夜中にトイレに起きた後で寝床に入り直した時の布団の温もりにそこはかとない幸せを感じるとはいえ、
やはりトイレには起きたくない(^_^;) 18時以降は全く水分補給してないのに・・・これも老化か(-ω-、)

【読んだ本】

駒田信二『中国好色犯罪小説集』(旺文社文庫,1986)所蔵本

本書巻末「あとがき」によると、「法制文学」と呼ばれる犯罪実話集・裁判実話集が現代においても
「法制教育参考書」などと称して出版されている由( ̄◇ ̄;) この類いのは大昔から行政官(司法官
を兼ねてる)の参考書として出版され、五代の後周の『疑獄集』、宋の『折獄亀鑑』や『棠陰比事』、
明の『包公案』(『竜図公案』)などの裁判説話集が有名で、西鶴『本朝桜陰比事』、無名氏『本朝
藤陰比事』、馬琴『青砥藤綱摸稜案』、更には『板倉政要』『大岡政談』等といった裁判説話の種本
になったとか(^_^;) 「・・・江戸時代の裁判説話にはほとんど影響を及ぼさなかった裁判小説(ある
いは犯罪小説)が、宋・元・明の白話(口語)の短篇小説を集大成した『三言二拍』に、数多くは
ないが何篇かあ」り、本書の大半は、その内の『醒世恒言』『初刻拍案驚奇』から素材を得た由(^^)
以上はテンプレなんだけど、今月9日の「女菩薩の穴」「生姜売り殺人事件」、11日の「彩雲堂縁起」
「尼僧殺人事件」に続き、今日は「亡者の巷」「一文銭事件」を読んで、残りは2篇となった(⌒~⌒)

「亡者の巷」、北宋の首都開封府に住む陳叔文がようやく試験に合格し、任官の選考も受けて江蘇の
宜興県の主簿に任命されたが、長年の試験勉強で生活は窮迫し、ここ数年は妻の順玉の機織りの工賃
でようやく糊口を凌いでいたほどなので、任地へ行くための船を雇う費用が無い(@_@;) 妻の順玉の
従弟で、裏町の小さな質屋の小僧をしてる王震は、順玉を「ねえさん」と呼んで慕い、食糧や日用品
を持って来てくれるので、陳叔文は旅費を工面できないかと王震に頼んでみることになった(@_@;)
妻の順玉を置いて単身赴任する予定で10貫あれば何とかなるのだがと陳叔文は頼むも、王震は翌日3貫
しか用意できなかったと置いて行った(@_@;) 妓楼の馴染みの妓女・蘭英が「貴方は今にきっと出世
するから、お金はその時でいいわ」と言っていたことを思い出した陳叔文は、その3貫を持って・・・
ストーリー展開にちょっと気になる点はあるけど、マジで酷い奴ら(複数形)だねぇヒィィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

「一文銭事件」、明初の頃、江西省の景徳鎮で焼物を作っている邱乙大、不釣り合いの美人妻の揚青
は絵が上手いので、その焼物に絵付けをしていた(@_@;) 目利として知られている周英という蘇州の
仲買人が邱乙大を訪ねて来て、その作品を言い値の10倍の銀子を払って買って行ったが、「絵付けも
あなたがなさるのか」と訊くので、「いいえ、絵の方は妻が・・・」と答えようとして、「妻がやる
こともありますが・・・」と言い直した(@_@;) この男が妻に会いたいと言い出したら困る・・・
実は邱乙大はひどい焼餅焼きだったのである(@_@;) 周英が来てから、邱乙大の赤絵が仲買人の間で
噂になり、これまで振り向きもしなかった商人たちが、邱乙大を訪ねて作品を高値で買うようになり、
近所のおばさんの嫉妬も買い・・・漫画みたいな展開で幾人かの者が命を失う事件へと発展( ̄◇ ̄;)