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190308読んだ本&買った本

年を取ると何かと億劫に(-ω-、) 本を読んだりブログ書くのが億劫になるまでは毎日更新するぞ(^o^)丿

【買った本&読んだ本】

西尾光一(校注)『撰集抄』(岩波文庫,1970)
篠田鉱造『明治百話(下)』(岩波文庫,1996)

外出するか悩むも、駅ATMで金を下ろす用を済ますと、歩いて山を二つ越えて街の古本屋で計108円(^_^;)

『明治百話』は、特に興味ないけど、ついでで購入(^_^;) その中の一篇をテキトーに拾い読みすると、
明治22年2月11日の憲法発布の日、前夜から積もるほど降ってた雪も止んで空は晴れるも事件発生(゚ロ゚;)

    大臣暗殺だと、掃部頭[かもん]様みたいに雪の朝の暗殺だと、行逢う人ごとに
    語り合いました、「知ってるかい一件を」「御存知ですか文部大臣のことを」
    男でも女でも出逢うとこの話で持切っていました。

この本には注が全く無いけど、「掃部頭様」とは桜田門外の変の大老・井伊直弼のことと現代の読者も
知っているはずという前提か(@_@;) 当時の人々の歴史感覚が優れているように感じたけどね(^_^;)

『撰集抄』は校注本で、語釈とかのある注釈本じゃないし、表紙カヴァーも無くなってたけど、索引は
人名、地名、寺社堂塔名等、書名、年号年代、詩歌等と充実しており、巻末の「解説」も興味深い(^^)

『撰集抄』は昔から西行の著作と考えられ西行のイメージ形成に寄与してきたけど、現在では否定^_^;
早速「第一五 西行於高野奥造人事」を読んでみたけど、本書の巻末の「解説」は次の如く要約(^_^;)

    ・・・西行に仮託された主人公が、高野の奥に住んで、人恋しさのあまり、
    山野に捨てられた人骨を集めて編み、造人の術を施したところ、未熟のため、
    色も悪く吹き損じた笛のような声を出す、人間に似て非なるものができてしまった
    という荒唐無稽の話である。・・・

この話、前にも紹介したように(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2016-07-01 )、
宮元啓一『日本奇僧伝』(東京書籍,1985)が「西行がゾンビを造ったという話」として、ほぼ全訳(^^)

この後、人を造り出すのに失敗した西行(?)が、その始末にも困ってしまい、疑問も色々あったので、
上洛した折、前に教えてもらった徳大寺殿(←西行は実際に出入りしてた)を訪ねるも留守だったため、
前中納言師仲卿を訪ねる(^_^;) 疑問を打ち明けると、どのような造り方をしたのかと訊ねられたので、
主人公が造り方を長々と説明し始める(^_^;) それに対する師仲卿の反応は、宮元・前掲書を引くと、

    じっとこれを聞いていた卿は、首を軽く傾けながらこう仰った。/「大筋はだいたい
    そのようなところでしょうな。しかし、反魂の術が未熟だったのですな。私は、
    ひょんなことから四条の大納言の流儀を受けましてな、人を造ったことがござる。
    その人物は、現在、卿相として活躍しておるが、これが誰であるかを明らかにすると、
    造った人も、造られた人も、ともに融け失せてしまうので、口外するわけには参らぬ。
    ただ、貴殿もそこまでご存じであるからには、造り方の要点はお教えいたそう。
    実は、・・・」

「現在、卿相として活躍して」る人造人間が誰なのかメチャ気になる(^_^;) それに「四条の大納言」は
まさか四条大納言こと藤原公任なのかしら(@_@;) ゲットした『撰集抄』の「四條の大納言」の脚注に
よると、異本は「四條大納言公任」と表記したり、「大納言」の傍に「公任イ」と注記する由( ̄◇ ̄;)
流石、藤原公任と言うべきか、和歌、漢詩、管弦に造人を加えて、四舟(四船)の才ヒィィィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
タグ:説話
コメント(14) 
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コメント 14

