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210717読んだ本

読書の厄介なところは、本文理解の役には立たぬも豆知識となる注である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
「夜の鶴」という言葉は銀座の高級クラブで働いているホステスのことを指す隠語・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;

【読んだ本】

川口久雄(全訳注)『和漢朗詠集』(講談社学術文庫,1982)所蔵本

例えば、森本元子(全訳注)『十六夜日記・夜の鶴』(講談社学術文庫,1979)の巻末の「解説」にも
「『夜の鶴』という書名は、子を思う親の心の意から出ているが、・・・」とあるように、本書にも
収録されている『白氏文集』の「夜の鶴子を憶うて籠の中に鳴く」に拠るものだろう(^^) ところが、
本書に収録された都良香の作品の〔語釈〕の「夜の鶴」には、次のような記述が載っていた( ̄◇ ̄;)

    『淮南子』に鶏は夜明けを知って鳴き、鶴は夜を知って鳴くという。

へぇ~!と思うも(モチ後段に対して)、都良香作の当該漢詩句の理解には、この〔語釈〕の解説は
関係ないと思うのだが(@_@;)

    夜の鶴眠り驚いて松月苦[さやか]なり

    暁の鼯[むささび]飛び落ちて峡煙寒[すさま]じ

     夜の鶴が夢からさめて鳴くとき、松を照らす月の光はすさまじいばかりです。

     夜明けにむささびが木から飛んで落ちるとき、山の峡にたちこめるのは冷たい
     朝霧です。

上記の〔語釈〕を踏まえると、鶴は夜行性で昼間は寝てて夜になって起きた、というのかな(@_@;)
だが、本書収録の都良香の別の作品を見ると、鶴は夜に寝てるような(ちなみに、その〔参考〕には
「むささびは夜行性」とある)(@_@;)

    飢鼯性躁[いそが]しくして忩々[そうそう]として乳[じう]す

    老鶴心閑[しづ]かにして緩々[くわんくわん]として眠る

     飢えたむささびは、しばらくもおちつきがなく、枝渡りして飛行し
     きょろきょろとしながら子に乳をのませます。

     ところが老いた鶴は、心がのんびりとしているとみえ、
     ゆったりとねむっています。

これらの都良香の作品には白居易の「夜の鶴子を憶うて籠の中に鳴く」の影響が無いような(@_@;)

菅野禮行(校注・訳)『新編日本古典文学全集19 和漢朗詠集』(小学館,1999)の都良香の当該作品
の頭注にも『淮南子』の記述に対する言及は無いが(つまり、無関係なことを裏書しているかと)、
たとえ本文の読解に役立たなくても、こーゆー豆知識は大歓迎な小生(^o^)丿 忠実[まめ]な小生は
この『淮南子』の記述には何か深~い意味でもあるのかと、楠山春樹『新釈漢文大系62 淮南子 下』
(明治書院,1988)の巻末の索引を調べたんだけど、立項されてないのか見付けられず(ノ_-;)トホホ…

タグ:中国 古典
コメント(10) 
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コメント 10

ナベちはる

「夜の鶴」という表現、初めて聞きました( ..)φ
by ナベちはる (2021-07-18 02:56) 

middrinn

日本酒の名前にありそうですね(^_^;)
by middrinn (2021-07-18 06:00) 

df233285

外国人の文書には、幾ら考えてもよく判らないというもの
があるという一例と読みました。鶴じゃなくても、昼間活動
する生き物なら、『日暮れを残念がる』のは何んでも良い
はずなんですけどね。よく判らないといえば、英語の
スパムコメントをよこす記事が、特定の小生の日本語の
ページだと言うのもその例か。試しに本日、別のところに
問題(1)ページだけ移動してみましたが、スパムはまだ
来るのかな。
by df233285 (2021-07-18 07:47) 

middrinn

ナルホド!( ̄◇ ̄;) 日が暮れて夜になったのを、鶴は残念がったと( ̄◇ ̄;)
鶏の方は夜明けが嬉しくて鳴くのかな(@_@;) 白居易にしても、夜になると
どうして鶴は子を想い出すのかが謎ですけど、単に夜に鳴く鶴の声を聞いて、
あれは子を想っているのだと詩人の想像力を働かせただけっぽいですね(^_^;)
外国文化に浸り外国人の思考法を身に付けても理解困難かもしれませんね^_^;
スパムコメに共通してるキーワードの外国語を登録すればコメは残せなくなり
ますけど、スパムコメ攻撃は続きます(^_^;) 小生の特定の記事がそうでして、
多分「本」ブログのアクセス順ランキングのデイリーの上位を幾つかの特定の
ブログの同じ記事が毎日独占しているのはソレの所為ではないかと想像(^_^;)
小生の特定の記事は毎日10人のスパムが300回ほどPVしてますが、ここ数日は
10人150回ぐらいに下がり、今日は何故か20人もスパムコメしようとして失敗
(リンク先を見ればコメントを書き込みしようとして失敗したことが判ります)
してます(^_^;) どうして特定の記事にだけ攻撃するのかは謎ですねぇ(@_@;)
by middrinn (2021-07-18 08:21) 

そら

本文理解の役には立たぬも豆知識、いいじゃないですか!
いつか何かの役に立ちそう(^^)
by そら (2021-07-18 08:56) 

middrinn

豆知識を増やせばクイズ王は無理でもキャバクラで人気者になれるかも(^_^;)
by middrinn (2021-07-18 09:33) 

ネオ・アッキー

middrinnさんこんにちは。
キャバレーやバーにお勤めしている女の方を「夜の蝶」と呼ぶのは存じてましたが、「夜の鶴」とは、初めて聞きました。
さすが、銀座におつとめしている方は特別なのでしょうね。
by ネオ・アッキー (2021-07-18 16:20) 

middrinn

何とな~く、そんなイメージかなぁと書いてみただけで、
あくまでも冗談ですから真に受けないで下さいm(__)m
by middrinn (2021-07-18 16:45) 

tai-yama

私も鶴が鳴く夜に起き、ムササビが木から飛んで落ちる朝も
バイクで走っていると言う。劉安みたいな生活っ!
by tai-yama (2021-07-18 23:24) 

middrinn

「ムササビが木から飛んで落ちる」というのは、
ヘルメットを落されるというフラグか(^_^;)
by middrinn (2021-07-19 05:57) 

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