低木に再設置も鳥さん入居の気配は無い巣箱を見つめてた近所の猫が濡れ縁の足拭きマットの上で
連日寛ぎ始め、家に入ってきたり、テラスで干してる洗濯物の中に入って日陰を満喫したり(^_^;)

【昨日買った本&読んだ本】

久保田淳『古典歳時記 柳は緑 花は紅』(小学館ライブラリー,1993)

「もったいない本舗 楽天市場店」で「良い」234円(送料無料)を20p利用して214円で15日に注文し
追跡不可能ゆうメールで19日に届く(^^) 初出一覧の左隅に1988年10月小学館刊の単行本『柳は緑 花
は紅』に「加筆・訂正した」と記され、「あとがき」の単行本のソレに追記したものらしき数行には
〈小学館ライブラリーの一冊として収められるに当たって、いわばこのささやかな園の柴折戸を開け
ていただくようなつもりで、冒頭に「年の花」を加えた。その他は一、二字を改めた程度で、単行本
のままである。・・・〉とある(^^)

    年の花

    春

     さくら/花見千年/陽炎・遊糸/鯉・鮒の切目正さぬこそ/柳/


    夏

     ほととぎす/粽・あやめ/牡丹/鮎/雨の宇治川/ほたる/七夕/
     撫子・常夏/海/火はあなたにほのかなり/氷/まつり/

    秋

     菊/秋の七草写し/明恵上人の月/桜紅葉・椋の葉/
     そばの花・紅葉狩/児手柏の両面に/海住山寺参詣記/

    冬

     霜/水鳥/寒暑節をあやまつ/初詣で/門松・雑煮・七草/
     梅/宮廷文学と梅/伏見の雪/酒/

    四季

     日本人 詩の伝統

     日本文学と季節観

    あとがき

    初出一覧

「冬」の「梅」という一篇で、清涼殿の梅が枯れたので、村上天皇の命で京中を探し求めて、ある家
から見事な梅の木を掘り取ってきたところ、付いてた紙に「勅なればいともかしこしうぐいすの宿は
と問はばいかが答へむ」という歌が書かれていたので調べると、その家の主人は紀貫之の娘と判り、
村上天皇は気まずい思いをしたという『大鏡』の鶯宿梅の故事を紹介し、同歌は『拾遺和歌集』にも
よみ人知らずで入集も、詞書と左注には掘り取られそうになったので同歌を奏上したら中止になった
となってて、『拾遺和歌集』の方が事実に近いのであろうとした上で、次の如く本書は記す(@_@;)

    ・・・が、普天の下率土の浜、王地にあらぬ所なしという考えからか、昔の帝王は
    しばしば臣民の家から花木のたぐいを掘り取らせたようである。定家も後鳥羽院に
    柳を掘り取られている。けれども、古今東西の王者の中には、人民の妻や娘を奪う
    暴虐なる王もいたのだから、草木の無心程度ならば目くじらを立てることもないかも
    しれない。/・・・

召し上げられるほどの紅梅と枝ぶりは我が「娘」のように長年大切に育ててきたからだろうし、また
同歌は鶯の気持ちになって梅の木は「宿」だと訴えているわけだし、〈たかが草木〉に非ず(@_@;)