11月12日賞味期限の野菜ジュースのペットボトルを昨日から飲み始めるも今のとこ問題ナシオン主権^_^;
12月分の電気代が11月分よりも100円以上安くなったから、この調子でウキウキ♪o(^-^ o )(o ^-^)oワクワク♪

【読んだ本】

萩谷朴『紫式部の蛇足 貫之の勇み足』(新潮選書,2000)所蔵本

読了(^o^)丿 メチャ愉しくて今年読了した本でベスト4に\(^o^)/ 本書を読むために『土佐日記』と
『紫式部日記』を読んだ甲斐ありウラー!(^o^)丿 両書の本文を引用する際には訳も付けられていたけど、
両書を全て読んでないと、本書の論旨は充分に理解できなかったかと(^_^;) 加えて『日本古典評釈・
全注釈叢書 土佐日記全注釈』(角川書店,1967)と『日本古典評釈・全注釈叢書 紫式部日記全注釈』
上・下巻(角川書店,上巻1971&下巻1973)も買っといて、マジで良かったv( ̄∇ ̄)ニヤッ 独特の用語
があるし、他方で全注釈の記述から踏み込んだ指摘もあったから(^_^;)ヾ( ̄o ̄;)オイオイ勇み足かも?

紀貫之の『土佐日記』とは、歌論展開という表層第一主題、社会風刺という中層第二主題、自己反照
という深層第三主題を並行させた極めて多目的で複雑多岐な内容を包含した作品で、求職の申請書=
申文として執筆され摂政・藤原忠平一家へ献呈された、と本書の「第一部 土佐日記の勇み足」(^^)
藤岡作太郎は『土佐日記』に見られる諧謔表現を浅薄な言語遊戯と批判したけど、もともと忠平の孫
の少年たち(敦敏、頼忠、伊尹ら)にも理解できるようにと単純な洒落を用いただけ( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
この表層第一主題=歌論展開とは年少男子に対する和歌初学入門書ということであり、

    ・・・/貫之が、土佐日記の当初の読者として予定したのは、公家貴族社会の上流家庭に
    育った幼い君達[きんだち]であったと考えられる。その根拠は、次の中層第二主題の章に
    詳述するが、そのような上流貴族の子女は、成人以前の幼少期には、平安京の域外に出る
    ことは殆ど無く、大邸宅の深窓に常時起居するものである。従って、月も日も年中東山から
    出て西山に沈むものという固定観念に束縛されている。和歌を詠出する際にも、その常識
    から抜け出す事は甚だ難しい。しかし、光孝・宇多朝に端を発した和歌再昌政策以後の歌壇
    の指導者として大成した貫之としては、その常識を打破して、即物・即境的に素材を選び、
    表現の自由を確保することを教えねばならぬという使命感を抱いていたに違いない。貫之の
    この深慮にも拘らず、万葉時代の和歌は写生主義であり、平安時代の和歌は観念主義である
    という、奇妙に固陋な偏見に囚われていた正岡子規が、江戸時代から続く桂園派の和歌に
    革新の狼火を挙げる裡、明治三十一年二月、新聞『日本』紙上に、「再び歌よみに与ふる書」
    を発表し、「貫之は下手な歌よみにて、古今集はくだらぬ集に有之候」と断言したのは、
    貫之が土佐日記において、事実と全く齟齬する大湊における水平線上の月入を設定してまで、
    「所変れば品変る」式に、和歌初学入門の年少男子に対して、即境性即ち写生主義を教え
    込もうとしていた真意を理解し得る程の本文解釈力も持ち合わせていなかったからに
    過ぎない。その点において、正岡子規も藤岡作太郎も全く径庭なき、主観的印象批評家に
    過ぎなかったのである。/・・・  

だが、紀貫之の『土佐日記』、そして清少納言の類纂本『枕草子』(≠雑纂本『枕草子』)も、申文
としての求職の効果をもたらすことはなかったことを反面教師に、紫式部は『源氏物語』を執筆して
まんまと成功を収めた、と本書の「第二部 紫式部日記の蛇足」(^^) 雑纂本『枕草子』の記述に激怒
した紫式部は清少納言&『枕草子』を意識すること甚だしく、娘の賢子が清少納言の娘=女蔵人小馬
のような恥を掻くことのないようにと、我が娘の将来を宮廷女房と見定めて、その成功を期待して、
娘の個人用教科書として『紫式部日記』を執筆(^^) 『土佐日記』⇒『源氏物語』&『紫式部日記』、
『枕草子』⇒『紫式部日記』という影響関係(「反撥による近似」を含む)といった「我国の作品・
作家相互間における比較研究」を試みた本書、読んで愉しくないわけがないオホホホ!!♪( ̄▽+ ̄*)

・表紙カヴァーにこんな著者の言葉を記載してたら、そりゃ、誰も本書のこと、言及しないわな(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-10-13

・『土佐日記』の1月8日「障ることありて」について萩谷朴は思いもよらぬことまで検討ヒィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-11-06

・池田亀鑑、阿部秋生、秋山虔などの一流の研究者をも狂わす紫式部は魔性の女かもねヒィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2019-11-22