買って読んでる人が身近に皆無なのにベストセラーだったりする本がある〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【読んだ本】

與那覇潤『平成史 昨日の世界のすべて』(文藝春秋,2021)

本書の「第Ⅱ部 暗転のなかの模索」の「第8章 進歩への退行 2003-2004」に次の件(246頁)(゚o゚;)

    ・・・/そうした風潮に流されて優生学もどきを唱えだした学者の例は、
    同書[斎藤環『心理学化する社会』]を見ていただくとして、最も象徴的
    だったのは平成前半に「知の巨人」と呼ばれた、立花隆氏の失墜でした。
    1998年の『環境ホルモン入門』などの著作で、同性愛やセックスレス・
    子育てできない母親・キレる中学生など「理解できない若い世代」が増えた
    理由を化学物質の影響に求めた結果、2000年以降に批判本が大量に
    刊行され、名声を失っています。/・・・

懐かしいな(^_^;) でも、小生は別に立花隆のファンじゃないけど、アレで「失墜」「名声を失っ」た
のかな(^_^;) 訃報記事とか追悼文とか見てると、依然として「知の巨人」扱いされてたような(^_^;)
なお、同件は注で斎藤美奈子の『文壇アイドル論』所収の論稿を典拠として挙げてた(247頁)(^_^;)

この章では小説以外の平成最大のベストセラーである養老孟司『バカの壁』も取り上げ(節の見出し
にもなってる)、次の評(239~240頁)などは(同書を未読の小生だけど)へぇ~!と思った(^_^;)

    ・・・/タイトルの『バカの壁』とは、「結局われわれは、自分の脳に入ること
    しか理解できない。つまり学問が最終的に突き当たる壁は、自分の脳だ」とする
    養老さんの信条から来たもので、ヒットの端緒となった帯文は「「話せばわかる」
    なんて大うそ!」。米同時多発テロ以降の原理主義が跋扈する世相の中で、「脳に
    限界がある以上、わからないものはわからない」と対話を閉ざすことを正当化する
    お墨付きをくれる論調が、ベストセラーになった最大の要因だと思います。/・・・
    
さて、やはり平成のベストセラーである某書のことを思い出したんだけど、本書も言及してるかな?
と思って巻末を見たら索引が無い(^_^;) しかも、平成時代の年表も無いし、使い勝手が悪い本(^_^;)

季刊「リテレール」第18号(1996年)の「特集Ⅰ」は「1996年 単行本・文庫本ベスト3」で、
岡野宏文と豊崎由美の対談「1996年ベストセラーに挑む」は、その某書を先ず取り上げていた(^_^;)

    豊崎(以下T)◆この本、二四〇頁あるけど、たった一つのことしか言ってない
    んですよね。物事は前向きに考えて、脳内ホルモンをうまいこと出させると
    百二十五歳まで長生きできますって、そればっかり。

    岡野(以下O)◆そう。章立てが四章まであるけど、大体同じことを七回以上
    言ってる。

    T◆言ってます。

    O◆もう分かったって言ってるのに、まだ言うんだよ。要するに、このくらい
    しつこく言わないと、世の中の人は分からないと思ってるんだろうか。

対談の冒頭から読んでて爆笑してしまったぞ(^_^;) 取り上げ方がホント上手いねぇ(^_^;) しかし、
平成のワンフレーズ・ポリティクスに思いを致せば、一般大衆なんて、その程度・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
某書も小生はモチ未読なので、豊崎由美の次の発言にはマジかよ!?と大爆笑させられた(^_^;)

    ・・・いろんな分かりやすい例がたくさん出てくるんだけど、特にセックスの
    例が多い。例えば、セックスっていうのは激しい運動で、激しい運動をし過ぎる
    と活性酸素っていう体によくないものがいっぱい出てくる。だから歳をとったら
    あんまりセックスはしちゃいけない。でも、セックスも快楽でモルヒネが出て
    くるから適度にするのはいい、と。そこで大切なのは、P九八にありますが、
    「セックスが終わったらすぐに背中を向けてぐうぐう寝るというのはよくあり
    ません。ベッドから起きて部屋の中を歩き回るとか、(中略)二人で入浴されたら
    良いと思います。楽しい会話をかわしながら洗いっこでもすれば、運動として
    いきてきます。」んだそうで、真面目に書いてるとはとても思えない。/

豊崎由美の着眼も凄い(^_^;) エッチ後に相手が「歩き回」ったら某書の読者と判・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;