメ攻撃も止んだオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)ヾ( ̄o ̄;)Xmas休暇かも?

【読んだ本】

呉座勇一『陰謀の日本中世史』(角川新書,2018)

読了(^o^)丿 前に取り上げたが(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-11-21 )、
「・・・先行研究を押さえつつ、日本中世史における数々の陰謀・謀略を歴史学の手法に則って客観
的・実証的に分析していきたい。・・・なるべく多くの陰謀を俎上に載せることで、陰謀の法則性を
導き出したい・・・」という本書、大変勉強に(^^) 引かれている(学)説の論者の名を細目次に書き
込んでメモってみたけど(見落としてたら失礼m(__)m)、それぞれは必ずしも陰謀論者ではないし、
あくまで個人的な手控えとして作成したものゆえ、良い子は参考にしちゃダメオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
立花京子(イエズス会黒幕説のみ)、明智憲三郎、藤原正彦は一読の価値も無しかな_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    まえがき

    第一章 貴族の陰謀に武力が加わり中世が生まれた

     第一節 保元の乱

      保元の乱の政治的背景/藤原頼長の失脚/崇徳と頼長に謀反の意思はなかった
      [元木泰雄・橋本義彦]/信西が崇徳・頼長を追いつめた[河内祥輔]/
      保元の乱は合戦というより「陰謀」

     第二節 平治の乱

      平治の乱の経過/平清盛の熊野参詣に裏はない/源義朝の怨恨
      [元木泰雄:怨恨説批判⇔古澤直人]/源義朝の野心[元木:野心説否定⇔古澤]/
      藤原信頼有能説[元木:武家発達史観に不満?]には無理がある[古澤]/
      常人は陰謀を用いない[元木⇔古澤]/後白河院政派と二条親政派の対立/
      後白河黒幕説[河内祥輔⇔元木・古澤]は成り立たない/
      問題は権力を維持する工夫だった[河内・元木]

    第二章 陰謀を軸に『平家物語』を読みなおす

     第一節 平氏一門と反平氏勢力の抗争

      鹿ヶ谷の陰謀/鹿ヶ谷事件の政治的背景/清盛が陰謀をでっちあげた[川合康・
      下向井龍彦]/治承三年の政変/以仁王の失敗は必然だった[河内祥輔・山本幸司]/
      治承・寿永の内乱の幕開け

     第二節 源義経は陰謀の犠牲者か

      検非違使任官問題の真相[菱沼一憲]/腰越状は不自然な点が多い[河内祥輔]/
      兄弟決裂の真因[元木泰雄]/源義経、謀反へ[元木泰雄]/
      義経襲撃は現場の独断だった[河内祥輔・菱沼一憲]/
      後白河は頼朝の怒りを予想していなかった/源義経の権力は砂上の楼閣だった

    第三章 鎌倉幕府の歴史は陰謀の連続だった

     第一節 源氏将軍家断絶

      源頼家暴君説は疑問/梶原景時の変[本郷和人]/
      北条時政こそが「比企能員の変」の黒幕だった[石井進]/
      策士・時政が策に溺れた「牧氏事件」[細川重男]/
      源実朝暗殺の黒幕[永井路子&石井進・山本幸司]

     第二節 北条得宗家と陰謀

      執権権力と将軍勢力の対立[村井章介・高橋慎一朗]/
      時頼の執権就任は危機的状況下だった[村井]/宮騒動[永井晋]/
      対立する三浦氏と安達氏[永井]/時頼黒幕説[石井&村井]は穿ちすぎ[永井]/
      安達氏の挑発と時頼の決断/「安達氏主導」説が最も自然/
      敗因となった三浦兄弟の思惑の違い/「霜月騒動」の評価をめぐる論争[佐藤進一
      (&網野善彦)⇒村井(⇒本郷和人)⇔五味文彦・細川重男]/霜月騒動の経緯
      [細川⇔奥富敬之・南基鶴]/霜月騒動は正規戦[細川]だった[村井&本郷]

    第四章 足利尊氏は陰謀家か

     第一節 打倒鎌倉幕府の陰謀

      後醍醐の倒幕計画/通説には数々の疑問符がつく/
      後醍醐天皇は黒幕でなく被害者だった!?[河内祥輔]/
      後醍醐の倒幕計画は二回ではなく一回[岡野友彦・亀田俊和]/
      反証文書「吉田定房奏状」への疑問[佐藤進一・村井章介⇔河内]/
      足利尊氏は源氏嫡流ではなかった[清水克行・川合康・細川重男]/
      尊氏、北条氏裏切りの真相[市沢哲・清水・亀田]/
      護良親王失脚は尊氏の謀略ではない/後醍醐天皇と護良親王の対立の核心[清水・岡野]
      /足利尊氏は北条時行を恐れていた[亀田]/尊氏は後醍醐の下で満足していた
      [佐藤進一⇔呉座勇一・亀田]

