読書の厄介なところは、同じパターンと判っててもハマっちゃうことである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【読んだ本】

駒田信二『艶笑植物事典』(文春文庫,1987)所蔵本

読了(^o^)丿 本書の「1 梅といえば唾がたまる」で、「鶯宿梅[おうしゅくばい]」を説明した件
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-15 )や「菅公の飛梅」を説明した件
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-02 )に、誤りがあると指摘したし、
「7 陰裏の豆もはじけ時」で「辞典の不備」として『岩波古語辞典』と『広辞苑』を名指してること
を既に取り上げた(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-02-07 )v( ̄∇ ̄)ニヤッ

    1 梅といえば唾がたまる  梅
    2 咲いた桜になぜ駒つなぐ 桜
    3 江戸紫に京鹿子     紫・紅花
    4 竿のさきに鈴      竹
    5 臍が茶を沸かす     茶
    6 稗のこして粟まく    稗・粟
    7 陰裏の豆もはじけ時   豆
    8 すくないかな腎     慈姑・茗荷
    9 芋の煮えたも御存知ない 里芋
    10 山芋が鰻になる     山芋
    11 椎茸が松茸を買う    松茸・椎茸
    12 秋茄子嫁に食わすな   茄子
    13 これ屈強の功の者    大根
    14 月夜に釜を抜く     菊
    15 きんか頭の蠅滑り    金柑・九年母
    あとがき

本書は18禁の笑い話を紹介する以外にも、下ネタ系の江戸時代の川柳も紹介・解説してくれる(^_^;)

    ・・・/「山の芋」という言葉は、僧侶をさげすんでいうときにも使われる。たとえば、
    
      野暮と化物品川へ入りびたり
      品川は山の芋より薩摩芋
      山の芋うなぎになって羽織なり

    などという句がある。最初の句の「野暮」というのは田舎侍のことで、その田舎侍の中
    でも江戸の川柳子などの眼から見れば特に野暮でしかも幅をきかしていたのは薩摩侍で
    あったことから、山芋に対してこれを薩摩芋といったのである。僧侶のことを山の芋と
    いうのは、寺には山号があることから、山から出てくる芋坊主という意味でそう呼んだ
    のであって、これを「化物[ばけもの]」というのは、遊里へ行く破戒僧たちは、
    同じく頭をまるめている町医者の姿をして羽織を着、脇差をさして、つまり町医者に
    化けて行ったからである。第三句の「うなぎになって羽織なり」がそれを示している。
    「うなぎになって」は鰻のように穴にはいりたくなって、の意である。/品川は、
    いうまでもなく、東海道五十三次の最初の宿場品川の遊里のことだが、また、しな
    という川、の意にも重ねられている。それゆえ第一句では「入りびたり」という表現が
    生きるのであり、また、第二句では川と山とのとりあわせが見せ場といえば見せ場と
    なるのである。品川へ行く化け医者は、芝の増上寺の山の芋だが、化け医者は増上寺の僧
    とは限らない。・・・

ネットで調べると、薩摩藩の下屋敷が高輪にあったようだから、品川の方に行くんだろうね(@_@;)
柴田千秋編『性語辞典』(河出書房新社,1998)に「山の芋」は無く、「化け物」は違う意味(^_^;)

〈江戸の「いろは歌留多」の大半の句がそうであるように、裏の意味がある。〉とあるが、駒田信二
の手に掛かれば何でもエロく読み解けそう(^_^;) 「平成名物TVヨタロー」の三遊亭窓里の芸風(^_^;)