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220512読んだ本

くるくる回ったまま動画が再生されない状態がいつまでも続いたけど、「強く儚い者たち」(Cocco)
と「あなたに会えてよかった」(小泉今日子)を視聴するために何度も何度も読み込みo(-`д´- o)

【読んだ本】

澤柳大五郎『パルテノン彫刻の流轉 エルギン・マーブルズ』(グラフ社,1984)

星野之宣『宗像教授異考録 第十四集』(小学館ビッグコミックス・スペシャル,2010)所収の「大英
博物館の大冒険(前編)」で「ギリシア・アテネ───アクロポリスの丘にそびえていたパルテノン
神殿は17世紀、火薬庫の爆発で無残に破壊された。その残骸から破風や壁画を飾っていた彫刻群を
剝ぎ取り、私費で本国へ送ったのは英国大使エルギン卿トーマス・ブルースである。 さらなる破壊
から救うためという理由だったが、明らかに違反行為ではあった。」と説明されているが、その少し
前の頁では宗像教授は大英博物館での特別講演で返還要求に応じぬ大英博物館への支持を表明(^_^;)

秦郁彦『昭和史を縦走する』(グラフ社,1984)巻末の「グラフ社の出版案内」に本書も載ってた(^^)

    ギリシア古典美術の小説より奇なる流転の歴史とその全貌。

「小説より奇なる」かはともかく、本書の前半部分=「エルギンの蒐集」を興味深く読んだ(⌒~⌒)
澤柳大五郎は美術史学の大家として小生も知るが、旧仮名・旧字体・古風な文体は少しツラい(^_^;)

    エルギンの蒐集

     エルギン マーブルズ
     中世のパンテノン
     パルテノン爆破
     エルギン以前
     エルギン卿
     出發
     當時のアテネ
     歸任
     英(ルズィエリ)佛(フォヴェル)の爭奪戰
     ロンドンに於けるエルギン蒐集
     エルギン蒐集への批判
     政府買上げの經緯
     下院聽問會
     國外の反響
     ギリシア獨立後のアクロポリス
     今日のアクロポリス

    パルテノン彫刻の構成と現状

     パルテノン建立と彫刻家
     メトーパ
      南面のメトーパ
     フリーズ
      パナテナイア祭
      法量
      西側及び南北長側面
      東正面
      新衣授受
      パルテノンフリーズの特質
      パルテノンフリーズの現所在
     破風彫刻
      東破風彫刻
      西破風彫刻
      各像に就いて
     結語

    圖版

     参考文献
     圖版・插圖目次

     書後に

有名人がそれなりに登場するし、中には意外な人物まで出てきたので、小生は面白く読んだけれど、
「今日のアクロポリス」から引く(本書71頁)_φ( ̄^ ̄ )メモメモ なお、一部の字体は異なる(-ω-、)

    ・・・/アクロポリスの汚染による「最近半世紀の大理石の痛みは過去二千年の
    それよりも甚だしい」と言はれる程にまで深刻である。事實エルギンの持去つた
    大英博物館のエレクテイオンの少女像と、今度取外されたアクロポリスの四軀と、
    またエルギン隊の取つた石膏型と現に西側に殘つてゐるフリーズとを較べて見ても
    この間の風化は否定すべくもない。/ここに至つてエルギン卿の處置の正當さが
    是認されるかに見える。「若しもあの時エルギンがあゝしなかつたら。」といふ
    問に對して、「フランス人が遣つただろう。」とも「トルコ人がすべて打碎いて
    石灰にしてしまつてゐただろう。」とも的確には答へられないが、「今ロンドン
    にあるよりはひどく痛んでしまつたらう。」とは殘念ながら肯[うべな]はざる
    を得ない。つい先日逢つたブリティシュ カウンスィルの英國人もエルギンの行爲
    の正しさは今日證明されたと言つてゐた。/歴史を後戾りさせることはできない。
    今になつてエルギン卿の處置の是非を論議してみてもあまり意味はない。しかし、
    既にトルコの占領下にもなく、出土品の國外持出しを禁ずる法律のある、古代の
    遺品の管理に於いて毫も英國に劣らないギリシアの故地に、エルギン大理石を
    返すべきではないかといふ議論はまた別である。/バイロン以來エルギン大理石
    をアテネに還すべきだといふ議論は英國人の間にも少なくない。・・・

wikiの「エルギン・マーブル」の項の次の記述には、澤柳大五郎も立つ瀬がないわなヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

