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231112読んだ本【バカチン】

こんな本の一体どこにニーズがあるのか小生には全く理解できないものが出版されていた( ̄◇ ̄;)

【読んだ本(バカチン)】

尾崎雅嘉(著)古川久(校訂)『百人一首一夕話(上)』(岩波文庫,1972)所蔵本

「河原左大臣」(源融)の項の大石真虎による挿絵の画賛の末尾に尾崎雅嘉が歌と作者名を(@_@;)

                                 近衛右大臣

    うちつけに淋しくもあるかもみぢ葉も主なき宿は色なかりけり

この『古今和歌集』入集歌の作者は「近衛右大臣」ではなく「近院右大臣」(源能有)が正しいが、
「院」を「衛」と誤記したのは、著者の尾崎雅嘉か、校訂者の古川久か、どっちなんだろう(@_@;)

「曾根好忠」の項の挿絵の画賛に「円融院の子の日」という言葉が二回出てくるので比べてみると、
「河原左大臣」のは「院」ではないようにも見えるが、くずし字な上に文庫本は字が小さい(@_@;)
本書は岩波クラシックスでも出てるから、ソレならもう少し大きいかもしれないし、またネット検索
して知った、城崎陽子&大内瑞恵&佐藤瞳&渡部修(編著)『くずし字で読む『百人一首一夕話』』
(武蔵野書院,2018)という小生には不思議な本を見れば、ひょっとしたら判るかも(@_@;) でも、
「衛 くずし字」で検索して、人文学オープンデータ共同利用センターの〈「衛」(U+885B) 日本
古典籍くずし字データセット〉(⇒ http://codh.rois.ac.jp/char-shape/unicode/U+885B/ )が
ヒットし、そのトップに載ってる『虚南留別志』の一番最初の字がそっくりゆえ「衛」かな(@_@;)

    /この書物の面白さは何といっても作者をめぐる豊富なエピソードにあるが,
    その典拠は『源氏物語』をはじめとして『伊勢物語』『枕草子』『土佐日記』
    『蜻蛉日記』『明月記』等々,驚くほど広い範囲にわたっている。ページを
    繰るにつれて,江戸人の教養の底力がひしひしと伝わって来るかのようである。
    ・・・

尾崎雅嘉(著)古川久(校訂)『百人一首一夕話(下)』(岩波文庫,1973)の表紙カヴァーには、
このように記されているけど、「江戸人の教養の底力」だなんて笑止であるオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)
手元にある『大辞林』第一版第一刷の「校訂」の項には「古書などの本文を他の伝本と比べ合わせて
訂正すること。」とあり、古川久の「校訂」により「近衛右大臣」は原文ママということか(@_@;)
誤りと注記が親切というものだが、『百人一首一夕話』は素人目にも誤りが散見されるからな(^_^;)
タグ:古典 和歌
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

今の時代なら、「近藤右大臣」と間違えたり(笑)。
江戸時代の頃だと、皆くずし字が読めたとかなんとか・・・
by tai-yama (2023-11-12 23:09) 

ナベちはる

どこかにニーズがあるから出てくるはずなので、(中身はさておき)欲しいという人はいるんだろうなと思います(^^;
by ナベちはる (2023-11-13 00:17) 

middrinn

阪神ファンなら、「近本右大臣」と間違えたり(^_^;)
tai-yama様、今は学校で筆記体を習わないとか(^_^;)
by middrinn (2023-11-13 05:27) 

middrinn

たしかに、それなりのニーズがあると見込んで、
ナベちはる様、出版したんでしょうね(^_^;)
by middrinn (2023-11-13 05:39) 

df233285

草書を教える学校が、どんどん減少しているらしいが。
早稲田式速記が、早稲田大学で現在、教養課程の授業で
教えているという情報がweb上に無いようなものか?
by df233285 (2023-11-13 12:08) 

middrinn

誤字その他の間違いが無い古典をテキストにすべきかと(^_^;)
by middrinn (2023-11-13 14:58) 

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