読んで誰得!身辺雑記キタ━━━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━━━!!!! キタヨキタヨヽ(゚∀゚=゚∀゚)ノキチャッタヨ-!!!!!!
昨日は身体がダルくて年賀状を書く予定が一枚も書けず(+_+) サンタさん、代筆しに来ないかな(-ω-、)

【読んだ本】

杉本苑子『落とし穴 鎌倉釈迦堂の僧たち』(PHP文庫,2003)所蔵本

読了(^o^)丿 鎌倉時代に釈迦堂や極楽寺で貧民救済事業を行なった忍性の弟子たちを描く連作小説の
「落とし穴」「流れ星」( ← 黒岩重吾&杉本苑子&津本陽ほか『時代小説秀作づくし』[PHP文庫,
1997]にも収録⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-12-17 )「笑顔」「負け犬」
「つくも髪」「きのこ汁」の6篇を収録する(^^) 「笑顔」以外は、例によって、後味の悪~い作品に
仕上がってるが、ストーリーテラー苑子タンゆえ、どれも予想外の展開や結末だったりして読ませる
ので改めて短篇の名手と思った(〃'∇'〃) ・・・一応「あとがき」の末尾を引くかC= (-。- ) フゥー

    ・・・/この連作では、施される側、施す側の双方が、授受の「対立相」を
    断ち切れなかったために起こったさまざまな葛藤……言いかえれば、恵むこと
    奉仕すること、それを享受することのむずかしさを、弟子たちの悩みを通して
    描いてみました。弟子たちだけにとどまらず、叡尊と忍性の一生も、その内奥に
    分け入ってみれば、おそらく徒労感・挫折感との、絶えまない戦いだったはずです。
    そして結局、彼らの理想は潰えました。雨後の夕空を染める虹のように、
    西大寺派の僧たちの情熱は、一ッ時のみの光彩で終りましたが、この事実は、
    現代のボランティア活動にも、一つの示唆を与えるものではないでしょうか。

縄田一男の「解説」は良く出来ていて、前半は苑子タンの『流されびと考』(文藝春秋,2002)を紹介
した上で、有名な苑子タンの「作家としての原体験」に言及した後、「・・・庶民とは、常に歴史や
体制からの〝流されびと〟であり続けるのかもしれない、と。」し、後半でこの連作小説を読み解き、

    ・・・/作品は、鎌倉期、忍性阿闍梨の下、釈迦堂を拠点に貧民救済活動に邁進した
    幾多の僧を描いたものだが、決して通り一遍の美談になっておらず、かえって人間同士の、
    むしろ否定的な諸相を描き出す結果に終わっている・・・唯一、救いのあるのは、・・・
    「笑顔」のみだが、これとて作中に、慈善は自らの罪を贖おうとする取り引きではないのか、
    という問題提起が成[ママ]されている。/・・・

考えさせられる深~い作品ばかりということ〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ 「笑顔」から引くか(@_@;)

    ・・・/「布施に、そんな功徳があると思うのか?」/さりげなさすぎる言い方に、
    かえって衝撃を受けたのだろう、/「無いんですか忍応さん、布施には功徳が!」/
    反問する忍勝の声は上ずった。/「もし、おっしゃる通りなら、今われわれがおこなった
    粥施行はどうなんです?米や麦を喜捨してくれた人、労力を提供してくれた人……。
    この人たちの善意に、よき報いが無いのでは、奉仕の意味はなくなってしまう
    じゃないですか?」/諭すような小声の中に、針の鋭さを含んだ言葉があった。/
    「功徳を得るどころか、『米を出した金を出した、労力で奉仕した、今日自分は、
    功徳を施したのだ』と満足し、安心するのさえまちがっている。他者への愛ではなく、
    その人は米で、金で、努力の奉仕で、自己満足を買ったことになるわけだからね」/・・・