     第二節 観応の擾乱

      足利直義と高師直の対立[呉座勇一・亀田俊和]/「高師直暗殺計画」の真相
      [亀田・森茂暁]/高師直のクーデター[佐藤進一⇔亀田]/
      足利直義、反撃に転じる[佐藤⇔亀田]/直義の勝利と師直の死/尊氏・直義会談
      [亀田]/尊氏がつくった北朝は尊氏の手で葬られた[亀田]/
      足利尊氏=陰謀家説は疑わしい[直義毒殺説⇔峰岸純夫『太平記』創作説・亀田偶然説]

    第五章 日野富子は悪女か

     第一節 応仁の乱と日野富子

      将軍家の家督争いに注目した通説/日野富子は足利義視に接近していた/
      細川勝元と山名宗全は盟友だった/義視は勝元より宗全を頼みにしていた[家永遵嗣]
      /足利義政は後継者問題を解決していた/文正の政変/山名宗全のクーデター/
      御霊合戦/応仁の乱の原因は将軍家の御家騒動ではない[家永・呉座勇一]

     第二節 『応仁記』が生んだ富子悪女説

      史実は『応仁記』と正反対/『応仁記』の作者を考える[家永遵嗣]/明応の政変/
      細川高国と畠山尚順の提携/富子はスケープゴートにされた[家永]/
      富子悪女説が浸透した三つの理由[呉座]

    第六章 本能寺の変に黒幕はいたか

     第一節 単独犯行説の紹介

      動機不明の陰謀/江戸時代から存在する怨恨説[田中義成⇔徳富蘇峰]/
      野望説[徳冨・高柳光壽⇔桑田忠親]は戦後に本格的に現れた/
      ドラマで好まれる光秀勤王家説[小和田哲男「信長非道阻止説」]と光秀幕臣説
      [三鬼清一郎・光秀幕臣説⇒足利義昭黒幕説⇔藤本正行]

     第二節 黒幕説の紹介

      一九九〇年代に登場した朝廷黒幕説[今谷明・桐野作人(⇒単独犯行説)・立花京子
      (⇒イエズス会黒幕説)]/朝廷黒幕説[公武対立史観]は説得力を失った[今谷⇔
      堀新「公武結合王権論」・神田千里]/三職補任問題[岩谷原+心彦・立花(谷口克広
      ・金子拓)⇔堀]/「足利義昭黒幕説」[藤田達生]は衝撃を与えた/
      義昭黒幕説の問題点[藤田⇔谷口・桐野・藤本正行]/陰謀の事前連絡は危険すぎる
      [藤田⇔谷口・桐野・鈴木眞哉・藤本・石崎健治]/実は乏しい共同謀議のメリット/
      荒唐無稽すぎるイエズス会黒幕説[立花]/後知恵の秀吉黒幕説[明智憲三郎も亜流
      ⇔谷口]

     第三節 黒幕説は陰謀論

      黒幕説の特徴[鈴木眞哉&藤本正行]/近年主流化しつつある四国政策転換説
      [徳冨蘇峰・谷口克広]/明智憲三郎氏の奇説[家康黒幕説・八切止夫]/
      机上の空論[藤本・鈴木・明智]/陰謀は「完全犯罪」ではできない[明智]/
      共謀しなくても足止めは可能だ/騙されやすかった信長[明智⇔金子拓]

    第七章 徳川家康は石田三成を嵌めたのか

     第一節 秀次事件

      秀次事件の概要/豊臣秀次は冤罪だった/
      新説「秀吉は秀次の命を奪う気はなかった」[矢部健太郎・藤田恒春「すれ違い説」]
      /秀次事件は家康を利した

     第二節 七将襲撃事件

      家康私婚問題/「三成が家康の伏見屋敷に逃げ込んだ」は俗説[徳冨蘇峰⇔笠谷和比古
      ・光成準治]/徳川家康、「天下殿」に[司馬遼太郎]

     第三節 関ヶ原への道

      会津征伐/石田三成らの挙兵[光成準治]/大坂三奉行は途中から参加した
      [司馬遼太郎・笠谷和比古・光成・白峰旬・布谷陽子]/
      「内府ちがいの条々」で家康は窮地に陥った[矢部健太郎]/
      「小山評定」は架空の会議[白峰・高橋明・本間宏・光成・本多隆成]
      /家康は大規模決起を想定していなかった[司馬・本多⇔白峰]/
      慢心していた徳川家康[桐野作人]/転換点は岐阜城攻略戦[光成]/
      石田三成と上杉景勝に密約はなかった[司馬・布谷⇔桐野・水野伍貴]

    終章 陰謀論はなぜ人気があるのか?