センニン

こんばんは。
日本版フランケンシュタイン?
by センニン (2019-03-08 21:14) 

middrinn

ヨミが世界の要人に改造人間を配置していた話も我が国にはあります(^_^;)
by middrinn (2019-03-08 21:19) 

ニッキー

「明治百話」、この会話で「井伊直弼」のことと
皆がわかると思うってスゴいですねぇ(°_°)
人を間違えてたら、話が全く合わないことにw
「ゾンビ」昔からそういう研究(?)って
されてたんですねぇ(⌒-⌒; )
by ニッキー (2019-03-08 21:56) 

middrinn

桜田門外の変が1860年で、明治22年が1889年と、29年前のことですけど、
明治22年当時の人々は思い出せたようですね(^_^;) 平成元年に起きた事件、
ニッキー様は憶えてらっしゃいますか^_^; 神コーチも人造人間かも(^_^;)
by middrinn (2019-03-08 22:16) 

ナベちはる

2冊で合計108円、山を2つ超えただけあって良かった…のでしょうか??(^^;
by ナベちはる (2019-03-09 01:52) 

mimimomo

おはようございます^^
歳をとると何かと億劫になる? 歳をとると何だか仕事が増える、だからサボりたくなる(^-^
いつもお買い物に二つ山を越えるってあるけれど、どんな山越えて行かれるのか気になっています。それで108円って何だか勿体ない。もっとたくさん買わないと^^

by mimimomo (2019-03-09 07:05) 

middrinn

外出自体、億劫だったんですけど(^_^;)
ナベちはる様、報われるものですね(^^)
by middrinn (2019-03-09 07:24) 

middrinn

年を取ると、投げ遣りになる、あるいは諦観、どーでもいいや、と、
mimimomo様はなりませんかねぇ(^_^;) 山は山ですよ(´ヘ`;)
平野が羨ましい(-ω-、) 年を取るとミニマム生活で2冊だけ(^_^;)
by middrinn (2019-03-09 07:28) 

たじまーる

明治憲法発布日の暗殺事件は森有礼文部大臣でしたよね。
国粋主義者からの反感(反発)から1887(明治20)年の「伊勢大廟事件」が
暗殺の引き金になったと見られているようですが
昔は何かあるとすぐに命が狙われていたのでとても怖いです・・・

by たじまーる (2019-03-09 09:18) 

middrinn

そーなんですよ、川崎さん(^o^)丿
仰る通りの動機も本書に出てますが、
命がけの時代でしたねぇ(´ヘ`;)
by middrinn (2019-03-09 09:38) 

Cazz

西行のイメージがマッドサイエンティストに^^
作り損なった人造人間はちゃんと土に帰ったんでしょうか?
by Cazz (2019-03-09 15:09) 

middrinn

宮元・前掲書から引くと、「ばらばらに壊してしまおうと思っても、それでは
殺生の業を積むことになろう。心がないのであるから、ただの草木と同じだと
思いこもうとしても、何しろ人の姿をしている。やはり壊さないに越したこと
はないと考え直し、結局、高野山の奥の、人も通わないところに捨て置いた。
しかし、何かの拍子に誰かがこれを見るようなことがあれば、きっと化物だと
いって恐れおののくことであろう。」として、上洛し、師仲卿から「造り方の
要点」を教わったわけですが、結局、「なるほどとは思ったが、考えてみれば
くだらないことであると反省し、それからは人造りはいっさい止めることに
した。」とありますので、「高野山の奥」に「捨て置」かれたままかも^_^;
by middrinn (2019-03-09 16:33) 

tai-yama

昔は山の中に人骨や動物の骨もごろごろしていたので、
ケンタウロスみたいな人間ができあがりそう・・・
by tai-yama (2019-03-09 19:34) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 特製半人半馬座布団1枚 ♪
tai-yama様も半人半バ(イク)の怪物ですものね(^^)
by middrinn (2019-03-09 19:41) 

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