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160621入院中に読んだ本

毎日1冊読破と語るグラドルがいるけど、どんなジャンルの本であれ凄いよ^_^;
【読んだ本】

松本清張『影の地帯』(新潮文庫,1972→2005改版)

書名を一見し瞬時に連想したのが、白土三平『忍者武芸帳』だったが、読んでみたら…^_^; 巻頭の長野県(登場する路線、駅名、湖など)をメインとした「参考地図」を見て、大糸線や篠ノ井線はよく利用したし、また鉄でもないのに金沢から新幹線&特急を使わずに日帰りした際に車窓から大きな湖が見えたのが何回かあったなぁと思い出しながら最初の内は読んでたけど、今更だが、清張は巧いよw(°O°)w ちょっと読み始めたら止められなくなり、読みながら「そいつは敵だよぉ~騙されてついてっちゃダメだよぉ~(;_;)」などと入れ込みながら、700頁余の本書を一気に読了させられた^_^;
でも、主人公に対してはハラハラではなくイライラさせられまくり(-_-;) 「お前が手の内を全て明かさんから犠牲者が出たやんけっ!」「物証あるやん!! まさか捨てたんか?」「態度豹変して、これ以上無いシグナル出してんのに何故気付かんのよ?」等々(`Δ´) ラストに明かされたストーリーの始め方の伏線は小生も完全に見落としてたけどさ^_^; 2回(49頁、91~92頁)も「美しい女はとく(なの)だ」などとしみじみ思う主人公の色呆けぶりは凄まじく、危機一髪という場面でも、名前が判らないから「飛行機の女」と呼んできたが、君のイメージに合わないから、「霧の女」と勝手に心の中で呼びます、と主人公が告ったのには一気に脱力(+_+) ラストまで読み手を引っ張ったけど、大団円、そして最後の一行には、犠牲者が怨霊化するよ^_^;
「(平成十六年十二月、フリーライター)」高橋呉郎による「解説」の末尾に「なお、本書の旧版で、死体処理に関するデータに誤りがある、と読者に指摘された。この新版では、ご遺族の了解を得て、訂正がなされたことを付記しておく。」とある(719頁)。 入院中ゆえ蔵書で確認できず、うろ覚えで恐縮だが、『点と線』のトリックの不備とその改善方法を平野謙が指摘したのに清張は修正しなかった云々と、小林信彦が書いていたはず^_^;

石鹸つながりではないが、今日は入院後初シャワー^_^;

[160621追記]

本書は17章から構成されていて各章にはその内容を示唆する章タイトルも付されているのだが、本書には目次がないので、ここに巻措く能わざる清張作品の秘密があると愚考^_^;
タグ:小説
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