新URLの告知?拙ブログは読者も知的だから不要( ̄ヘ ̄)ヾ( ̄o ̄;)オイオイ知的すぎて来なくなる人が・・・
コーヒー飲み過ぎて胃が痛くなったので当分自粛(+_+) 声を荒げて夢から醒めたり、足を攣ったりなど、
夜中に目が覚めることが続く一方、就寝が遅くなるなど寝不足が遠因(-ω-、) 明日の予報が31度(゚ロ゚;)

【読んだ本】

新田次郎『梅雨将軍信長』(新潮文庫,1979→2010改版)

順に、「梅雨将軍信長」「鳥人伝」「算士秘伝」「灯明堂物語」「時の日」「二十一万石の数学者」
「女人禁制」「赤毛の司天台」「隠密海を渡る」を収録している本書を読了(^o^)丿 「梅雨将軍」は
着眼点の面白さから一読の価値はあるけどソレしかないし、「二十一万石の数学者」は主人公の顕彰
という目的が強すぎて作品化が不充分の駄作だったけど、残りの作品には面白いのもあった(⌒~⌒)
『小説に書けなかった自伝』(新潮文庫,2012)で新田次郎が「時代科学小説」と名付けた作品が5篇、
本書には含まれてる(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-26 )v( ̄∇ ̄)ニヤッ
なお、1964年に新潮社刊の同名単行本と本書は収録作品が大きく異なることは前に指摘した通り(^^)

「鳥人伝」は、江戸時代に飛行機(滑空機)を発明した表具師の備考斎幸吉の生涯を描いたものだが、
面白い(⌒~⌒) その製作にかける執念には鬼気迫るものがあり、元許嫁おまちの想いが切ない(;_;)

「算士秘伝」は「二十一万石の数学者」読了時に引いた小倉金之助『日本の数学』にも名が出てくる
久留島義政が主人公で、谷真平の娘あやが好みのキャラ(〃'∇'〃) 小倉金之助も「独創的な奇才」と
評してるとはいえ、久留島義政がどこでどうやって算法を学んだか描かれてないし、算法の各流派が
その秘伝を守るために殺し合ったりするというのは、俄には信じがたいものがあるけどねぇ(@_@;)

「灯明堂物語」は御前崎の灯台をめぐり幕府と薩摩の間で揺れる幕末の弱小藩を舞台にした作品^_^;

「時の日」は遣唐使から話を聞いて興味を覚えた蘇我蝦夷が漏刻(水時計)を作らせるという話^_^;

「女人禁制」は、六代将軍徳川家宣の正室と側室の争いはそれぞれに仕える女中の間にも及んでおり、
女人禁制の富士山だが男装をして五合目まで行く女もいるという話から売り言葉に買い言葉となり、
「お加根さんがもし、富士山の頂上に登ったら、私はあなたの前で、はだか踊りをお目にかけても
よろしゅうございますわ」(^_^;) お加根のキャラが良く、大奥の勢力争いを絡めて面白い作品(^^)

「赤毛の司天台」は、幕府の司天台(天文台)が牛込に引っ越してきたが、近くの長屋に雲気を見て
予報して的中させる浪人者が住んでおり、政治的理由から雲気を見ることまで業務となって苦慮する
司天台は浪人者の雲気予報の方法を探ろうとし、その謎が解けると、アホかと苦笑させられるけど、
その後、某作品に使ったと『小説に書けなかった自伝』で回顧してたアノ素材の話(作品名がヒント
https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-08-16 )となり、科学的根拠あった(゚ロ゚;)

「隠密海を渡る」は唯一の中・長篇で、絵島疑獄に始まるミステリー仕立ての時代小説で面白い(^^)
     
・時代科学小説「二十一万石の数学者」で新田次郎が描く日本の和算のレヴェルの高さとギルド問題(^^)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-16

・〈梅雨と信長〉の関係性に着目した「梅雨将軍信長」は気象庁出身の直木賞作家として本領発揮(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-09-23