211227読んだ本
読書の厄介なところは、ごり推しで１位になったと邪推しがちなことである〇 o 。.~~━u(￣ﾟ ￣=)ﾌﾟﾊｧ
【読んだ本】
岩波新書創刊50年記念号「図書」470号（1988年9月）所蔵誌
追記で3個目のバカチンを打った（⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-12-24 ）
灰原薬『応天の門⑮』（新潮社BUNCH COMICS,2021）、この漫画の「監修」をしているという本郷和人
の解説コラム「道真の平安時代講」が「平安時代の花」と題して同書で次のように述べている(^_^;)
／古典で「山」といえば比叡山。「寺」といえば三井寺。「花」といえば桜。
なのですが、奈良時代までは「花」というと梅だったのです。これは中国の
影響で、中国では梅あるいは桃が花の代表でした。／元号は古来、中国の古典
の文章から選んでいますが、令和という新元号を定める時は、日本の元号
なのだから日本の古典から選択してほしい、というのが政府の要望だったと
いいます。そこで、日本文学の研究者が『万葉集』から令和という漢字を
選んだのですが、梅を愛でる文章だったんですね。純粋に日本を感じさせる
ものであるならここは桜にすべきだろう、と僕は批判したのですが…まあ今更
いいか。／・・・
小生は新元号発表日に「中国の古典からじゃなくて良かったというナショナリズム的感想が多いよう
だが中国趣味じゃん(^_^;)」（⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-04-01 ）と
書いたし、「今更」なんだけど馬鹿話をすると、新元号は「富士」の方が日本的かと(^_^;) つはもの
が多いとして侍JAPANっぽいし、コロナにも不死ということで、今の時代にメチャ相応しかった(^_^;)
さて、さて、さ～て！丸谷才一『花火屋の大将』（文春文庫,2005）は、「日本文学の原点は『古今』
ではなく『万葉』ぢやないかと言ふ人がきつとゐさうな気がする。／これは誤りです。すくなくとも
実際に即してゐない。」として、次のように論を展開していた(￣◇￣;)
・・・／もちろん『万葉』のほうが古いですよ。しかし、長いあひだずつと
埋もれてゐた。『古今』全盛の世がつづき、その撰者紀貫之の支配が圧倒的
だつたのです。だからこそ明治の昔、正岡子規は、文学革命の火蓋を切るに
当つて、／「貫之は下手な歌よみにて、『古今集』はくだらぬ集に有之候」／
と啖呵を切つた。もしも『古今』と貫之の権威が地に落ちてゐたら、子規が
こんなふうに言ひますか。そして、そこまで言はれても日本人全体は、和歌
とはすなはち『百人一首』のやうなもの（言ふまでもなく『古今』調に基づ
いてゐる）と思ひ込んでゐたから、それに腹を立てた「アララギ」派の歌人
たちは『万葉』を宣伝する際に、あんなに喧嘩腰になつて、どなりちらした
のである。『万葉』が勢ひを得たのは、この「アララギ」派のごり推しが
功を奏したのと、それからもう一つ軍国主義のおかげですね。昭和十年代、
軍人が何かの一つ覚えみたいに防人の歌をかついで騒いだせいで、『万葉』
の位置が突出し、確立したのでした。／・・・
「アララギ」派が戦時中の軍部のような言われようだが、〈「アララギ」派のごり推し〉というのは
何を意味するのかな(＠_＠;) 「大正期アララギ派の巨匠」とされる島木赤彦の『歌道小見』（講談社
学術文庫,1978）を拾い読みした限りでは正岡子規と同レヴェルの論で知性は感じられなかった(^_^;)
ところで、岩波新書創刊50年記念号である本誌のアンケート〈私のすすめる三冊〉で、「アンケート
回答書目上位20」を見ると、栄えある1位は選者数19人で斎藤茂吉の『万葉秀歌』（なお、2位は8人で
『新唐詩選』）だったが、この結果もまた〈「アララギ」派のごり推し〉・・ﾍ(__ﾍ)☆＼(^^;ﾝﾅﾜｹﾅｲ!