    ・・・/21世紀からの研究によって、エルギン・マーブルを含む古代ギリシャの彫刻は
    もともと白い大理石の彫刻だったのではなく、かつては古代エジプトなどの先行する
    古代文明の影響を受けて極彩色に着色されていたことが判明した。しかし、1930年に
    大英図書館職員らによって無断で行われた「清掃(cleaning)」作業において表面を強く
    研磨したため、エルギン・マーブルの大半から当時の色を知る痕跡が失われてしまった
    ことが1999年にBBCによって報道された。その原因として以下の理由が挙げられる。

     ポンペイの発見から、ロマン主義の時代にギリシャ・ローマ文明へのあこがれが
     醸成され、やがては「ギリシャ文明は自分たちの祖先にふさわしい」とヨーロッパ
     知識人が(事実関係を検証する事無く)思い始めたこと。

     ヨハン・ヨアヒム・ヴィンケルマンなどが彩色が施されていたことを知りながら
     ギリシャ文明は白と主張したこと。

     ヴィクトリア朝のころから白が「純潔の象徴」として流行したこと。

    これら複数の原因が複合して上記の彫刻への洗浄作業も、博物館に来る大衆に迎合する
    ために「もっと白く(get it whiter)」するように大英博物館のスポンサーで美術
    収集家・画商の初代デュヴィーン男爵ジョゼフ・デュヴィーンが命じたためだといわれ、
    結果として大スキャンダルとなった。同様の「洗浄」は同時期に世界中の他のギリシャ
    彫刻に対しても行われたとされる。この事件はエルギン・マーブル返還を求める
    ギリシャ側の反発を一層増す要因となっている。/
タグ:アート 歴史
コメント(8) 
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コメント 8

ナベちはる

YouTube、たまに「ぐるぐる」が発生して再生できないので困ります((+_+))
by ナベちはる (2022-05-13 01:40) 

middrinn

YouTube、いつもくるくるして再生まで時間がかかるのでイライラします(^_^;)
by middrinn (2022-05-13 06:40) 

df233285

色付け彫刻は有ったとしても少数では。当時は、
色材の鉱毒が当然問題になったと思う。ギリシャ・
ローマ文明はレベル高かったからねぇ。いまでも、
屋外暴露用の色材は、耐光性と無毒性の両立は、
なかなかの問題ですよね。彫刻は現実には生きて
は、い無いという意味で無機物ですし。

by df233285 (2022-05-13 09:32) 

middrinn

彫刻には疎いので、ちょっと分かりません(^_^;)
ギリシア彫刻=白と刷り込まれてますしね(^_^;)
by middrinn (2022-05-13 09:50) 

tai-yama

火薬庫を爆発させたのはエルギンさんだったり(笑)。
彫刻は真っ白だけど、持ち帰った人は真っ黒!
by tai-yama (2022-05-14 00:06) 

middrinn

腹黒いところも「洗浄」したのかも(^_^;)
by middrinn (2022-05-14 05:05) 

yokomi

白かと思い込んでいました。余計なことをしてくれた(>_<) グルグルは相手のサーバーへのアクセスが込んでいたり、御宅周辺で系列の回線が込んでいたりかと。たまにやり直すと進むことも。コーヒーブレイクしてください(^_^)v
by yokomi (2022-05-14 13:15) 

middrinn

混んでるとは思えないようなサイトの動画でも
くるくるするので小生のPCの問題かな(^_^;)
by middrinn (2022-05-14 16:33) 

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