220902読んだ本
戦国時代を描いた歴史小説でも登場人物の行動原理が現代人の価値観というのはちょっとね(@_@;)
【読んだ本】
小和田哲男『戦国武将の手紙を読む 浮かびあがる人間模様』(中公新書,2010)
前章(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-08-29 )に続き、「3 浅井長政書状
──戦国大名への道」を昨日読んだが、特にメモするところもないので、「4 森長可自筆遺言状──
娘の嫁ぎさき」を今日読んだら、こちらは一驚一興で読む価値ありかとヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪
小牧・長久手の戦いで戦死した森長可の遺言状から本書の現代語訳で興味深い件(本書39~40頁)を
引く(⌒~⌒)
覚
一、沢姫の壺は秀吉様に進上して下さい。但し、今は宇治にあります。
一、台天目の茶碗も秀吉様へ進上して下さい。これは仏陀寺にあります。
一、もし私が討死したら、そのようにして下さい。・・・弟の千丸はいままで通り、
秀吉様の側で奉公させて下さい。
一、私の跡目をつがせるのはくれぐれもいやでございます。この兼山城は要衝なので、
たしかな、しかるべき部将を秀吉様から指名して入れてもらうようにして下さい。
一、・・・
一、あまり良品ではない茶の湯の道具や刀・脇差の類は千丸が受け取るようにお願い
します。・・・
天正十二年三月二十六日朝 武蔵
尾藤甚右衛門[知宣]様へ
又、いい残したことがあります。・・・おこうの事です。彼女は京の町人のところに
嫁がせるようお願いします。薬師のような人に嫁がせるのがいいと思います。・・・
以上です。
「名物茶器」のことを「冒頭」に記してる点は、この遺書の中身の解説で本書も指摘はしてる(^_^;)
森長可のことは、桑田忠親『茶道の歴史』(講談社学術文庫,1979)、桑田忠親『本朝茶人伝』(中公
文庫,1980)、桑田忠親『武将と茶道』(講談社文庫,1985)、読売新聞社編『茶人物語』(中公文庫,
2012)等には見当たらないけど、名物狩り&茶の湯御政道ということで織田信長から与えられた名物
なのかな(@_@;) その後が気になるも、本書は説明ナシオン主権(ノ゚ο゚)ノ とまれ、千丸とおこうに
に関する遺言内容についての本書の解説(本書46~47頁)を引く(^_^;)
・・・/注目されるのは・・・[美濃]兼山城主の地位をそのまま弟の千丸[忠政]に
つがせる意思のないことを伝えている部分である。ふつう、子どもとか兄弟がいれば、
その地位をそのままつがせたいと考えるところであるが、これは、あとの部分、娘を
武士には嫁がせたくないという箇所とともに、このときの長可の心情が籠もっている
といえる。/元亀元年(一五七〇)の志賀の陣のとき、宇佐山城の戦いで父可成を失い、
天正十年(一五八二)の本能寺の変で弟蘭丸・坊丸・力丸の三人を亡くした長可にして
みれば、「もう武士はこりごりだ」との思いがあったものと思われる。あるいは弟千丸
がまだ幼いので、要衝である兼山城は別の人物に守ってもらった方がよいと判断した
のかもしれない。/・・・/追加の事項でなんといっても注目されるのは娘のおこうの
嫁ぎ先が武士でなく、京都の町人、もっといえば医師に嫁がせたいといっている部分
である。身内を何人も戦いで死なせている長可としては、娘の将来を考え、武士以外の
職業の男のもとに嫁がせるのが安全と考えたわけである。ただ、その後のおこうに
ついては消息がつかめない。/・・・
面白いけど、遺言状の最後の最後に「もし我々が総負けとなったならば、皆火をかけ、死ななければ
なりません。」(本書40頁)と記してあることと矛盾する解釈のようにも思えるんだけどね(@_@;)
・小和田哲男『戦国大名と読書』(柏書房,2014)よ、この「古歌」は建仁元年(1201年)の作ゆえ、
文治5年(1189年)に自害した源義経が「知らなかった」のは当然ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-08-11
・小和田哲男『戦国武将の実力 111人の通信簿』(中公新書,2015)の著者の「教養」は1点だな(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-08-04
【読んだ本】
小和田哲男『戦国武将の手紙を読む 浮かびあがる人間模様』(中公新書,2010)
前章(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-08-29 )に続き、「3 浅井長政書状
──戦国大名への道」を昨日読んだが、特にメモするところもないので、「4 森長可自筆遺言状──
娘の嫁ぎさき」を今日読んだら、こちらは一驚一興で読む価値ありかとヤッタネ!!(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)ィェーィ♪
