道路が冠水するほど降ったと思ったら一転してカンカン照りというパターンを朝から何度も繰り返して、
その湿気といい、サウナに閉じ込められて、拷問を受けているような感じであるオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
ただ、昨日から少しだけトイレに行くようになったので、もしかしたら暑さのピークも過ぎたか(@_@;)
【読んだ本】
柴田宵曲『古句を観る』(岩波文庫,1984)所蔵本
岩波文庫創刊60年記念臨時増刊の図書454号(1987年)や同70年記念臨時増刊の図書571号(1996年)
の「私の三冊」という両アンケート回答は、①興味関心のある人物がどんな岩波文庫を選んでいるか
だけでなく、②興味関心のある岩波文庫を誰が選んでいて何とコメントしているか、といったことも
知りたくて、先ずは「書名索引」を眺めることから始めてる(〃'∇'〃) 創刊60年記念の方を見ると、
『万葉集』を挙げているのは13人もいるのに、『古今和歌集』は僅か杉本秀太郎(京都女子大学教授
/フランス文学)のみヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
子規の『古今集』大批判以来、日本の精神風土は万葉、万葉の喚声に圧倒されて
今におよんでいます。残念、残念。私は万葉ぎらいの古今びいきです。但し、
正岡子規は大好き。
小生は『新古今和歌集』贔屓だけど、『万葉集』はその歌を全く知らないため好きでも嫌いでもなく、
正岡子規は『万葉集』しか認めぬ万葉バカを世に蔓延らせた罪深いヤツという認識しかない(@_@;)
さて、岩波文庫創刊70年記念で柴田宵曲『古句を観る』(岩波文庫,1984)を挙げてたのは次の2人(^^)
小玉武(サントリー㈱文化事業部)
好きな一冊で何人もの方に差し上げた。元禄期の有名でない俳人の、
知られざる俳句の見事な一群。宵曲の眼力、日本語の美しさを再認識。
解説の森銑三氏は私の師でもあった。
小林恭二(作家)
句の選も、句の読みも全然自分と違うのだが、この好ましさはどうだ。
内容がどうというより、作者の人格が美しい。心休まるアンソロジーである。
岩波文庫創刊60年記念の方で本書を挙げた3人のコメントも引いておこう〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
石井進(東京大学教授/日本中世史)
元禄時代の芭蕉門下の無名俳人の作品ばかりをぬきよみするという発想の面白さ、
一句ずつの評釈がまた、私のような素人にもわかりやすく、味がある。
佐伯彰一(中央大学教授/アメリカ文学)
昨年の冬、眼を悪くして手術のため入院する直前、ふと目について買い求めた。
手術後読書を許されると、文字通り一句ずつ舐めるように楽しませてもらった。
的確簡潔な評釈のお手本。
松枝茂夫(中国文学)
この人のこの本を発掘されたのは近来最大の収穫だと思います。
その鑑賞眼といい文章といい、全く間然するところがありません。
こうまで書かれると、読んでみたくなるね(〃'∇'〃) この「私の三冊」は、③面白そうな岩波文庫を
見付けるためのブックガイドとしても使えるよね(^^) そこで、未読だった本書を本棚から取り出し、
パラパラ眺めて目が留まったのは次の句とその評釈(〃'∇'〃)
御代の春蟇[ひき]も秀歌を仕[つかまつ]れ 鷺水
「いづれか歌をよまざりける」[=(花に鳴く鶯や水に棲む蛙の声を聞くと、全ての命
あるもので)いったい歌を詠まないものがあろうか]と『古今集』の序に書かれて以来、
蛙に歌はつき物になった。宗鑑の「手をついて歌申上る蛙かな」などという句も、
蛙の様子を擬人しただけのようで、やはりちゃんと『古今集』の序が利かせてあるから
妙である。但[ただし]同じ蛙の仲間でも蟇となると、風采が風采だけに、
古来あまり歌よみの方には編入されていないらしい。この句はそこを覘[ねら]ったので、
歌を得詠むまじき蟇も秀歌を仕れ、といったのである。そこに俳諧一流の転化がある。
昔の新年は今と違うにしたところで、蟇がのそのそ歩くにはまだ寒過ぎるが、
「御代の春」に蟇を持出したのは、一の奇想たるを失わぬ。
たしかに柴田宵曲の評釈はマジ素晴しくて、この鷺水の句の良さが素人にも理解できるね(〃'∇'〃)
『古今和歌集』を「くだらぬ集」と否定した正岡子規や万葉バカはこの句を評価しないのかな(^_^;)
[追記190815]
・千載集や平家物語の有名な逸話なのに高浜虚子『俳句はかく解しかく味う』岩波文庫のデタラメ(-"-)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-02-19
・芭蕉も和歌の伝統を踏まえているので和歌を知らないとそのおかしみを理解できない句が(〃'∇'〃)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-03-06
・光源氏に我が身を重ねた芭蕉を「蛸壺の中で眠るタコの気分になっている」と俳人の坪内稔典(-"-)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-07-04
その湿気といい、サウナに閉じ込められて、拷問を受けているような感じであるオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!
