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160620入院中に読んだ本

そろそろ死亡説を流され糠喜びさせちゃう連中を出すのも心苦しいので、都庁もかすかに観える眺めのいい病棟のベッドからガラケー使ってアップするの巻^_^;
緊急入院後も救急車呼ぶレヴェルの腹痛は治まらず、腸までのチューブを鼻から入れてる苦しさに加え、夜間も定期的な点滴の交換があり、全く眠れない状態(;_;) それゆえ、家から持って来てもらった『日本奇僧伝』、無人島に一冊だけと問われりゃ挙げる百目鬼恭三郎『奇談の時代』(朝日文庫,1981)も積ん読のまま(*_*) 少し楽になった17日金曜に点滴やチューブ等を付けたまま病棟の別フロアにある「図書コーナー」を覗いてみた^_^; 一室に本棚が幾つもあり一応分類されてて漫画もあるけど、元は寄贈本だからか、あるいは職員が常駐せずノートに貸出・返却を自分で記すシステムゆえ紛失したのか不揃いな作品もあるが、移動図書館より充実してるぞ^_^; 光瀬龍(原作)&加藤唯史(絵)『ロン先生の虫眼鏡⑥』(少年チャンピオン・コミックス,1979)があって、寄贈本だからか初版なのに新品同様の状態w(°O°)w この名作は描き手に恵まれたことが大きいよね(^.^) 傑作『鉄子の旅』も、2代目(?)の作画力が酷すぎたから、未読の3代目に少し期待^_^;

【読んだ本】

司馬遼太郎『酔って候』(文春文庫,1975)

折角なんで家に無い未読の本や普段なら手を出さないような本を読むことにした(^^) 表題作の他に「きつね馬」「伊達の黒船」「肥前の妖怪」を収録(^^)
「酔って候」は収録作品の中で一番長く、幕末土佐の山内容堂を描いてるんだけど、とにかく主人公が困ったちゃんで絶対に一緒には飲みたくない^_^; 容堂の「歴史主義」に基づく諸発言は歴史好きには堪らなく面白いんだけど、「名論卓説ならなんでもいい」という「教養主義」が酷すぎて、お前は器かと言いたくなる(-_-) 小御所会議での容堂の慶喜弁護論を小山軍議での藩祖一豊の発言に比した司馬の着眼には畏れ入りましたm(__)m なお、読んだの第33刷だけど89頁の「例の上士の親衛隊はいまでは「臨時組」と名づけられ、藩名による正規の剣闘団になっている。」の「藩名」は「藩命」の誤植じゃね^_^;
「きつね馬」は幕末薩摩の島津久光を描いた話で、海音寺潮五郎の諸作品で知ってたとはいえ、司馬らしい読み手の頭に染み透る平明な文体で、ここまで暗君に描かれてたとはね^_^; 海音寺の読後感が残ってないか調べたいね^_^;
「伊達の黒船」は、幕末に宇和島の伊達宗城が藩独力で蒸気船を造ろうとした際、主人公の嘉蔵はとんでもない天分の持ち主なのだが「最下級の身分」であるがゆえに酷く虐げられながらも、何とか完成させる話(;_;) この短篇の後に書かれた長篇『花神』だと主人公をクローズアップするためか、蒸気機関なども村田蔵六の関与が描かれてた(はずだ)けど、本篇では違った(-_-)
「肥前の妖怪」は幕末の鍋島閑叟を描いた興味深い一篇で、時折イヤ~な感じもさせた閑叟だったけど、ラストの花見のシーンは実に素晴らしい(^^)
「解説」は芳賀徹(書名は思い出せぬが幕末・維新を描いた好著の講談社学術文庫版は所蔵既読)で個人的には興味深い内容だが、講座派・労農派やら何とかテーゼやら今の多くの読者には意味不明だろうし、流石に今の歴史学界はそこまで時代錯誤じゃないんじゃないかな^_^; いや多くの学界が時代錯誤なとこあるけどさ(-_-)

夕方やっと鼻からチューブが抜けて、丸一週間ぶりの食事(^^) といっても流動食だし、断食生活みたいな状態だったわけだから、『日本奇僧伝』を読むのが相応しかったのかも^_^;

タグ:歴史 小説 列伝
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