今夜、狩猟が趣味の夫に殺されるんじゃないかと不安がる妻を描いたミステリーがあったような(@_@;)
物知りグーさんなら教えてくれるかしら(´・_・`) あらすじから作品名が引ける事典あったかなぁ(-ω-、)
不健康で文化的な最低限度の生活を営むみどりん、浴室前の洗面所に電気ストーブを置くか(ノ_-;)トホホ…

【読んだ本】

野村精一(校注)『新潮日本古典集成 和泉式部日記 和泉式部集』(新潮社,1981)

久保田淳&平田喜信(校注)『新 日本古典文学大系8 後拾遺和歌集』(岩波書店,1994)から和泉式部
の歌(歌番号999)を、その詞書と大意と合わせて引く(^^)

     丹後国にて、保昌あす狩せんといひける夜、鹿の鳴くを聞きてよめる

    ことわりやいかでか鹿の鳴かざらんこよひばかりのいのちと思へば

      道理ですね。今宵限りの命と思えば、どうして鹿の鳴かないことがあるでしょうか。

藤本一恵(全訳注)『後拾遺和歌集(四)』(講談社学術文庫,1983)による〔歌意〕も、次の通り(^^)

    鳴くのも道理ですよ。どうして鹿が鳴かないでしょうか、鳴きもしますよ。今夜だけの命
    だと思うとねえ(かわいそうですよ)。

この歌説話が『古本説話集』にあり、高橋貢(全訳注)『古本説話集(上)』(講談社学術文庫,2001)
の〈口語訳〉だと次の通り(^^)

    [夫の]藤原保昌に伴って丹後国に下った時のこと、「明日狩をしよう。」といって、
    人々が集まった夜に鹿がしきりに鳴いた。式部は「まあ可哀そう。明日死のうというので
    しきりに鳴くのでしょう。」といってつらがった。すると保昌に「そう思うなら
    狩は止めよう。適当な歌をよみなさい。」と言われて、式部は/

      ことわりや・・・・・・どうして鹿が鳴かないわけにいられましょうか、
      鳴くのは当然のことですよ。今宵限りの命だと思いますと。

    とよんだ。そこでその日の鹿狩はとり止めになった。/・・・

この歌説話は、後拾遺集の詞書をふくらませてストーリーにした感じだし、歌の大意も同じだよね(^^) 

この歌、「宸翰本」の『和泉式部集』である本書にも入ってるし、本書の「付録 宸翰本所収歌対照表」
によると(233頁)、「松井本」にも入ってるけど、「正集」や「続集」には入っていない由( ̄◇ ̄;)
「正集」と「続集」を収録した清水文雄(校注)『和泉式部集・和泉式部続集』(岩波文庫,1983)で
確認したけど、たしかに、この歌は入っていないぞヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ Amazonの本書に対するレヴューで
「悲喜交々」なる輩が、「『和泉式部正集』と『和泉式部続集』を合わせたもの」には「和泉式部の歌
がすべて収録されている」などとデタラメなこと書いてると、年末に別の有名な歌を例に指摘したけど
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-12-29 )、コレもそーじゃんヾ(`◇´)ノ

さて、そんなバカチンのことはさておいて、本題に入ると、本書の127~128頁から同歌(歌番号122)を
詞書&口語訳と一緒に引くので、よぉーく御覧あれ(@_@;)

     丹後の国にて、保昌、明日狩せん、と言ひける夜、鹿の鳴くのを聞きて

    ことわりや いかでか鹿の なかざらん 今宵ばかりの いのちとおもひて

      今夜、いつにもまして鹿が切々たる声でなくのも当然ですね。
      今夜だけの命だという思いで一杯なのでしょう。思えば私も同じことなのです。

口語訳の最後の一文、「思えば私も同じことなのです。」(128頁)とは何なんだ(@_@;) 和泉式部も
「今夜だけの命」なのか∑( ̄ロ ̄|||)にゃんですと!? 詞書にも、詠んだ当時、和泉式部が、例えば、
重病で、明日をも知れぬ命だったとか別に書いてない(´ヘ`;) 同歌の頭注五(127頁)は、藤原保昌を
「治安三年(一〇二三)ごろ丹後守。」とし、本書巻末の「解説」に「 の没年はその出生年時
と同様全く不明である。長元七年(一〇三四)の没とする説が最も早く、最もおくれるのは康平四年
(一〇六一)説であるが、いずれとも決め難い。」(175頁)とあり、丹後で客死してないし(-ω-、)

【買った本】

小島憲之&新井栄蔵(校注)『新日本古典文学大系5 古今和歌集』(岩波書店,1989)

Amazonの「くまねこ堂」で2156円のをギフト券201円分を使って、1955円で(^_^;) コンディションは
「良い」、説明文は「初版。帯(破れあり)、月報付きです。函に経年シミ。他は特に問題ありません、
よろしくお願いいたします。★amazon配送センターから迅速に発送されます。」となってて、経年劣化
を感じるだけで、全く問題はなし(^^)v 94%と評価の高くない出品者だったから注文するか悩んだけど、
発送後は配送業者が全く聞いたことのないとこだったので、そっちの方が不安だったね(^_^;) これで、
新日本古典文学体系の八代集(古今、後撰、拾遺、後拾遺、金葉、詞花、千載、新古今)は揃った(^^)v

古典ミステリー『和泉式部殺人事件』、メチャありそうなのに、検索してもヒットしなかった( ̄◇ ̄;)