毎日コツコツとアンケやゲームして得たギフト券を買う予定でない古本に使ってしまい心に穴(@_@;)

【読んだ本】

倉本一宏編『現代語訳 小右記 14 千古の婚儀頓挫』(吉川弘文館,2022)

藤原実資の日記『小右記』の万寿2年(1025年)9月15日条の後半を本書12頁から引いておく(@_@;)

     十五日、甲午。 公任、定頼に替わって童女装束を調備/菅原道真真蹟一巻を
             菅原忠貞朝臣に賜与/

    ・・・□□□大内記(菅原)忠貞が、春宮大夫(頼宗)の返事を伝えて言った。
    菅丞相(菅原道真)の自筆の草書一巻を忠貞朝臣に与えた。大臣や蔵人頭を辞す
    表状および人々の申文、その他、多くである。この書は、匣[くしげ]の底に
    隠し置いていた。懼[おそ]れるところが無いわけではない。静かに愚慮を
    廻らして、忠貞朝臣に与えた。深く感悦した。愚案は神意に合っているか。

藤原実資が「隠し置いていた」菅原道真の「自筆の草書一巻」、そもそも何で持ってるんだ(@_@;)
「深く以て感悦す」とあるのは、菅原忠貞のことなのか(@_@;) 藤原克己『菅原道真 詩人の運命』
(ウェッジ選書,2002)巻末の「全国主要天神・変わり天神社」(文・佐々木和歌子)は奈良の「菅原
神社」の項で〈・・・三月には「奈良筆まつり」などが行われる。道真は書道の神としても祀られた
ため各地の天神社で筆祭が行われているが、特に菅原神社の筆まつりは二千人もの参拝客が押し寄せ
る。毛筆を代表的な産業とする奈良らしいお祭りだ。・・・〉と記してるけど、そもそも道真は書も
優れていたのかな(@_@;) 池田利夫(訳注)『現代語訳対照 更級日記』(旺文社文庫,1978)巻末の
「解説」に載ってる略系図を見ると、忠貞は輔正の孫で文章博士にもなってて、「・・・一方、淳茂
[道真の子]の孫である輔正の活躍も目ざましく、これは正三位に達して参議に列せられた。すなわち
道真を継承した菅原家の子孫は、文章博士となったのを目安にして見ると、[道真の子の高視からは
雅規と文時の二人の子に分かれたので]三つの家系に分かれて発展していく様相を見せ、雅規の流は
三位に至らなかった点でいささか振るわないようにも見受けられる。・・・」とあって、雅規の孫で
ある孝標に藤原実資が道真の真蹟一巻を与えなかったのは、そのことも背景にあるのかしら(@_@;)