SSブログ

191223読んだ本

ブックオフが年明けにセールをやるのか、調べないと(@_@;) もしやるなら、年末に各店舗を廻って、
年明けまで買われることのないよう、欲しい本に呪いの魔法をかけないとねψ(*`ー´)ψヶヶヶ...

【読んだ本】

片桐洋一『古今和歌集全評釈(中)』(講談社学術文庫,2019)所蔵本

阿部俊子(全訳注)『伊勢物語(上)』(講談社学術文庫,1979)を基本テキストにして、片桐洋一&
福井貞助&高橋正治&清水好子(校注・訳)『新編日本古典文学全集12 竹取物語 伊勢物語 大和物語
平中物語』(小学館,1994)の福井貞助(校注・訳)『伊勢物語』、石田穣二(訳注)『新版 伊勢物語
付現代語訳』(角川文庫,1979)、森野宗明(校注・現代語訳)『伊勢物語』(講談社文庫,1972)、
中河與一(訳注)『伊勢物語 付 現代語訳』(角川文庫,1953)で補いつつ、『伊勢物語』をチンタラ
読むシリーズの第二回目〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ 第二段は『古今和歌集』の在原業平の歌の詞書
を膨らませた内容ゆえ同歌と詞書を小町谷照彦(訳注)『古今和歌集』(ちくま学芸文庫,2010)の訳
を引くことにする〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

      三月の一日より、忍びに人にものを言ひて、後に、
      雨のそほ降りけるによみて遣はしける

    起きもせず寝もせで夜を明かしては春のものとてながめ暮らしつ

       三月一日ごろから、ひそかにある女と言葉を交すようになって、その後に、
       雨がしょぼしょぼと降る日、詠んで贈った歌

     あなたを恋い慕って、起きているでもなく、と言って寝ているでもなく、
     夜を明かして、昼は昼で、春の景物ということで、一日中長雨に降りこめられて、
     物思いにふけって過ごしました。

詞書の「忍びに人にものを言ひて」は、『伊勢物語』では「うち物語らひて」となっていて、福井貞助
だけ「親しく情を通じて」と訳しているけど、他のは「いろいろと長い時間話こんで」(阿部俊子)、
「ひとばん、なにくれの語らいをして」(森野宗明)、「親しく話をかわして」(石田穣二)、「訪ね
て行つて、いろいろ話しあつて」(中河與一)と訳し、「逢うには逢ったが、共寝にまでは至らぬ仲」
(石田穣二)と捉えてる(^_^;) 目崎徳衛『日本詩人選6 在原業平・小野小町』(筑摩書房,1970)は
〈この「うち物語らひ」を単なる会話とだけ解するのは野暮である。〉と文句を言ってるけど(^_^;)

同歌(歌番号616)は『古今和歌集』の恋歌三の冒頭に据えられてて、『古今和歌集』の排列としては
「逢はぬ恋」の歌のはずなんだが(@_@;) そこで、片桐洋一の本書は次の如く問題を解決( ̄◇ ̄;)

    ・・・『古今集』の場合、恋一・恋二と続いて来た「まだ見ぬ恋」のテーマが、
    この恋三においても、当該歌に続く六一七番歌に・・・とあり、六一九番歌に
    ・・・とあり、六二〇番歌に・・・とあり、さらに六二一番歌に・・・とある
    ことによって明らかと言うべきであろう。「忍びに人に物ら言」ったというのは、
    逢ったということではなく、物[=簾・几帳]越しに言葉を交したというだけ
    のことであるのに、つまり「起きもせず寝もせで」夢のような「夜を明かし」ただけ
    であるのに、すっかり感激して、帰ってからも春の長雨をただぼんやりと
    「春の物とてながめ暮らし」て一日を暮らしてしまったと言っているのである。
    夢かうつつかという状態、まさに恋の真髄というべきであろう。
    
「起きもせず寝もせで夜を明かしては」を、男が帰宅した後の出来事ではなく、「女の家でのことで
ある。起きているでもなく寝ているでもなく、夢か現[うつつ]かわからぬ状態で共に夜を明かした
と言っているのである。」と本書は解してるわけだ( ̄◇ ̄;) こーゆー解釈は手元の『古今和歌集』
『伊勢物語』の各注釈書では見られなかったけど、中河與一だけは同様に訳してたヒィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

               おきてゐるのでもなく
               ねてゐるのでもないやうな、
               そんなものぐるほしい夜を
               あなたと一緒にすごした後の今日は
               春の習ひの雨がしとしと降り、
               それを眺め(長雨)ながら私は
               あなたを一日中戀ひ慕つてゐる。
タグ:古典 和歌
コメント(14) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 14

mimimomo

おはようございます^^
魔法が上手くかかると良いですね(へへ
同じ歌でも解釈って違うものですね~ わたくしなど一つの本を読んで
「ふ~~ん、そう言う意味なの」って納得しているけれど、違っているケースもあるってことだわ。

今日は寒くって、耳が冷たい。霜焼けになりそう(__;
by mimimomo (2019-12-23 10:23) 

middrinn

魔法をかけたのに、ネット相場より安かったためか、
年末に先に買われてしまったことがあります(-ω-、)
その歌(テクスト)だけでなく、コンテクスト(この
場合は『古今集』の排列)も考慮しますから(^_^;)
足の先が再びシモヤケになってしまいましたよ(T_T)
by middrinn (2019-12-23 16:58) 

そら

私も魔法が使えると良いなぁ!
もし使えたら・・・ふ・ふ・ふ(^^)
by そら (2019-12-23 19:00) 

middrinn

カメラを向けたらカワセミさんが
静止してくれる魔法とか(^_^;)
by middrinn (2019-12-23 19:04) 

よしころん

フォースと共にあらんことを…
あ、ちょっと違うかも^^;
by よしころん (2019-12-23 19:21) 

middrinn

「トカレフ、マカロフ、ケレンコフ、ヘッケラーコックで、見敵必殺ゥ!」
ラジカ~ル、レヴィちゃん♡(*'ε`*)チゥ スター・ウォーズ観たことなし^_^;
by middrinn (2019-12-23 20:30) 

ニッキー

呪い、レジに持って行こうとすると
罪悪感を感じて手放す呪いが良いかもψ(`∇´)ψ
欲しい本がお安く手に入りますように=(^.^)=
by ニッキー (2019-12-23 21:11) 

middrinn

小生以外にはその本が見えなくなる魔法とかψ(*`ー´)ψ
そもそも欲しい本があるかどうか不明ですけどね(´・_・`)
by middrinn (2019-12-23 21:38) 

tai-yama

セールよりも福袋になったり(笑)。昔、夜勤明けの会議で
寝ているのか起きているのかわからない状態になったこと
があったり。(もちろん女性などいない!)
by tai-yama (2019-12-23 23:13) 

ナベちはる

ブックオフ、そろそろ年末年始のセールをやっても良さそうですね!
by ナベちはる (2019-12-24 01:02) 

middrinn

福袋は買ったことないし、絶対に嫌ですぅ!ヾ(`◇´)ノ
tai-yama様、それなら後朝の歌も詠みませう(^o^)丿
by middrinn (2019-12-24 07:45) 

middrinn

毎月29日はブックオフの日とかいって、年末でも
ナベちはる様、セールがあったりしますしね(^^)
by middrinn (2019-12-24 07:46) 

yokomi

 起きもせず寝もせで夜を明かして...とは、私が風邪で苦しんでいた夜のことかも(^_^;)
by yokomi (2019-12-24 09:57) 

middrinn

恋の熱病だった方が良かったのかな・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
by middrinn (2019-12-24 12:01) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。