ワイドショーコメンテーターはどんな話題にも尤もらしいコメントしてて矛盾しないのか(@_@;)

【読んだ本】

倉本一宏『藤原道長の日常生活』(講談社現代新書,2013)

漢詩文の良し悪しが判ると自負しているらしい倉本一宏は本書79頁で次のような評価ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

    ・・・/ただ、道長自身はあまり作詩は得意ではなかったようで、現在残されている
    道長製の漢詩(『本朝麗藻』の「宇治別業の即事[そくじ]」「林花、落ちて舟に
    灑[そそ]ぐ」、『逍遥公答問』の「藤花、紫綬を作る」)も、それほど優れたもの
    とは思えないのであるが、・・・

だが、倉本一宏が「それほど優れたものとは思えない」と評する「宇治別業の即事」は『本朝麗藻』
に入っている事実があるわけだし、しかも、一条朝文壇の中心的存在であり、漢詩文にも優れていた
具平親王が、この道長の「宇治別業の即事」に和した詩を道長に賜っていることが『御堂関白記』の
寛弘元年(1004年)閏9月25日条にも出ている上に、翌26日条に一条天皇や藤原伊周という漢詩文に
秀でた二人が道長の別の詩に和した事実も出ており、道長の漢詩文は本当に「それほど優れたものと
は思えない」のかね(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-10-10 )(@_@;)

倉本一宏(日本歴史学会編集)『一条天皇』(吉川弘文館人物叢書,2003新装版)に次の件( ̄◇ ̄;)

    ・・・/以上が、一条[天皇]の残した漢詩である。個々の詩について論評する
    余裕と能力がないので、・・・

倉本一宏は「一条[天皇]の残した漢詩」に関して「個々の詩について論評する・・・能力がない」
としながら道長の「「個々の詩について論評する・・・能力」はあるのか∑( ̄ロ ̄|||)ニャンと!?

『藤原道長の日常生活』の38頁、40頁、41頁、95頁での道長の記憶力に関する倉本一宏の各コメント
を改めて紹介(⇒ https://yomunjanakatsuta-orz.blog.ss-blog.jp/2015-06-16 )C= (-。- ) フゥー

    ・・・/この長和二年には、道長は四十八歳になっている。この年齢になると、
    忘れっぽくなることは、誰しも経験するところであろう。・・・

    ・・・/忘れっぽくなるということを先ほど挙げたが、そういえば古記録には、
    道長がいろいろなことを忘れたという記載も、しばしば記されている。/有名
    なのは寛弘八年(一〇一一)、一条天皇の崩御に関わることで、・・・

    ・・・/しかしこれらは、道長が故意に忘れたのではないであろう。道長は
    もともと、忘れっぽい人なのである。長和二年(一〇一三)七月十日におこ
    なわれた皇女禎子の五夜の産養では、・・・

    ・・・/道長の記憶力のよさがうかがえる例もある。寛弘五年四月十六日、
    賀茂斎院御禊が・・・

日記『御堂関白記』の史料的価値を考える上で記主=道長の記憶力は重要なポイントのはずだけど、
道長は加齢によって「忘れっぽくな」ったとしながら、「もともと、忘れっぽい」のだと言い出し、
更には「記憶力のよさがうかがえる」とは(゚ロ゚;) ワイドショーコメンテーターが務まりそう(^_^;)