読書の厄介なところは、好感をいだいてた人物の旧悪を発見することである〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

【読んだ本】

倉本一宏編『現代語訳 小右記13 道長女の不幸』(吉川弘文館,2021)

この『小右記』の現代語訳の既刊は何度も取り上げたが、目を通してて記主の藤原実資がカッコいい
フレーズを書き込んでることがあって目が留まってもメモってこなかった(^_^;) 万寿元年(1024年)
正月17日条に、務めを怠った疑いのある者を召問しようとした右大臣兼右大将の藤原実資が激怒して
次のような啖呵を切った件(本書18頁)があった(⌒~⌒) モチ日記上でだけどね(^_^;)

    ・・・頭[=左頭中将藤原公成]が云ったことには、「[橘]為賢と[竹田]国行は、
    皆、高家に仕えています。十四日の事を召問することはできません」ということだ。
    答えて云ったことには、「昨日の事によって、朝廷が問われることが有った。どうして
    拒むことができようか。その間、同じく勘問しなければならないのである」と。
    「国行は関白[藤原頼通]の邸第にいます。為賢は春宮大夫([頼通の異母弟の]
    頼宗)の家にいます」と云うことだ。狐が虎の威を借りるのは、近代の事である。
    ・・・

昔は虎の威を借る狐はいなかったの?とツッコむよりも、ある人物に目が留まり、チト幻滅(-ω-、)

小沢正夫&後藤重郎&島津忠夫&樋口芳麻呂『袋草紙注釈 上』(塙書房,1974)の訳を引く(⌒~⌒)

    ・・・竹田大夫国行という者は陸奥に下向した時に、白河の関を通る日には装束を改め、
    水で髪をなでつけたという。人が「どういうわけか」とたずねると、彼は「古曾部入道
    [能因法師]が『秋風ぞ吹く白河の関』という名歌をよんだ所をどうして平素の服装で
    通ってよかろうか」と答えた。まことに感心なことである。/・・・

久富哲雄(全訳注)『おくのほそ道』(講談社学術文庫,1980)の一文はモチこの件を踏まえてる(^^)

   ・・・古人冠を正し衣装を改めし事など、清輔の筆にもとゞめ置かれしとぞ。/・・・

   ・・・昔の人がこの関を越えるとき、冠をきちんとかぶり直し、衣服を正装に着替えた
   ことなどが、藤原清輔の文章[=歌学書『袋草紙』]にも書き留めて置かれたという
   ことである。/・・・

竹田大夫国行(藤原国行)は『後拾遺和歌集』『金葉和歌集』に計6首入集〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