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171014読んだ本

毎日クイズ等やるだけで、3ヵ月が経ち、800ポイント超えたけど、10日の「みてぽん」リニューアル
という名の改悪で、今までのように殖やすのは無理(+_+) 欲しいのは古本だし、Ponta使えねー(T_T)
にしても、皆さん、何故そんなに素敵な写真が撮れるの(´・ω・`) 何で小生は屑本に出遭うの(;_;)

【読んだ本】

関幸彦『百人一首の歴史学』(NHKブックス,2009)

〈Ⅰ 「百人一首」の時代〉を読み終えた(^^) 「鈴木知太郎『小倉百人一首』より」と注記されてる
「別表Ⅰ」だが、実は石田吉貞『百人一首評解』(有精堂,1956)が「・・・原撰集の部類によって、
百人一首の歌の部類を示・・・」したものを、男女別に集計した上で各項に該当する「歌の番号」も
記しただけ(+_+) コレは百人一首の各歌が入っていた各勅撰集の(撰者たちによる)分類=部類を
形式的にカウントしたもの(..) 関幸彦は〈まず別表Ⅰをご覧いただきたい。「百人一首」で「恋」
を主題にしたものが[43首あり]、実に多いということが読み取れよう。〉とあっさり結論を下して
るが、石田吉貞だと〈恋の歌は右[の43首]以外にも、たとえば雑歌の中に入っている「夜をこめて
鳥のそらねははかるとも」「春の夜の夢ばかりなる手枕に」などのように、むしろ恋歌に入れたが
よいと思われるものがあるから、おおよそ半数は恋歌であるといってよいであろう。〉という具合に
各歌を一つ一つ検討した上での実質的な論評をしてる(^^) それなのに、読み進めると、天智、持統、
後鳥羽院、順徳院の4首と陽成院、光孝、三条院、崇徳院の4首は「・・・質を異にする・・・」などと
関幸彦は言い出し、「これに対し、残りの天皇歌は恋の歌である。陽成・光孝・三条・崇徳の歌には
恋しき想いが詠ぜられている。・・・ある意味では、〝恋する天皇〟を演出することで、世俗的世界
が語られている。・・・/・・・天智以下の四首には、王威の演出という政治性も見える。高踏的意志
の表明とでもいうべき歌が撰ばれているのではないか。」と御託宣、びっくらこいただ(゚ロ゚;)エェッ!?
光孝天皇「君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ」の「君」は藤原基経のことと
池田弥三郎『百人一首故事物語』(河出文庫,1984)は断じてるけど、この歌を関幸彦は光孝天皇が
藤原基経への「恋しき想い」を詠んだ「恋の歌」で、光孝天皇はゲイだと言うのね(^。^;) この歌は
もともと古今集の春歌上に入っているので、「別表Ⅰ」でも「四季」の「春」にカウントしてたのに、
ここでは「恋」とするなんて御都合主義も甚だしい(-"-) 手元にある百人一首や古今集の注釈書等を
9冊チェックしたけど、この光孝天皇の歌を恋歌とも解せるとしてるものなど皆無だし、百人一首の
撰者である藤原定家も樋口芳麻呂&後藤重郎(校注)『定家八代抄―続王朝秀歌選―』(上)(岩波
文庫,1996)で同歌を「巻第一 春歌上」に入れてて恋歌とは解してないぞ(-"-) 安東次男『百人一首』
(新潮文庫,1976)が「・・・じじつこれは春部の歌で、賀歌でも恋歌でもないが、とかく王道の歌
として読まれるのは、この帝については徒然草のような逸話[ ←「170507読んだ本」に記した]が
底流にあるからだろう。」と評しているように、この歌は「世俗的」どころか、むしろ「治世撫民の
君徳のあらわれ」と解した細川幽斎らの説もあったわけだから(石田吉貞・前掲書参照)、「王威の
演出」とは異なる形の「高踏的意志の表明」をした歌としても理解する向きもあったわけじゃん(^^)
「古注は、御製であることに付会して、理世撫民の君徳の示された歌とみて、」云々と〔解説〕する
有吉保(全訳注)『百人一首』(講談社学術文庫,1983)を本書巻末「参考文献一覧」の「Ⅰ章」に
挙げてるくせに、読んでないんだ(@_@) てゆーか、百人一首の注釈書、一つも読んでないだろ(-"-)
続いて、「歌人たちをその身分によって整理したものだ。」とする「別表Ⅱ」が掲げられてるけど、
出典が明記されてない(@_@) 男性79人は、天皇7人、親王1人、官人58人、僧侶13人に、女性21人は、
女帝1人、内親王1人、女房17人、母2人に分けて、各項に該当する「歌の番号」が記されているけど、
これも石田吉貞・前掲書(本書巻末の「参考文献一覧」には出てない!)が「百人の歌人を性や身分
によって分けてみると次のようになる。」のパクリだろう(+_+) ただ、石田吉貞は「官人」ではなく
「一般人」としていて違和感もあるけど、官位はあれど朝廷に仕えていない「鎌倉右大臣」(源実朝)
を「官人」とする本書の方がしっくりとこないよ^_^; また「母」というカテゴリーには、「右大将
道綱母」と「儀同三司母」が入ってるが、儀同三司母(高階貴子)は円融院の内侍として「高内侍」
と呼ばれてたことは、島津忠夫(訳注)『新版 百人一首』(角川ソフィア文庫,1999)新版十六版や
久保田淳『新古今和歌集全注釈 六』(角川学芸出版,2012)にも記されてるし、他方で、「女房」の
カテゴリーに入れてる和泉式部にしろ紫式部にしろ「母」でもあったわけで(百人一首には和泉式部
の「娘」であることを意識させる小式部内侍の「当意即妙の才気にみちた歌」[島津・前掲書]まで
撰ばれてる)、この分け方、分ける意味が分からん^_^; 「親王」のカテゴリーも元良親王1人だけど、
光孝天皇のも古今集の詞書にあるように即位前の「みこ」の時に詠まれてるし、疑問の多い分類^_^;
こんな感じで気になる点は他にも結構あるけど、このくらいにしておく(+_+) 早く読み終えたい(;_;)

昨日に続いて雨で寒く、今日はダウンベストを着て過ごした(+_+)
タグ:歴史 和歌
コメント(6) 
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コメント 6

ぽちの輔

ポイントを使えるお店が増えると良いですね^^
by ぽちの輔 (2017-10-15 06:20) 

middrinn

ぽちの輔 様のお力で何とかして下さいよ(^^)
by middrinn (2017-10-15 06:37) 

Cazz

ご訪問とnice、ありがとうございます!
by Cazz (2017-10-15 14:18) 

middrinn

散歩されている
ポメラニアンが可愛いなぁ~と
いつも拝見しておりましたが、
あの4コマ漫画には大爆笑でした(^^)
by middrinn (2017-10-15 15:32) 

こじろう

ご訪問とnice!をありがとうございました。

恋する想いの歌と捉える。
それを認ると,なんだかスゴイ事になっちゃうけど・・・(;´・ω・)
by こじろう (2017-10-15 20:09) 

middrinn

ですよねぇ~(^。^;)
歌人としての、その人(ネタバレ防止)に興味があり、
河合神社の話は興味深く拝読させて頂きました(^^)
他の記事も読み応えがありますね(^^)
by middrinn (2017-10-15 20:56) 

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