購入した本が信頼している書評家から酷評されていることを知った時、人はどうすべきか(@_@;)

【読んだ本】

百目鬼恭三郎『読書人読むべし』(新潮社,1984)所蔵本

    ・・・漁夫はみんなにとり囲まれながら、/「あなたたちは、いったい誰です。
    どうしてこんなことろに住んでいるんです」/と尋ねた。人々はかわるがわる、/
    「わたしたちの先祖が、秦の世の乱れを避けて、妻子や村の人たちをつれて、
    人里はなれたここにやって来たそうです。それ以来誰一人、この隠れ里を出ないので、
    世間が今どうなっているか、さっぱりわかりません。いったい今日はなんの時代です」
    /と言った。隠れ里の人たちは、漢の時代も知らねば、魏や晋の時代も知らなかった。
    そこで漁夫がくわしく話して聞かせると、人々はみな目をまるくして驚いていた。/
    ・・・

松村武雄(編)伊藤清司(解説)『中国神話伝説集』(社会思想社現代教養文庫,1976)所収の「武陵
桃源」の一部だけど、「この隠れ里」のある「武陵」は荊州にあり三国時代は呉なのに「魏」とある
のが不審なのはさておいて(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-07-29 )、
同書末尾の出典が「(『捜神後記』)」だとさ(-ω-、) 『捜神後記』のこの話の元ネタは陶淵明の
「桃花源記並詩」なのに(´ヘ`;) 「解説者注」でも「桃源境[ママ]は一種の隠れ里伝承で、神仙
道術の思想の影響を被っていちだんと神秘化された。なお後漢末以来の戦乱を避け、人々が山間僻地
などに営んだ塢[う]の存在などのイメージが隠れ里伝説の発達に影響している。」とあるだけで、
「桃花源記」への言及はナシオン主権(ノ_-;)ハア… 使えねぇと思ったら、本書の「伝説と昔話」篇に
次の件がヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

    ・・・/外国の伝説の本は、はしょって紹介しておく。中国の古い伝説は、
    中国の古典篇で紹介する『春秋左氏伝』『淮南子』『列仙伝』『神仙伝』
    『捜神記』などにみられるが、まとまった伝説集はどうもいいのがないらしい。
    松村武雄編、伊藤清司解説『中国神話伝説集』(現代教養文庫・社会思想社)
    にしても、一般向けということを割引いてもなお感心できない。・・・

「181004読んだ本&買った本」に54円で購入し「『広告人物語』『蘭学の時代』『中国神話伝説集』
は、今回の収穫ウキウキ♪o(^-^ o )(o ^-^)oワクワク♪」と(ノ;ω;)ノ ~┻┻ (/o\) ミドリン ナカナイデー!!

[追記231029]

本書巻末の「解説」から伊藤清司による補訂がかなり加えられていることが判り、ほとんど共編者の
よう(@_@;) 奥付には、編者である松村武雄の紹介が無くて、載っていた「解説者略歴」を見てて
思い出したんだけど、この伊藤清司なる慶應義塾大学教授は「210720読んだ本【バカチンだらけ】」
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2021-07-20 )の「泥仕合」してた人(^_^;)