ただ、昨日から少しだけトイレに行くようになったので、もしかしたら暑さのピークも過ぎたか(@_@;)
【読んだ本】
柴田宵曲『古句を観る』(岩波文庫,1984)所蔵本
岩波文庫創刊60年記念臨時増刊の図書454号(1987年)や同70年記念臨時増刊の図書571号(1996年)
の「私の三冊」という両アンケート回答は、①興味関心のある人物がどんな岩波文庫を選んでいるか
だけでなく、②興味関心のある岩波文庫を誰が選んでいて何とコメントしているか、といったことも
知りたくて、先ずは「書名索引」を眺めることから始めてる(〃'∇'〃) 創刊60年記念の方を見ると、
『万葉集』を挙げているのは13人もいるのに、『古今和歌集』は僅か杉本秀太郎(京都女子大学教授
/フランス文学)のみヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ
子規の『古今集』大批判以来、日本の精神風土は万葉、万葉の喚声に圧倒されて
今におよんでいます。残念、残念。私は万葉ぎらいの古今びいきです。但し、
正岡子規は大好き。
小生は『新古今和歌集』贔屓だけど、『万葉集』はその歌を全く知らないため好きでも嫌いでもなく、
正岡子規は『万葉集』しか認めぬ万葉バカを世に蔓延らせた罪深いヤツという認識しかない(@_@;)
さて、岩波文庫創刊70年記念で柴田宵曲『古句を観る』(岩波文庫,1984)を挙げてたのは次の2人(^^)
小玉武(サントリー㈱文化事業部)
好きな一冊で何人もの方に差し上げた。元禄期の有名でない俳人の、
知られざる俳句の見事な一群。宵曲の眼力、日本語の美しさを再認識。
解説の森銑三氏は私の師でもあった。
小林恭二(作家)
句の選も、句の読みも全然自分と違うのだが、この好ましさはどうだ。
内容がどうというより、作者の人格が美しい。心休まるアンソロジーである。
岩波文庫創刊60年記念の方で本書を挙げた3人のコメントも引いておこう〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
石井進(東京大学教授/日本中世史)
元禄時代の芭蕉門下の無名俳人の作品ばかりをぬきよみするという発想の面白さ、
一句ずつの評釈がまた、私のような素人にもわかりやすく、味がある。
佐伯彰一(中央大学教授/アメリカ文学)
昨年の冬、眼を悪くして手術のため入院する直前、ふと目について買い求めた。
手術後読書を許されると、文字通り一句ずつ舐めるように楽しませてもらった。
的確簡潔な評釈のお手本。
松枝茂夫(中国文学)
この人のこの本を発掘されたのは近来最大の収穫だと思います。
その鑑賞眼といい文章といい、全く間然するところがありません。
こうまで書かれると、読んでみたくなるね(〃'∇'〃) この「私の三冊」は、③面白そうな岩波文庫を
見付けるためのブックガイドとしても使えるよね(^^) そこで、未読だった本書を本棚から取り出し、
パラパラ眺めて目が留まったのは次の句とその評釈(〃'∇'〃)
御代の春蟇[ひき]も秀歌を仕[つかまつ]れ 鷺水
「いづれか歌をよまざりける」[=(花に鳴く鶯や水に棲む蛙の声を聞くと、全ての命
あるもので)いったい歌を詠まないものがあろうか]と『古今集』の序に書かれて以来、
蛙に歌はつき物になった。宗鑑の「手をついて歌申上る蛙かな」などという句も、
蛙の様子を擬人しただけのようで、やはりちゃんと『古今集』の序が利かせてあるから
妙である。但[ただし]同じ蛙の仲間でも蟇となると、風采が風采だけに、
古来あまり歌よみの方には編入されていないらしい。この句はそこを覘[ねら]ったので、
歌を得詠むまじき蟇も秀歌を仕れ、といったのである。そこに俳諧一流の転化がある。
昔の新年は今と違うにしたところで、蟇がのそのそ歩くにはまだ寒過ぎるが、
「御代の春」に蟇を持出したのは、一の奇想たるを失わぬ。
たしかに柴田宵曲の評釈はマジ素晴しくて、この鷺水の句の良さが素人にも理解できるね(〃'∇'〃)
『古今和歌集』を「くだらぬ集」と否定した正岡子規や万葉バカはこの句を評価しないのかな(^_^;)
[追記190815]
・千載集や平家物語の有名な逸話なのに高浜虚子『俳句はかく解しかく味う』岩波文庫のデタラメ(-"-)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-02-19
・芭蕉も和歌の伝統を踏まえているので和歌を知らないとそのおかしみを理解できない句が(〃'∇'〃)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-03-06
・光源氏に我が身を重ねた芭蕉を「蛸壺の中で眠るタコの気分になっている」と俳人の坪内稔典(-"-)
⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-07-04