どこまで読んだか自分の蔵書なら栞を挟めるが、当然のことながらブックオフのはそうはいかぬ(-ω-、)
他方で昨日『ダイヤのA』の第1巻~第20巻の内の19冊を読んできたけど、棚に無くて読めなかった1冊が
何巻だったか既に忘れてしまった(´ヘ`;) 連載時に読んでアニメも視聴してるので、もともと既視感が
ありありだったから、次回あったとしても本当にその1冊かどうかどうせ分らないだろうけどね(@_@;)
「So-net ユーザID 再認証」でパスワードが何故か自働的に表示されなくなってしまったぞヾ(`◇´)ノ

【読んだ本】

新田次郎『新田次郎全集19 富士に死す・算士秘伝』(新潮社,1976)

本書所収の短篇「仁田四郎忠常異聞」を読んだけど、読む前に新田次郎と仁田忠常の接点を考えたら、
すぐに思い浮かんだのは「富士の人穴」で、案の定その話から始まってた(^_^;) 本作品が描き出した
人穴探険の真相は星野之宣の宗像教授の世界で、歴史小説というより時代伝奇小説じみてた(@_@;)
その後の歴史に少し改変を加えるも・・・という作品(^_^;) 最後まで飽きなかったが荒唐無稽(^_^;)
ネタバレになるので作者名と作品名は伏せるけど、百目鬼恭三郎『奇談の時代』(朝日文庫,1981)が

    ・・・××××『××××』では、[源]頼家と比企の一派が富士の狩りくらべに
    ことよせて、[北条]時政のボディガードだった[仁田]四郎[忠常]を一足先に
    片づけようとして人穴探検を命じ、穴に暗殺者を伏せておいたのだが、
    四郎は辛うじて逃れたのだ、という面白い説をたてている。

と紹介していたけど、こちらの方は実際の歴史の展開を知っている者には説得力がある作品かと(^_^;)

折角なんで、五味文彦&本郷和人(編)『現代語訳 吾妻鏡7 頼家と実朝』(吉川弘文館,2009)から
建仁3年(1203)6月の3日と4日の条(同書38~39頁)を引く(⌒~⌒)

    三日、己亥。晴れ。将軍家(源頼家)が駿河国富士の狩倉に出かけられた。
    その山麓にもまた人穴と称する大きな谷があった。(頼家は)その場所を
    よくよく検分させるため、新田四郎忠常ら主従六人を入れられた。忠常は
    重宝の御剣を賜り人穴に入った。今日は日が暮れても帰らなかった。

    四日、庚子。曇り。巳の刻に新田四郎忠常が人穴から出て帰ってきた。
    往復に一日一夜かかったのである。「この穴は狭くて引き返すことができず、
    心ならずも先へ進みました。また暗くて精神的に苦痛で、主従はそれぞれ
    松明を持ちました。途中ずっと水の流れが足を濡らし、蝙蝠が顔の前を
    遮って飛び、(その数は)幾千万とも知れませんでした。その行き着いた
    ところは大きな河でした。さかまく波が勢いよく流れ、渡ることもできず、
    ただ困惑するばかりでした。すると火の光に当たり、河の向こうに
    怪しいものが見えたかと思うと、郎従四人がたちまち死亡しました。
    そこで忠常はその霊の言うことに従い、恩賜の御剣をその河に投げ入れ、
    命を全うして帰ってきました。」という。古老が言った。「これは
    浅間大菩薩の御在所で、昔より決してその場所を見ることはできませんでした。
    今度のことはまことに恐るべきことです」。

三日の条に「その山麓にもまた」とあるのは、2日前の1日にも伊豆「伊東崎という山中に大穴があり、
・・・頼家はこれを怪しみ、・・・和田平太胤長を遣わしてこの穴を検分させた・・・」から(^_^;)
なお、こちらは、「この穴の行程は数十里で、暗くて日光は見えません。一匹の大蛇がおり、胤長を
飲み込もうとしたので、剣を抜いて斬り殺しました」と胤長の報告も記されているよ((;゚Д゚)ヒィィィ!

何故か新田次郎は3日の出来事を「建仁三年(一二〇三年)六月一日のことである。」(本書307頁)
と誤記しているし、本書308頁には次の叙述(´・_・`)

    ・・・この日忠常が頼家の前で報告した内容について、「吾妻鏡」には次のように
    書かれている。/「洞窟は狭くて、思うようには進むことができませんでした。
    それに、その暗いことといったら、心神が痛むばかりでございました。主従は
    それぞれ松明をともして進んでいきました。穴の底には水が流れておりました。
    幾十万とも知れぬ蝙蝠が顔の前をよこ切って飛んでいました。穴の先に進みますと、
    そこには大河があって、浪が逆まいて流れておりました。渡ろうと思っていると、
    川向うに火光が見え、なにか奇怪なものが見えたと思う間に、郎党四人は忽ちのうちに
    倒れ死んでしまいました。この忠常は恩賜の御剣を大河の中に投入して、祈念し、
    ようやく一命を全うすることができたのでございます」/忠常は嘘をついている自分を
    ひどく軽蔑していた。舌を?んで死んでしまいたかった。彼はびっしょり汗を掻いた。
    「それこそ浅間大菩薩の御在所に違いない。昔からそこは入ることができないところです。
    四人の郎党はは浅間大菩薩の罰に当てられて死んだに違いありません」/老臣たちが、
    忠常の言葉を補足するように言った。/・・・

ま、原文を見てないから、訳文を比較するのは意味ないから止めとこっと〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

百目鬼・前掲書は『吾妻鏡』の仁田忠常による富士の人穴探険の話を紹介した後、次のように続く(^^)

    ・・・室町時代にできた『富士の人穴草子』では、この話をふくらませて、
    新田四郎が浅間大菩薩に出会ってから地獄を案内してもらう、地獄めぐりの物語に
    なってしまっているのである。/この草子は富士権現の霊験物語であるが、
    同時に地獄の存在を信じさせようという意図を含んでいることは疑いない。たとえば、
    この地獄には、舌を二尋[ひろ]も抜き出されて、おめき叫んでいる罪人がいる。
    新田が聞くと、大菩薩が「娑婆にいたとき、地獄がおそろしいところだといったって、
    帰ってきた人間がないのだから証拠がないじゃないか、と主張していた者だ」と答えた、
    という辺りにはその意図がはっきりあらわれているようだ。/・・・

「最新の研究成果に基づく詳細な注釈」と吉川弘文館のHPにあるけど、五味文彦&本郷和人(編)
・前掲書は251頁の注で「人穴」を次のように解説しているだけヾ(`◇´)ノ彡☆コノ! バカチンガァ!!

    溶岩流の内部がガスにより押し広げられてできた空洞。昔、人が住んだという。
    富士山の西北麓には「富士の人穴」がある。

現代語訳・注を担当の1984年生まれ「東京大学大学院修了」という「十河靖晃」は無教養C= (-。- ) フゥー

・源実朝が詠んだとされる歌に関する『現代語訳 吾妻鏡8 承久の乱』の注の解説は不勉強ヾ(`◇´)ノ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2017-11-05

・『現代語訳 吾妻鏡7 頼家と実朝』に載っている文屋康秀についての「僧」の発言が解せぬぞ(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-09-19

・『現代語訳 吾妻鏡7 頼家と実朝』に出てくる朱雀門造営に関する三善康信の発言が気になる(@_@;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-09-21