コメント書き込まれてたらレスせにゃと出先で自分のブログ見ようとするも、URLを憶えてないから
「けふもよむべし」と検索してみたら、全て自分で書いたものとはいえ、何でコレが?という記事が
次々表示され首傾げた(@_@;) エゴサーチとは違うが、他人が何見てるかが判った・・・のか(@_@)

【読んだ本】

朝7時前にネットへ接続し、ヤフートップニュースに見覚えのある名前と思いつつもページは開かず、
朝食をとりながら朝日朝刊の訃報欄を見て誰か思い出して、大昔に読んだ本を書庫から出した(^^)

   彼は車から降りるとマダム・ポワンにひざまずかんばかりに挨拶し、髪がきれいだとか、
   いつもお若いとか、ひとしきり彼女の美しさをほめたたえた。肌が浅黒くて眉の太い三十代の
   精悍な男だった。マダム・ポワンは彼の讃辞を臣下を謁見するような態度できいていたが、
   それが終わると、かつてここ[ピラミッド]ではたらいていた男だと紹介した。/
   「シズオはね、日本からフランス料理の勉強をしにきたの。力になってあげなさい」/
   「それはもう、分ってます」/ボキューズは腰を折り、揉み手をしながら答えた。

レストラン・ポール・ボキューズがミシュランから星を与えられる前だったが、「・・・数カ月まえに、
フランスでもっとも権威あるМ・O・F―――フランス最優秀料理人賞を、М・O・F史上最年少の
三十四歳で受賞したばかりだった。」(゚o゚;) こうして主人公との交流が始まるわけだけど、個人的に
好きなシーンの一つが、調理師学校協会と厚生省から嫌がらせをされた主人公が彼らの鼻をあかして
やろうと、フランスの超一流の料理人を呼んで日本の料理人を対象にした公開講習会を開こうと考え、
渡仏して講師候補の料理人の評判を訊くと、自ら日本へ行くと言い出した場面で、読んでて胸熱(;_;)

講習会はポール・ボキューズ、 ジャン・トロワグロ、マルク・アリックスという3人のМ・O・F賞
受賞者が講師となり、主人公が通訳を務めて、昭和47年に開かれた(^^) クリビヤックをつくってた時、

   辻静雄は、ヴェジガといっただけでは会場のコックたちは誰も分るまいと思って、
   それが何かくわしく説明した。/・・・/辻静雄が話し終ると、アリックスがいった。/
   「ヴェジガというのは―――」/「ヴェジガの説明ならしました」/と辻静雄はいった。
   「チョウザメの骨髄でしょう」/アリックスは目を丸くした。/「どうしてきみはこんな
   ものまで知っているんだ?」/「エスコフィエとニニョンを勉強しましたから」/
   「信じられん」/アリックスはあきれたように首を横に振った。辻静雄はにっこり笑って
   それに応えた。思いがけないことだったが、心の中は満足感でいっぱいだった。フランス料理
   のことで、初めてフランス人をおどろかせたのだ。彼は、このあとはどんなことにもまったく
   不安を感じなくなった。/一日目の講習がすべて終り、みんなでサロンに引き上げると、
   アリックスがボキューズにいった。/「いまはフランスでだってヴェジガを使う料理なんか
   滅多につくらないというのに、シズオはヴェジガを知っていたんだ。信じられるかい?」/
   するとボキューズがいった。「だからいっただろう。シズオはフランス人よりフランス料理
   のことをよく知っているって」

海老沢泰久『美味礼讃』(文春文庫,1994)はマジ傑作(^^) しかし、海老沢泰久の文章を丸谷才一とか
褒めてたから、練習になるかと思って書き写してみたけど、もっと漢字を使った方がいいと思うぞ^_^;

よく「現職の××職員よりも××の世界に詳しい研究者」と言われるr(^ω^*)))テレマスナヾ(-_-;)ジマン?