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191009読んだ本

「これは凄いですよ、あの小野妹子の直筆ですからね。日本史赤点だった私にもどれだけ歴史的価値が
あるか分かります。」という冗談としか思えぬ返信コメに対し、19人も「そう思う」を押してた(^_^;)
昨日17:00配信の京都新聞〈源氏物語で最古の写本発見 定家本の1帖「教科書が書き換わる可能性」〉
というYahoo!トップ記事へのコメに対する返信にあったが、SSブログのnice!と同レヴェルかと(^_^;)

【読んだ本】

W.S.モーム(西川正身訳)『読書案内 世界文学』(岩波文庫,1997)所蔵本

プルースト『失われた時を求めて』を読破した人が少ないのは、とにかくメチャクチャ長いことと、
時間についての形而上学的小説という定評に読む前から既に挫折してしまう人が多いためかと(^_^;)

〈『失われた時を求めて』を読み通す方法〉と題された一篇が小林信彦『読書中毒 ブックレシピ61』
(文春文庫,2000)にある(^_^;)

    ・・・/ぼくは『失われた時を求めて』から〈時間〉の問題やら何やらを
    とっぱらってしまい、人間喜劇、巨大なユーモア小説として読んだ。
    少なくとも、若い時には、とてつもなく面白い小説だと思った。/
    同じころだったが、サマーセット・モームの『読書案内』(岩波新書)を読むと、
    ほぼ似たような感想が記してあった。/・・・

岩波文庫に収録された本書から小林信彦が引用している部分を含めて関係する件をそっくり引く(^^)

    ・・・彼[プルースト]の小説は繰り返しがじつに多い。その自己分析は、
    よんでいてうんざりする。また、彼がまるでものにつかれたように、
    退屈きわまる嫉妬心を執拗に追求しているのをよむと、どんなに熱心な読者でも、
    しまいには疲れてしまう。だが、彼の長所は、こうしたいくつかの欠点をゆうに
    つぐなってあまりがある。彼は偉大な独創的な作家であった。鋭敏な感覚、
    創造の才、人間心理にたいする洞察力をもっていた。だが、将来の人びとは、
    何よりも先に、おどろくべきユーモアの持主として、彼を迎えることだろうと、
    わたくしは考える。そこでわたくしは、このぼう大な小説をよむならば、
    まず最初からはじめ、退屈になったらとばしてよみ、しばらくしたら、
    また普通のよみ方にかえることをおすすめする。ただし、ヴェルデュラン夫人と、
    シャルリュ男爵のところは、一箇所でもよみおとすことがないように、
    注意なさるがよい。この二人の人物は、人間の喜劇的想像力が生んだ
    もっともゆたかな創造物で、当代他にその類を見ない。/・・・

「とばしよみ」を推奨しつつも「一箇所でもよみおとすことがないように、注意」すべき部分を指定
してるところが凄いね( ̄◇ ̄;) 「とばしよみ」で『失われた時を求めて』を読むことを小林信彦も
推奨しているわけだけど、

    ・・・/〈とばしよみ〉にもコツがいる。レンタル・ビデオで映画をみるときに
    〈とばす〉のにコツがあるように。/とはいえ、若干の予備知識がなければ、
    〈とばしよみ〉はできない。/・・・

として、『失われた時を求めて』を読む上での参考書を紹介し、「とばしよみ」のコツを語る(^_^;)

さて、木原武一『要約 世界文学全集Ⅰ』(新潮文庫,2004)のプルースト『失われた時を求めて』を
読んだけど(「要約」対象は新潮社刊の翻訳)、レトリックが頭にすうっと入って来ないね(´ヘ`;)
同性愛(百合)が描かれてるなど面白い件も少しはあったけど、はたして挑戦すべきかしら(@_@;)
タグ:小説 海外 評論
コメント(16) 
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コメント 16

ニッキー

『失われた時を求めて』を読み通す方法題された一篇があるなんて
本当に読み通す方が少ないんですねぇ(°_°)
繰り返しが多くて読んでてうんざりして・・・と言いつつ
将来の人びとは何よりも先に、おどろくべきユーモアの持主として、彼を迎えるって(⌒-⌒; )
とばしよみを薦めながらも、一箇所でも読み落とすなと言ったりもする
かなり矛盾した話になるのは小林信彦さんが読みながら
翻弄されたんでしょうか(*_*)
by ニッキー (2019-10-09 22:10) 

喜んぶ

。。そう、思う!?
、、の、疑問かも?、、^^;
。。「一箇所でも~、、、」
、、その方が、凄いのでは!?
by 喜んぶ (2019-10-09 23:03) 

tai-yama

書いている方も文をつなげて書いていると思うので、その部分を
飛ばして読むって結構高等テクなのかも。私の場合、飛ばし読みは
凄いスピード感(勢い)で読む意味になったり(笑)。
by tai-yama (2019-10-09 23:08) 