勿論アンケートを誰に依頼するかで結果は変わるし、回答者の中に丸谷才一はいなかったけど(^_^;)
【読んだ本】
岩波新書創刊50年記念号「図書」470号（1988年9月）所蔵誌
追記で3個目のバカチンを打った（⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-12-24 ）
灰原薬『応天の門⑮』（新潮社BUNCH COMICS,2021）、この漫画の「監修」をしているという本郷和人
の解説コラム「道真の平安時代講」が「平安時代の花」と題して同書で次のように述べている(^_^;)
／古典で「山」といえば比叡山。「寺」といえば三井寺。「花」といえば桜。
なのですが、奈良時代までは「花」というと梅だったのです。これは中国の
影響で、中国では梅あるいは桃が花の代表でした。／元号は古来、中国の古典
の文章から選んでいますが、令和という新元号を定める時は、日本の元号
なのだから日本の古典から選択してほしい、というのが政府の要望だったと
いいます。そこで、日本文学の研究者が『万葉集』から令和という漢字を
選んだのですが、梅を愛でる文章だったんですね。純粋に日本を感じさせる
ものであるならここは桜にすべきだろう、と僕は批判したのですが…まあ今更
いいか。／・・・
小生は新元号発表日に「中国の古典からじゃなくて良かったというナショナリズム的感想が多いよう
だが中国趣味じゃん(^_^;)」（⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-04-01 ）と
書いたし、「今更」なんだけど馬鹿話をすると、新元号は「富士」の方が日本的かと(^_^;) つはもの
が多いとして侍JAPANっぽいし、コロナにも不死ということで、今の時代にメチャ相応しかった(^_^;)
さて、さて、さ～て！丸谷才一『花火屋の大将』（文春文庫,2005）は、「日本文学の原点は『古今』
ではなく『万葉』ぢやないかと言ふ人がきつとゐさうな気がする。／これは誤りです。すくなくとも
実際に即してゐない。」として、次のように論を展開していた(￣◇￣;)
・・・／もちろん『万葉』のほうが古いですよ。しかし、長いあひだずつと
埋もれてゐた。『古今』全盛の世がつづき、その撰者紀貫之の支配が圧倒的
だつたのです。だからこそ明治の昔、正岡子規は、文学革命の火蓋を切るに
当つて、／「貫之は下手な歌よみにて、『古今集』はくだらぬ集に有之候」／
と啖呵を切つた。もしも『古今』と貫之の権威が地に落ちてゐたら、子規が
こんなふうに言ひますか。そして、そこまで言はれても日本人全体は、和歌
とはすなはち『百人一首』のやうなもの（言ふまでもなく『古今』調に基づ
いてゐる）と思ひ込んでゐたから、それに腹を立てた「アララギ」派の歌人
たちは『万葉』を宣伝する際に、あんなに喧嘩腰になつて、どなりちらした
のである。『万葉』が勢ひを得たのは、この「アララギ」派のごり推しが
功を奏したのと、それからもう一つ軍国主義のおかげですね。昭和十年代、
軍人が何かの一つ覚えみたいに防人の歌をかついで騒いだせいで、『万葉』
の位置が突出し、確立したのでした。／・・・
「アララギ」派が戦時中の軍部のような言われようだが、〈「アララギ」派のごり推し〉というのは
何を意味するのかな(＠_＠;) 「大正期アララギ派の巨匠」とされる島木赤彦の『歌道小見』（講談社
学術文庫,1978）を拾い読みした限りでは正岡子規と同レヴェルの論で知性は感じられなかった(^_^;)
ところで、岩波新書創刊50年記念号である本誌のアンケート〈私のすすめる三冊〉で、「アンケート
回答書目上位20」を見ると、栄えある1位は選者数19人で斎藤茂吉の『万葉秀歌』（なお、2位は8人で
『新唐詩選』）だったが、この結果もまた〈「アララギ」派のごり推し〉・・ﾍ(__ﾍ)☆＼(^^;ﾝﾅﾜｹﾅｲ!
勿論アンケートを誰に依頼するかで結果は変わるし、回答者の中に丸谷才一はいなかったけど(^_^;)
芸道であった和歌を、子規は”しろうと”の短歌に
換骨奪胎するのに、万葉集を利用したのでしょうね。
by 爛漫亭 (2021-12-27 20:52)
ナルホド！(￣◇￣;) 和歌から短歌へ、その大衆化を目指したわけですね(￣◇￣;)
たしかに、『古今和歌集』以降の和歌は（歌学があるように）詠むにも読むのにも
知識・教養が必要なので、それを大衆に開放するための『万葉集』ですか(￣◇￣;)
by middrinn (2021-12-27 21:33)
「富士」だと、フジテレビとか社名につけているのも多いので
元号には・・・。令和の中西さんも実はアララギ派だったり(笑)。
by tai-yama (2021-12-27 23:35)
「ゴリ押し」はあまり考えたくないですが、思い当たりそうなものが無いのに1位になった場合は「ゴリ押し」」もありえそうですね(;`･_･´)
by ナベちはる (2021-12-28 01:06)
（ ＾ｏ＾）ノ◇ 山田く～ん 令和の中西さんも実はアララギ派だったり座布団5枚 ♪
tai-yama様、爆笑です(^_^;) 元号制定過程で、ごり推ししてたら笑えます(^_^;)
by middrinn (2021-12-28 07:18)
衆目の一致するところの1位ならば、
ナベちはる様、安心ですが、同時に
物足りなさも感じたりして(^_^;)
by middrinn (2021-12-28 07:30)
応天の門⑮を買いました(^_^;)
by yokomi (2021-12-28 21:22)
置くスペースを取り始めましたね(^_^;)
by middrinn (2021-12-29 08:20)