〈「話せばわかる」は大嘘〉というのが、第一章の一番最初の節の小見出しだったんですねぇ( ̄◇ ̄;)
誰かから貰った養老孟司『バカの壁』(新潮新書,2003)は、第一章の途中で読むのを止めてたよ(^_^;)

【読んだ本】

戸板康二『新々ちょっといい話』(文春文庫,1987)所蔵本

    文字で思い出したが、昭和七年五月十五日に、首相官邸で銃撃されて死んだ
    犬養毅は、中国のすぐれた書家のようなみごとな字を書いた政治家である。木堂と
    号した。/孫文をはじめ中国人の知人が多かったし、風貌も中国の文人に近い。
    書を愛し、自分で筆をとることを好みもした。文房具にくわしく、いいものを
    使っていた。/手紙の返事は毛筆でかならずしたためていたが、ある時そういう
    一通が古書市に出たと聞いてから、万年筆を使うことが多くなった。しかし、
    友人の多くは残念がったらしい。/犬養家に残っていた手紙の多くは末尾に、
    こう書いてあった。/「恐縮ながら御返事は毛筆で願ひます」

貧乏なんだから、自分の書を売れば良かったのに(^_^;) 「中国のすぐれた書家のようなみごとな字」に、
石川九楊『現代作家100人の字』(新潮文庫,1998)の「犬養毅──『木堂翰墨談』」を披いてみた(^^)

    犬養毅の書が、宋代の米芾、黄庭堅、清代の張廉卿、その系譜上の康有為の影響下に
    あることは、ぴたりと寄り添う偏と旁など、文字設計上の特徴から容易に読み取れる。
    しかし、それらとは異った明確な輪郭を持つ。/・・・

同書掲載の犬養毅の書の写真よりも同書が引用する『木堂翰墨談』の内容が興味深いので孫引きm(__)m

    「字は手の芸ではない、面の芸である。実際面の皮が厚くなれば下手でも書ける、
     字を手の芸と思ふ間は駄目だ、面の皮が厚くなつて来ればもう占[しめ]たものだ、
     ナァニ人が見て笑ふがそんなことには頓着しない、さうなると、どんな拙筆でも
     巧くなる」

現代は美の規範が崩壊してるし下手でも〈ヘタウマ〉として持て囃されるので「面の皮」次第かも(^_^;)
演説は上手いし、こーゆー理屈も捏ねちゃうんだから誰でも説得できるという自信があったかと(-ω-、)

【買った本&読んだ本】

星野之宣『海帝 02』(小学館ビッグコミックススペシャル,2019)

745円のを83p使って662円で予約していたのが発売日に届いたので読んだ(⌒~⌒) この漫画については、
01巻を購入時に書いた通り(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-12-01 )(^^)

一日中(=予報以上に)降って寒く、期限が近い貼るカイロの最後の一つを使い切ることが出来た(^_^;)