「nice!」の表示を「良いお年を」に変えてくれれば楽できるのにぃ~と思った人いたりしてね(^_^;)
「あけおめ」か「ことよろ」に明日から変える手も^_^; でもそんなの関係ねぇ!はい!オッパッピー!

【読んだ本】

森本元子(全訳注)『讃岐典侍日記』(講談社学術文庫,1977)所蔵本

本書については、「170430読んだ本&買った本」に「昨日スルーした本をアマゾンで検索^_^; 講談社
学術文庫の目録等で知ってたけれどノーマークだった『讃岐典侍日記』を読んで泣いたとのレヴュー
が(゚o゚;) 小説で感動したとか面白かったとかは、感性、テイスト、人生経験、読書歴等々に左右され、
その評価は人それぞれと理解してるけど(評論、歴史、ノンフィクション系で、事実に反してたり、
リサーチ不足、論理の飛躍・矛盾等々の屑本は別の話)、読みたくなっちゃった^_^; ただ、出品者が
何故か皆1000円以上も付けてる(゚ロ゚;) 108円だったから、鳥さんたちに獲られちゃいそう(;_;) 仕方
なく今朝もまた野を越え山越え谷越えてと歩いて10時開店と同時に買って来たよ(T_T) 4日からの2割引
セールで買いたかったのに(;_;)」とあり、読む前から泣いてんじゃん^_^; 現存する本作品は上下2巻
で構成されてて、「上巻には、堀河天皇のご発病から崩御に至るまでのことが書かれている。・・・/
下巻には、幼い新帝[=堀河天皇の子の鳥羽天皇]に出仕して、・・・月々の行事を中心にしるされて
いる。一つ一つの記事に故院[=堀河天皇]の思い出が添えられているのが特色である。」と巻末の
「解説」(^^) 堀河天皇は白河院と鳥羽院に挟まれてるため存在感が薄いようだけど、堀河天皇歌壇や
「堀河百首」のことは知ってたよ(^^) ちなみに、日本文学研究資料刊行会編『日本文学研究資料叢書
新古今和歌集』(有精堂,1980)所収の峯村文人「堀河百首と中世和歌」は「・・・堀河百首は、中世
和歌の起点に位置せしめらるべき重要な世界を持つてゐたといつてよいやうに思はれるのである。」と
〆てるよ(^^) ついでに言うと、本書もやはり和歌の引用やレトリックが頻出して、勅撰集入集歌の他、
作者など登場人物による作歌もあって、改めて日本の古典に占める和歌の重要性を実感(^^) なのに、
意図的なんだろうけど、本書は〈語釈〉が少ない点が、ちょっとね(+_+) 〈現代語訳〉の方は、元は
古文だし理解に苦しむとこも結構あるけど、段落ごとの〈解説〉がポイントを押さえてくれてる(^^)
ただ、これも〈語釈〉の少なさから、ミスリードされてる危険も(..) 本書「まえがき」は〈死に直面
した人の苦しみと、愛する人を死に送らざるをえなかった者のかなしみを、『讃岐典侍日記』ほどに、
真っ向からとらえ、率直に書き綴った作品が、他にあったであろうか。・・・/「死」を書くことは、
敬慕する人の永遠に滅びぬ「生」を、この世にとどめることだと[作者は]悟ったからではないか。〉
と本作品の本質と作者の執筆意図を論じてる(^^) んなわけで、去り行く2017年(の自分)を送る読み
納めに相応しいと考えてチョイスし、読了(^^)v ちなみに、作者は、姉が堀河天皇の御乳母の一人で、
22歳ごろ堀河天皇の御所に出仕し、堀河天皇が29歳で崩御するまでの約8年間お仕えした(^^) 作者は
堀河天皇に「・・・深い思慕を抱いていた・・・」が、堀河天皇も「・・・作者を親愛しておられた
ことが想像される。それは、主従というにははるかに温かくむつまじい、まるで家族か近親のような
親しさである。」と巻末「解説」に(^^) 堀河天皇は、御病気の悪化による苦痛から駄駄を捏ねたりも
するけど、お優しい御人柄らしく、そのことを示す代表的なエピソードとして、関白の藤原忠実など
参上する人の目から傍らに添い臥す(←特に御重態となってからは欠かせない)作者の姿を隠そうと
堀河天皇がお膝を高くなされたという思いやりは何回か語られている(;_;) これに関連して、小生が
気に入った話があった(^^) 作者が鳥羽天皇にお仕えしていることを知った摂政の藤原忠実が、作者に
〈「いつから伺候しておられますか。今後とも、どうかこのように[←堀河天皇崩御後に新帝に出仕
するのを作者が渋ってたことを知ってるのだろう]。それにしても故院が思い出されて恋しい、その
当時の思い出話をして、心を慰めたい」/など言われる。ほんとうに悲しい。殿[=忠実]もわたし
と同様のお気持ちでいらっしゃるようだ。・・・/なにも申せずにいると、/「思いもかけないこと
ですな。このように近々と参って、ものなど申すことがあろうとは、思いもしませんでしたな。故院
がご不例だった折など、あなたがおそばに添い臥しておられた折に、わたしが参上したところ、お膝
を高くなされて、かげにお隠しになった、その折、まさかこのような対面をしようとは思わなかった
なあ。いやまったく、かげに隠れておいででしたな。人の世は、こうしたものだったのですなあ」
・・・〉という場面で、〈解説〉にも「[摂政忠実が]作者の出仕をはじめて知り、述懐することば
には、真情があふれている。」とある(;_;) あまり良いイメージのなかった藤原忠実が好きに(^_^;)
鳥羽院も6歳の頃は可愛く、「ぼくを抱いて襖の絵を見せてくれ」とおっしゃるので、襖の絵をお見せ
して廻るうちに〈・・・故院が朝夕目にしておぼえようとお思いになった曲を書いて、はりつけて
おかれた笛の楽譜のはり跡があるのを見つけたのは、実に感無量だった。/・・・/悲しくて袖に顔を
おしあてるのを、帝が不思議そうにご覧になるので、「お気づかせ申すまい」と思って、さりげなく
ふるまいながら、/「あくびがつい出まして、このように目に涙が浮びました」と申しあげると、/
「みんな知ってますよ」/とおっしゃるので。いじらしくも勿体なくも思われるので、/「どのように
御存じ遊ばすのですか」と申しあげると、/「ほ文字のり文字のことを思い出したのだろう」[ ←
「ほ」と「り」に傍点]/と仰せになる、「さては堀河院のことだと、よくおわかりでいらっしゃる」
と思うにつけてもおかわいくて、悲しさも覚めてしまう心地がして、思わず微笑がうかぶ。〉(^o^)
こんなに可愛い子が後にねぇ・・・^_^; 結局、最後まで泣くことはなかったけど、良書だったね(^^)

2017年に読了した本(漫画・雑誌は含まず)の月別一覧は「落穂拾い2017」と題する恒例の記事にして
「また、つまらぬ物を読んでしまったorz」の方に明日以降アップ(^^)v とはいっても、このブログで
取り上げた本は、そのリストの何倍にもなるはずだから、アップする意味が無い気もしてるけどね(..)