電車内で3人掛けの席の真ん中に座るオッサン、マスクを二重にしているが、更なる用心のつもりか、
両足を豪傑の如く左右に大きく広げて、ソーシャル・ディスタンスを確保しようとしていた(@_@;)
ちなみに、前から疑問に思っていたので、「フィジカル・ディスタンス」の使用を小生も支持(^_^;)

【読んだ本】

戸板康二『あの人この人 昭和人物誌』(文春文庫,1996)所蔵本

続いて、「有吉佐和子の笑い声」を読んだ(^^) 有吉佐和子のことを戸板康二がメチャ魅力的な女性に
描いているのは、本書の習いである(〃'∇'〃) 小生的には有吉佐和子も女傑のイメージがするから
(文化大革命を映画化したら江青夫人の役が似合いそうだ)、「上には上がある」として有吉佐和子
が訪ねてくるというので彼女の本を「赤い鉛筆」で「手直し」してたという野上弥生子のエピソード
もメチャ面白かったけど、ここではブックガイド的なメモをしておきたい_φ( ̄^ ̄ )メモメモ

    ・・・有吉さんはコツコツと、かならずしも注文されない小説の原稿を書いたが、
    その一つに「地唄」があったのだ。芸道ものというこの作家のひとつの路線の原点
    であろう。/・・・/・・・モデルは大体見当がつくが、この処女作は傑作だ。/
    当時の作品には「墨」「黒衣[くろご]」「キリクビ」といった伝統的な古典芸術を
    扱った短編が多い。この中には、若い女の子が老人に会って相手に気に入られる
    というシチュエーションがいくつかある。これはハッキリ、有吉さん自身を描いて
    いるのだった。/じじつ、彼女は老人キラーであった。・・・

    ・・・/昭和五十三年に私のためにパーティーを開いてもらった日、有吉さんが
    来てくれ、スピーチをした。「私も戸板さんのように、一度推理小説を書くつもりです」
    と、その時宣言した。/そして、なくなるすこし前に、「開幕ベルは華やかに」という
    長編を書きおろした。新潮社からその本が届いて、同社のPR誌の「波」に書評をという
    依頼だった。おそらく作者が私にたのむようにといったのだろうと思い、さっそく
    読んだのだが、正直にいって、がっかりした。/今までもその作品のほとんどを読み、
    叢書や文庫になった小説の解説もいろいろしたが、あれほど巧い作家が、推理小説に
    なるとなぜこんなに下手なのだろうと思った。/だから私としては、賞めるわけには
    ゆかないし、まさか「波」に悪く書くこともできないので、正直にそういって、
    ことわった。/・・・

逆に『開幕ベルは華やかに』(親の本棚にあったけど無くなっちゃった)の方を読みたくなる(^_^;)
『華岡青洲の妻』も、その舞台が超ロングランになった「原因」を論評しているけど、省略(⌒~⌒)

・「江戸川乱歩の好奇心」は御愛想と思ってたところ「翌日」「速達」なのが〈ちょっといい〉(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-07

・「徳川夢声の話術」は古川ロッパが夢声の声帯模写をしてラジオ聴取者が気付かなかった話(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-01-11

・戸板康二の「ちょっといい話」シリーズ4冊から〈真・ちょっといい話〉を選りすぐってみた(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-12-27