漫画だったらラッキースケベとして喜劇的展開となりそうなのに悲惨な末路が・・・((;゚Д゚)ヒィィィ!

【読むのを止めた本(バカチン?)】

ブルフィンチ(作)野上弥生子(訳)『ギリシア・ローマ神話 付インド・北欧神話』(岩波文庫,1978)所蔵本

水浴中の女神アルテミスに遭遇してしまったアクタイオンは鹿に変えられた後・・・ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

    ・・・アクタイオンが洞穴の入口をのぞくと、ニンペたちは思わぬ男の姿にみんな
    叫び声を立てて女神の方へ駈け寄り、身を以ってアルテミスを隠しました。けれども
    女神ははたの者より背丈が高かったから、頭だけぬきんでていました。すると、
    日の入り方か、また明け方の色のような雲が、ものに驚いたアルテミスの顔を蔽いました。
    アルテミスはニンペたちに取りまかれながらも、半ば身を背けて背中の矢を取ろうと
    しました。けれども矢はニンペに渡して手近になかったので、女神はこんな言葉を
    いいながら、闖入者の顔に水をはねかけました。『さあ、話せるなら行って、
    アルテミスの裸かになってるところを見たと話すがよい。』こういうと、たちまち
    枝のついた一対の牡鹿の角がアクタイオンの頭に生えました。そうしてその頸は
    ずっと長くなって、耳は尖ってきました。手は足先となり、腕は長い足となり、
    身体は斑毛の獣皮に蔽われてしまいました。・・・

「日の入り方か、また明け方の色のような雲が、ものに驚いたアルテミスの顔を蔽いました。」なる
一文は、「ニンペたち」が「身を以って」アルテミスの身体を隠したのと同じように、「雲」が彼女
の顔を隠したと理解したけど、原著が本書と同じT・ブルフィンチ(佐渡谷重信訳)『ギリシア神話
と英雄伝説(上)』(講談社学術文庫,1995)のこの件(同書103~104頁)の訳は次の通り(@_@;)

    ・・・彼が洞窟の入口に現われるや、ニュムペーたちは男の姿を見て、キャッーと
    金切り声をあげて、女神の方に駆けて行き、自分たちの体軀で女神の裸体を覆いかくす
    のだった。しかし、女神がニュムペーよりも背が高かったので、首だけが突き出て
    しまった。こうした不意の闖入者に驚いた女神の顔には日没や夜明けに雲を染める
    茜色が、とっと浮かびあがった。女神はニュムペーにとり囲まれてはいたが、なかば
    顔をそむけ、急に何かの衝動にかられて、自分の矢を探し始めた。しかし、矢が近くに
    ないのに気づくと、女神はこの闖入者の顔に水をひっかけてやり、こう言った。「さあ、
    できるものなら、アルテミスの裸の姿を見たと言いふらすがよい」。すると、時を
    おかず、枝わかれのした一対の鹿の角が、アクタイオーンの頭から生えてきた。しかも、
    彼の首も長くなり、耳はぴんと張り、両手は両足に変化し、両腕は長い脚となり、
    全身は斑点のある毛皮に覆われてしまった。・・・

長男は盗作(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-03-01 )で母親は誤訳か(^_^;)
・・・と書いた先日(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-03-24 )の件と違い、
今回のが誤訳かどうかは原文と照らし合わせてみないと判らんけど、誤訳の疑いが濃厚かと(@_@;)

読み進めると文脈から理解可能も、「・・・アプロディテはその青年[アドニス]に迷い込んでしまい
ました。」(同書172頁は「彼女[アプロディーテー]はアドーニスと出逢ってしまい、たちまち彼の
囚[とりこ]になってしまった。」)、「二人[アテナとアラクネ]は戦争を始めました。」(同書
268頁は「そこで二人は競争することに取りかかったのだ。」)等々・・・一時停止を強いる本書(+_+)