名曲「二枚でどうだ!」を含むCD「宮尾すすむと日本の社長」、高く売れるかしらと試しに相場を
ネット検索したら、がっかり(ノ_-;)ハア… 寝てる間に雪が降ったかは不明だけど、朝はみぞれっぽく、
その後ずっと霧雨のような感じで、最高気温も2度っぽい、メチャ寒い一日だったぞ((;゚Д゚)ヒィィィ!

【読んだ本】

杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(二)』(講談社学術文庫,1879)所蔵本

専門家も気付かぬ発見をしたので、本書の「徳大寺之沙汰」の冒頭の現代語訳を引くよv( ̄∇ ̄)ニヤッ

   さて、徳大寺の大納言実定卿は、平家の次男、宗盛卿に大将の地位を越えられて、
   しばらく邸にひき籠っておられたが、出家しようと言いだされたので、実定卿に
   仕えている諸大夫や侍たちは、どうしたらよいかと嘆きあった。その中に、
   藤蔵人大夫重兼という諸大夫がいた。万事に心得のある人であったが、ある月の夜、
   実定卿は、南面の御格子をあげさせ、ただ独り月をながめて詩歌を口ずさんでおられる
   ところに、お慰め申そうと思ってか、藤蔵人が参上した。・・・

徳大寺実定は、この後、藤蔵人兼重の献策を受け入れて、厳島詣でをすることで平清盛の歓心を買い、
右大将の平宗盛を越えて左大将に任ぜられるわけだけどさ、この叙述は、皆様も御存知の有名な歌を
踏まえたものであることに気付いちゃった(^^) 「月をながめて詩歌を口ずさんでおられる」という件
(原文は「月に嘯[うそむ]いておはしける」)の「詩歌」に、ニヤリとしちゃうよね(⌒~⌒)ニンマリ

       ほととぎす 鳴きつるかたを ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる

この徳大寺実定の秀歌は、百人一首にも入っているので御存知の方も多いはず(^^) ただ、ポイントは
この歌がもともと千載和歌集に入っていたということ(歌番号161)(^^) というのは、平家物語には
有名な「忠度都落」のように千載集の歌を基に創作されたシーンが存在するわけさ(^^) 故に平家物語
の作者は「徳大寺之沙汰」の描写でも千載集の歌を念頭に置いてたとの推定も充分成立するはず(^^)
「忠度都落」の杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(七)』(講談社学術文庫,1985)の〈解説〉には
間違いがあることを「170805読んだ本&買った本」で指摘した(^^) その際に「とまれ、少なくとも
平家物語の作者の方が杉本圭三郎より千載集を読み込んでる事実が判明してガッカリだよ(+_+)」と
評したけど、「徳大寺之沙汰」でも杉本圭三郎は千載集&百人一首の実定の歌には気付かなかった
らしく、本書の〈語釈〉も〈解説〉も同歌について全く言及してないヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!!
ちなみに、片野達郎&松野陽一(校注)『新 日本古典文学大系 千載和歌集』(岩波書店,1993)も
久保田淳(校注)『千載和歌集』(岩波文庫,1986)も、同歌と平家物語の関連は書いてないよ(^^)v

去年、拙ブログは「随分と古い本ばかりのようですが、・・・」なんてコメントされちゃったけど、
全12巻の本書を全4巻に合本した「新版」が2017年に刊行されたことも付け加えておく( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚

♪よーしわかった 二枚でどうだ!、じゃなくて、これならどうだ!って感じだが、如何かしら(´・_・`)