図書館の本は書店で貰った紙カヴァーをして読んでいても頁めくった後の指先がべたつく感じ(@_@;)

【読んだ本】

立川談幸『談志の忘れもの 落語立川流噺』(うなぎ書房,2012)

読了(^o^)丿 読んでて笑ってしまう話もモチあるが、立川談志や落語、そして立川流を通して色々と
インスパイアされる内容だった〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    はじめに

    序章 談志は誰のもの

     それはデマで始まった
     この日を忘れない

    第一章 談志が怒鳴るわけ

     あの頃はファミリーだった
     スタイルの変貌
     マクルーハン理論と談志
     パンツ穿き替えの場
     談志が怒鳴るわけ

    第二章 談志と三道楽

     深い親切
     談志と三道楽
     食べ物への執着
     大事なもの
     誰がために金はある

    第三章 立川流は自由である

     真打問題
     立川流設立とは
     立川流は幻か
     ボーダレス
     「芝浜」考
     落語の行方

    第四章 寄席は狭すぎた

     寄席への恋慕
     落語会の変遷
     前座育成法
     新旧立川流
     稽古今昔
     老いと仲良くはできない

    終章 人生、成り行き

     赤いランプの終列車
     神の誘い
     個から組織へ

    付記

     師匠とのお別れ(私の日記抄)
     新生「落語立川流」

    おわりに

著者は昭和53年3月に立川談志に入門し(5月には三遊亭圓生一門らが脱退する落語協会分裂騒動)、
「談志門下で唯一の内弟子修業を経験」(奥付の著者紹介)しているので、立川談志についての話は
やはり興味深い(^^) 例えば、談志の生活信条の一つに「清潔さ」があったとして、「自分が生理的に
嫌悪感を抱くことを相手にも感じさせまいとする心遣いが師匠にはあった。ありとあらゆる用を言い
つける師匠であったが、身の回りの不潔なものの処理は決して弟子にはさせなかった。」(45~46頁)
とあるようにイメージとは違って談志は実に繊細でメチャ他人に気を遣う親切な人物であったことが
本書の全編を通して語られている(^^) ちなみに、〈・・・師匠の親切は「相手に気を使わせないよう
にする親切」である。〉(59頁)由(^^) インスパイアされた件では、147頁と157~158頁を引く(^^)

    ・・・/私を含めて旧い立川流に属している者たちは、いままで育んできた
    自分の美学を大事にしていいのだし、ことさら芸風を変えることもないと思う。
    時代の流れは気まぐれで、またいつ変わるかわからないのだから、

     時代は変わるという事実
     時代が変わってきている現実

    常に意識しておかねばならない戒めである。「時代が悪い」という言い訳だけは
    したくないものである。/



    ・・・/師匠が尊敬してやまない手塚治虫先生が晩年、/「うまく円[まる]が
    描けなくなってきた」/と、漏らしたことがあった。それに対して師匠は言った。/
    「その年齢なりの円を描けばいいじゃないですか。それが味になってくるわけだし」/
    しかし、妥協を許さない人にとっては、その現実、老いた自分を許すことが出来ない。/
    老いを素直に受入れることが出来ないのだ。老いとうまく付き合えないのである。/
    手塚先生にそう言っていた師匠でさえ、結局老いを素直に受入れることが出来なかった。
    闘ってしまったのだ。/そして師匠もまた、年齢なりの円を描くことなく、
    その一生を閉じたのだった。/

「老い」と「闘って」勝ったのは三遊亭圓生ぐらい(@_@;) パンダに負けたけど・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;