     第一節 陰謀論の特徴

      因果関係の単純明快すぎる説明[秦郁彦・田母神俊雄]/論理の飛躍[立花京子・
      明智憲三郎]/結果から逆行して原因を引き出す[藤原正彦]/挙証責任の転嫁
      [立花・明智]

     第二節 人はなぜ陰謀論を信じるのか

      単純明快で分りやすい/「歴史の真実」を知っているという優越感[田母神俊雄・
      渡部昇一・明智憲三郎・立花京子・藤岡信勝・井沢元彦]/
      インテリ、高学歴者ほど騙されやすい[四王天延孝・安江仙弘・原田実・出口汪]/
      疑似科学との類似性[立花]/専門家の問題点[原田実・藤本正行・和田喜八郎⇔
      安本美典・小口雅史]

    あとがき

    参考文献

誤解かもしれないが、史料的価値を史料の性格・制作意図を根拠に全否定して一顧だにしない感じ、
「加害者(攻撃側)と被害者(防御側)の立場が実際には逆である」とするのは陰謀論の手法とし、
「陰謀の法則性を導き出したい」あまり、従来の図式の逆を主張する学説は全て同手法が当てはまる
と次々レッテル貼りしてる印象も(^_^;) 何でも階級闘争にしちゃうマルクス主義歴史学を髣髴(^_^;)

    ・・・/人間の心理として、大きな結果をもたらした大事件の原因を考察する場合、
    結果に見合うだけの大きな原因を求めがちである。後述するが、本能寺の変黒幕説が
    あれほど百花繚乱になるのも、この心理に基づくものだろう。すなわち、天下統一を
    目前にした織田信長が非業の死を遂げたという日本史上の大事件の原因が、明智光秀
    の怨恨では釣り合わない、という人間心理が、黒幕による大陰謀を生み出すのである
    (第六章を参照)。太平洋戦争のコミンテルン陰謀説も同様である。あれほどの大惨禍
    の原因が日本政府や日本陸海軍の視野狭窄やセクショナリズムでは、あまりに寂しい
    からこそ、世界を股にかけた壮大な陰謀が大戦を生んだという説明が好まれるのである
    (終章を参照)。/・・・

本書201頁の記述だが、「太平洋戦争のコミンテルン陰謀説」が「好まれる」のは日本人の加害者責任
を軽減してくれるという大衆「心理」によるもの(^_^;) ズレてるよねぇ〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
タグ:歴史
コメント(10) 
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コメント 10

tai-yama

一番利益を得た人=黒幕は良く言われている説ですね。
今のコロナ騒ぎも100年後には陰謀論が!
by tai-yama (2020-12-26 20:00) 

middrinn

「事件によって最大の利益を得た者が真犯人である」は、
鹿ヶ谷の陰謀は平清盛がでっち上げた疑獄(本書55頁)や
本能寺の変の秀吉黒幕説(239頁)等に出てます(^_^;)
コロナは中国の陰謀と言ってる人が既にいますね(^_^;)
by middrinn (2020-12-26 20:39) 

ニッキー

スパムコメ攻撃を撃退されたんですねぇ*\(^o^)/*
陰謀論は歴史が動くと必ず出てきますよねぇ(⌒-⌒; )
実際に陰謀だったのはどれだけあるんでしょうねぇ(*_*)
by ニッキー (2020-12-26 21:24) 

middrinn

本書6頁には「陰謀渦巻く中世日本」とありますし、第三章の章題は
「鎌倉幕府の歴史は陰謀の連続だった」となってますからね(^_^;)
by middrinn (2020-12-26 21:39) 

nikki

スパム攻撃していた人がコロナウィルスに感染したとか。
なんかえらいことになってきてる。
都営大江戸線の運転手がコロナウィルス感染して運行減。
原因の報道がないけど忘年会でもやってたのかな。
by nikki (2020-12-26 22:49) 

middrinn

新型コロナウイルス変異種に感染したのかも(^_^;)
インフラがやられると、影響が大きいですね(@_@;)
by middrinn (2020-12-27 06:34) 

df233285

近世史周辺に関しては、呉座説は今後、塗り替えられる可能性が
あると思う。

御湯殿上日記の中で紹介された、豊臣秀吉の”将棋の取られたら
負け駒の名称を、大将に変更”発言は、『道化』では無く真面目。

つまり豊臣秀次にも、”常識的に、そこまでそうしなければならない
理由もないのに、気がつくべきだ”と言う点で、一応の落ち度は有ると
いうのが、七章一節に関してのdf233285見解です。ただ親族連座は
確かに著しく行き過ぎで、免罪そのもの。後者の秀吉らしい流儀の
間違いが、豊臣政権の命運を、結局決めたんだと私は思います。

by df233285 (2020-12-27 07:42) 

middrinn

現代人の常識的な感覚で秀吉を理解することは困難なようですね(@_@;)
本書269頁に〈こうした状況を考慮すると、豊臣秀次は冤罪だったと結論
づけられる。秀次事件は、愛児秀頼に天下を譲るために秀次を邪魔と感じ
た豊臣秀吉の謀略であろう。例の「加害者(攻撃側)と被害者(防御側)
の立場が実際には逆である」というパターンである。〉と評しているので、
呉座勇一も「陰謀論」に与していることに〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
by middrinn (2020-12-27 08:05) 

ネオ・アッキー

middrinnさんこんにちは。
現代の日本でも黒幕はいるように感じますが、過去には、陰謀によって歴史が動くことは多々あったようですね。
by ネオ・アッキー (2020-12-27 12:30) 

middrinn

たしかに、現代にも黒幕がいるのかもヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
何百年後かには、こーゆー本になったりして(^_^;)
by middrinn (2020-12-27 13:35) 

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