小牧・長久手の戦いで戦死した森長可の遺言状から本書の現代語訳で興味深い件(本書39~40頁)を
引く(⌒~⌒)
覚
一、沢姫の壺は秀吉様に進上して下さい。但し、今は宇治にあります。
一、台天目の茶碗も秀吉様へ進上して下さい。これは仏陀寺にあります。
一、もし私が討死したら、そのようにして下さい。・・・弟の千丸はいままで通り、
秀吉様の側で奉公させて下さい。
一、私の跡目をつがせるのはくれぐれもいやでございます。この兼山城は要衝なので、
たしかな、しかるべき部将を秀吉様から指名して入れてもらうようにして下さい。
一、・・・
一、あまり良品ではない茶の湯の道具や刀・脇差の類は千丸が受け取るようにお願い
します。・・・
天正十二年三月二十六日朝 武蔵
尾藤甚右衛門[知宣]様へ
又、いい残したことがあります。・・・おこうの事です。彼女は京の町人のところに
嫁がせるようお願いします。薬師のような人に嫁がせるのがいいと思います。・・・
以上です。
「名物茶器」のことを「冒頭」に記してる点は、この遺書の中身の解説で本書も指摘はしてる(^_^;)
森長可のことは、桑田忠親『茶道の歴史』(講談社学術文庫,1979)、桑田忠親『本朝茶人伝』(中公
文庫,1980)、桑田忠親『武将と茶道』(講談社文庫,1985)、読売新聞社編『茶人物語』(中公文庫,
2012)等には見当たらないけど、名物狩り&茶の湯御政道ということで織田信長から与えられた名物
なのかな(@_@;) その後が気になるも、本書は説明ナシオン主権(ノ゚ο゚)ノ とまれ、千丸とおこうに
に関する遺言内容についての本書の解説(本書46~47頁)を引く(^_^;)
・・・/注目されるのは・・・[美濃]兼山城主の地位をそのまま弟の千丸[忠政]に
つがせる意思のないことを伝えている部分である。ふつう、子どもとか兄弟がいれば、
その地位をそのままつがせたいと考えるところであるが、これは、あとの部分、娘を
武士には嫁がせたくないという箇所とともに、このときの長可の心情が籠もっている
といえる。/元亀元年(一五七〇)の志賀の陣のとき、宇佐山城の戦いで父可成を失い、
天正十年(一五八二)の本能寺の変で弟蘭丸・坊丸・力丸の三人を亡くした長可にして
みれば、「もう武士はこりごりだ」との思いがあったものと思われる。あるいは弟千丸
がまだ幼いので、要衝である兼山城は別の人物に守ってもらった方がよいと判断した
のかもしれない。/・・・/追加の事項でなんといっても注目されるのは娘のおこうの
嫁ぎ先が武士でなく、京都の町人、もっといえば医師に嫁がせたいといっている部分
である。身内を何人も戦いで死なせている長可としては、娘の将来を考え、武士以外の
職業の男のもとに嫁がせるのが安全と考えたわけである。ただ、その後のおこうに
ついては消息がつかめない。/・・・
面白いけど、遺言状の最後の最後に「もし我々が総負けとなったならば、皆火をかけ、死ななければ
なりません。」(本書40頁)と記してあることと矛盾する解釈のようにも思えるんだけどね(@_@;)
・小和田哲男『戦国大名と読書』(柏書房,2014)よ、この「古歌」は建仁元年(1201年)の作ゆえ、
文治5年(1189年)に自害した源義経が「知らなかった」のは当然ヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-08-11
・小和田哲男『戦国武将の実力 111人の通信簿』(中公新書,2015)の著者の「教養」は1点だな(^_^;)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2020-08-04
歴史小説というなら、当時の価値観で行動原理を考えて書いてほしいですね(^^;)
by ナベちはる (2022-09-03 01:29)
ですよねぇ(^_^;) 時代小説や時代劇なら話は別ですけどねぇ(^_^;)
by middrinn (2022-09-03 05:44)
おこうが天正地震で、無事だったかどうかが気がかりですね。
by df233285 (2022-09-03 08:16)
たしかに( ̄◇ ̄;) 千丸が兼山城主になったから、
おこうもそのまま兼山にいそうですものね(^_^;)
by middrinn (2022-09-03 08:34)
千丸とおこうをくっつければ・・・千丸は期待できなかったのか。
「総負け」になって(弟・家族たちが)家康に仕えて生きながらえる
なんて以ての外と。そこだけは譲れなかったのかも。
by tai-yama (2022-09-03 20:08)
「総負け」とは秀吉も討死した場合でしょうから、
主君が討死したならば家臣一同も討死すべし的な、
君臣一体(?)のような観念ですかねぇ(@_@;)
by middrinn (2022-09-03 20:28)