ナベちはる

ヤフコメ、内容によっては的を射ていたりそうでなかったりと、よく分からないです…(+o+)
by ナベちはる (2019-10-10 00:22) 

middrinn

日本の作品で言えば『大菩薩峠』のように、
ニッキー様、超有名かつ古典的作品なのに
読破した人は皆無に等しい小説です(^_^;)
メチャクチャ長いですし、登場人物も多い
ので、上記2人に関する叙述だけ見落とすな、
とは至難というわけではないのかも(^_^;)
by middrinn (2019-10-10 06:08) 

middrinn

この冗談を面白いと思ったのかもしれません(^_^;)
喜んぶ様に小生が座布団を進呈するようなもの(^^)
by middrinn (2019-10-10 06:10) 

middrinn

おっしゃる通りだと小生も思います(^_^;) とばし読みは、
tai-yama様、小林信彦も言うように、コツ=テクニックが
必要で、それは熟練の読み手にしか出来ない技かと(^_^;)
by middrinn (2019-10-10 06:13) 

middrinn

ヤフコメ、たしかに鋭いのと首を傾げたくなるのが、
ナベちはる様、玉石混交な感じがしますねぇ(^_^;)
by middrinn (2019-10-10 06:14) 

そら

『失われた時を求めて』、興味を持ちました
読破してみます、秋ですしねぇ夜長いから(^^)
by そら (2019-10-10 06:27) 

middrinn

チャレンジャー現る!ヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪
それなら、小生も挑戦してみようかなぁ(@_@;)
by middrinn (2019-10-10 06:34) 

suzu*

やっと、やっとこさログインできたよ~~~
まるで浦島太郎になった気分だったわ( *`艸´)
写真も撮らず、ダーニングすることもせず、腹巻き帽子を編むこともせず
月日は過ぎていくばかりなりけりよ。。
思っている以上に気持ちと身体はバランス取れなくて
体力が果てると眠たいばかりで、そんなお歳頃なのかしらね?
5冊ほどを並行して読んでみたり。。
ブックオフ、図書館、本屋さんと
まるでコレクターか!ってなぐらい増殖してまする(*´ω`*)
また宜しゅうにな
by suzu* (2019-10-10 11:27) 

middrinn

suzu*様の復活キタ━━━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━━━!!!!
ログイン出来て良かったニャアヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪
妙齢だし、好きなように、自然に生きるのか一番(^o^)丿
睡眠は百薬に勝るなりよ(^^) 眠たい時に眠るなりよ(^^)
本を紹介してくれるのを愉しみに待ってるニャア(〃'∇'〃)
by middrinn (2019-10-10 12:10) 

yahantei

先日、紹介していただいた「読後感想文」、無理矢理に、「北斎」に結びつけることができました(やや、囲碁でいう「無理筋」ダネ)。
「昨日17:00配信の京都新聞〈源氏物語で最古の写本発見 定家本の1帖「教科書が書き換わる可能性」〉」→ これも「大変ナコトダネ」。
by yahantei (2019-10-10 17:40) 

middrinn

あの色、御指摘にナルホドと思わせます(^^) 小生もブックオフで買いますよ(^o^)丿
上記のニュース、『源氏物語』に疎いので、あまりピーンと来ないんですけど(@_@;)
by middrinn (2019-10-10 18:34) 

NONNONオヤジ

う~ん、『失われた時を求めて』を人間喜劇、巨大なユーモア小説として
読み通すのか……。
「あんまり難しく考えすぎないで、大いに楽しんでしまえ~!」ってことかな?
ちなみに、岩波文庫版と光文社文庫版、どちらの新訳が良いのだろう?
どちらもぼくのよく知らない翻訳者の方なので……。
by NONNONオヤジ (2019-10-12 17:57) 

middrinn

小林信彦の前掲書の中の一篇「プルーストをどう読むか?」で引いている工藤庸子
『プルーストからコレットへ いかにして風俗小説を読むか』(中公新書,1991)も
「『失われた時を求めて』はさまざまの読み方ができる作品である。ひとりの作家が
誕生するまでの文学的模索の過程を語った芸術家小説。愛と死、そしてとりわけ時間
という永遠のテーマに正面からとり組んだ形而上学的小説。さらには喜びや悲しみと
ともに日々の平凡なドラマを生きる人々が、大勢登場する文字通りの風俗小説。」と
「序」で書いてました(^_^;) 以上の文献しか無くて新訳の評価は分りません(+_+)
by middrinn (2019-10-12 18:08) 

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