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231015読んだ本

夏の陣で淀川支流に面した城の北側(本丸も近い)に徳川方は未配置ゆえ秀頼は逃亡可能か(@_@;)
wikiの「大坂の陣」の項の「大坂夏の陣布陣図」を見ても同様だけど、ただ、同項の「参加武将」の
「幕府方」の「夏の陣」の「城北方面」には「京極高知、石川忠総、池田長幸、池田利隆、有馬豊氏、
堀尾忠晴」と列挙されているから、布陣図に記されてないだけで、実は配置されてたのかな(@_@;)

【読んだ本】

植村清二『歴史と文芸の間』(中公文庫,1979)所蔵本

本書所収の〈「運命」伝説について〉なる幸田露伴『運命』を取り上げた一篇の末尾から引く(^_^;)

    ・・・/全く別な問題であるが、これに関連して思いついたことがある。日本の亡命説話
    は源氏の義親・為朝・義経あたりから以後随分数多くあるが、近世になって最も有名で、
    且[明の]建文帝の物語とかなり似た点があるのは豊臣秀頼であろう。秀頼の亡命説話
    そのものをここで検討する余地はないが、秀頼が大坂落城の折に落ち延びたという風評は、
    天主教の宣教師の報告によって知られる通り、当時からあったので、それが後に種々の
    要素を加えて、薩摩落の説話に成長したものに違いない。ところで「難波戦記」などでは
    秀頼は真田の謀計によって大坂城の水門から逃れ、島津の兵船に救われることになって
    いる。[建文帝が脱出に用いた]南京の宮殿の御溝に比べると大坂城の[北側を流れる]
    淀川[の支流]はより自然であるが、このモーティフは、或は「明朝紀事本末」[ママ]
    などの影響によって加えられたものではあるまいか。試みに記して広く教示を仰ぎたい。
    /

高島俊男『しくじった皇帝たち』(ちくま文庫,2008)に「谷應泰が『明史紀事本末』を書いたのが
明滅亡の直後一六五八年ごろ、室鳩巣が[『明史紀事本末』の建文出亡伝説を紹介した]『駿台雑記』
を書いたのは七十代になってからで一七三二年ごろ。もう日本にはいってきていた。当時の感覚では
新刊書の部類でしょう。なにしろ清代になってからの本なんだから──。」と記しており、他方で、
wikiの「難波戦記」の項に「難波戦記(なにわせんき・なんばせんき)もしくは大坂軍記(おおさか
ぐんき)は、大坂の陣についての軍記物。寛文年間[1661年~1673年]に編まれたとされる。/12巻
12冊本が最初に作られ、その後増補されていった。増補版では、特に、1672年(寛文12年)刊行の
三宅可参(衝雪斎)の序跋をもつものが普及した。」とあることから、明の建文帝が「南京の宮殿の
御溝」から脱出したという『明史紀事本末』の記述が、『難波戦記』の「大坂城の水門から」秀頼は
「淀川」へと逃れたとする記述に「影響」したというのは無理筋かと〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
タグ:評論 歴史
コメント(7) 
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コメント 7

tai-yama

道頓堀に飛び込んで逃げた方が大阪らしい気が(笑)。
島津家の一員になった秀頼の血筋が幕末徳川に復讐をすると・・・
by tai-yama (2023-10-15 23:15) 

middrinn

( ^o^)ノ◇ 山田く~ん 道頓堀に飛び込んで逃げた方が大阪らしい座布団1枚 ♪
以前に「170515読んだ本」に書きましたが、「豊臣秀頼は薩摩に落ち延びて、豊後
日出藩の系図に載る初代・木下延俊の弟・宗連が秀頼とされ、木下延俊の次男で分家
して立石藩藩主となった延由が実は秀頼の一子・国松とされていること等々」という
伝承が、前川和彦『秀頼脱出 豊臣秀頼は九州で生存した』(国書刊行会,1997)で
紹介されてて、秀頼の血筋は薩摩ではなく豊後で続いたと信じられてますね(^_^;)
by middrinn (2023-10-16 06:29) 

df233285

同様に明智光慶は「明智秀満が守る坂本城で自害」したのでは無く、
秀満用意の替え玉を残した後、城の地下通路から、琵琶湖に脱出し
一旦南国梵桂と名を変え、大阪府岸和田市の本徳寺を開基したあと
変装し、名前をなんとなく雰囲気の似た、南光坊天海に変えて、
徳川氏に仕えて日光東照宮を開いたのだと、私は思います。
by df233285 (2023-10-16 06:48) 

middrinn

坂本城は水城でしたから、城内からそのまま琵琶湖に潜って脱出できそう(^_^;)
明智光秀の後身が天海であるという俗説なら、チト無理がありますけどね(^_^;)
by middrinn (2023-10-16 16:37) 

suzu*

古文学って日本史そのものだからさぁ
漢字多すぎだよねぇ(笑
読めないと言うより頭に入ってこない…
なんでやねん!
帰国子女か?それともハーフか?
by suzu* (2023-10-16 20:12) 

suzu*

あ、でもねこの間みたいに〝読みたい〟と思う時もあるんだよ。
ホント、マジで(笑
「猿でもわかる…」ってのはないかなぁ
by suzu* (2023-10-16 20:14) 

middrinn

今回の拙稿は中国の歴史・伝説のことも入っているから漢字が多いかも(^_^;)
中国文学者の駒田信二は漢字が多くて紙面が真っ黒に見えるからなるべく平仮名
を多く使うようにしてる由(^_^;) 「全釈」や「全訳注」の注釈書は訳が付いて
いるので、訳に目を通してから原文を語釈を参考にしつつ読まれるとか(^o^)丿
by middrinn (2023-10-16 20:29) 

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