23日夜に注文した古本が今日の夕方やっと「発送準備中」にキタ━━━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━━━!!!!
発送準備に入るだけで11日もかかっちゃうんだから、流石、駿河屋だよね〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
不思議なのは、この間も小生注文済の古本が(高値になってたけど)注文可能な状態だったこと(@_@;)
・・・と書いてたら、夜には発送通知が届いた( ̄◇ ̄;) しかも増税分の請求は無いエッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?

【読んだ本】

新田次郎『小説に書けなかった自伝』(新潮文庫,2012)所蔵本

書名はかつて私小説が純文学の主流だった文壇を意識したものか(@_@;) 自伝の形をとった自作解説
という感じで新田次郎作品のブックガイドとして読め、また〈如何にして作家になったか〉が随所に
語られてるので作家を目指している人向けでもある(^^) モチ小生は前者の読書案内として読んでいて
(以上はテンプレ)、「時代科学小説」を中心に読破してきたが、本書の続きを今日は読む(⌒~⌒)

「視点を変えたヨーロッパ旅行」の章は、上司(課長)の佐貫亦男が東大教授に栄転となった話から
始まる(^^) 「航空工学の権威者で特にプロペラの研究については第一人者と云われていた」人物で、
「その方面の研究が盛んになるとともに母校に迎えられた」由(^^) 問題は、後任の課長によっては、
新田次郎は「二足の草鞋の一方を脱がねばならないと考えて」て、「気象庁をおさらばして筆一本で
食べて行かねばならないと思うと不安だった」けど、吉武素二が後任で、辞めずに済んだと(⌒~⌒)

    ・・・佐貫さんは学者であると同時にエッセイスト賞を取るほどの文才があったが、
    吉武さんも気象学者であり、フランス語が得意で、洒脱な文章を書く人であった。
    この吉武素二さんは私が気象庁を辞めたあと、気象庁長官になった。/気象庁は
    昭和五十年で創立百年を迎えたが、初代気象台長の元軍艦奉行荒井郁之助以来
    気象台の長となった人は、例外なく文章家であり、そして、部下を君と呼ばずに
    さんと呼んだ。/初代の台長荒井郁之助は、/〈私は戦さ(函館戦争)が終わった
    ときから、誰に対してもさんと呼ぶことにしている〉/と云っていたそうである。
    その伝統は各台長によって引き継がれ、私が気象庁に入った時(昭和七年)の
    中央気象台長岡田武松さんもすべての台員をさんと呼んだ。そしてなかなかの
    文人だった。その次の台長になった私の伯父藤原咲平もその通りだった。
    佐貫さんも、その後に来た吉武さんも、部下をさんと呼んだ。君と呼ぶことは
    絶対になかった。だが、気象庁内でこの荒井郁之助以来の伝統を守っている人は
    そう多くはなかった。/・・・

この荒井郁之助、ちょっと調べただけで、なかなかの人物だったことが判るのに、逸話を捏造したり、
黒歴史は抹殺する古川武彦『気象庁物語 天気予報から地震・津浪・火山まで』(中公新書,2015)は
同書6頁に写真と名前が載せているけど、人物紹介など全くしてないね〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
前に詳論したけど( https://yomunjanakatsuta-orz.blog.ss-blog.jp/2015-10-07 )、同書7~8頁は
榎本武揚を紹介した件で、長崎海軍伝習所出身の榎本に対して次の発言∑( ̄ロ ̄|||)ニャンですと!?

    ・・・生来、理系であったのだろうか。・・・

本章後半は東大教授に転じた佐貫亦男からの誘いで昭和36年の夏にヨーロッパアルプス巡りを一緒に
した話(翌年の一連の山岳小説に結実)である(^^) この旅は「自費で公務出張」とすることが出来、
「・・・名義はヨーロッパ諸国における気象測器の実態調査であり、期間は三カ月間であった。私は
気象庁の役人藤原寛人と、作家新田次郎の二重の人格を持って機上の人となった。」云々というのは、
実態調査も行われたようだけど、公務員の悪しき「伝統」ではないことを祈るオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!

・不平ばかりで仕事をしない者が多くて真面目に仕事する人は白い眼で見られた「処女作のころ」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-07-23

・投稿しても落選続きの原稿を直木賞受賞後は新編集長は〈面白い〉と言う「投稿作家の四年間」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-07-24

・〈あなたは落ちるに決っています。面白くない小説ですものね〉と妻に言われた「直木賞受賞」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-07-29

・受賞後第一作は酷評も石原慎太郎の小説などは「アホくさ」と評された「昼の仕事 夜の仕事」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-01

・40歳を過ぎて作家となったので、その個性を確立しようと試行錯誤する「方向づけに苦しむ」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-16

・虹を観察して地震を予知しようとした椋平広吉を藤原咲平が支援してた「メロドラマ的作品」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-25

・時代科学小説と名付けられた作品群を読みたい人もいそうゆえメモした「メロドラマ的作品」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-26

・登山家善人説を否定する作品と女流登山家に美人なしを打破する作品の「メロドラマ的作品」(^_^;)
 
 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-29

・新田次郎の創作ツールは筋書きをグラフ化した「小説構成表」という「小説構成表を創る」(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-31

・斎藤十一の御眼鏡にかなわず5本中1本しか「週刊新潮」に載らぬ「労作必ずしも佳作ならず」(゚ロ゚;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-03

・山男はいい人達だが山に入ると別人でさんざん酷い目に会った「労作必ずしも佳作ならず」( ̄◇ ̄;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-05