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170903読んだ本

ダイヤモンド会員は誕生月になれれば御の字(´・ω・`) 本しか買わないしキープ無理(´;ω;`)ウッ…

【読んだ本】

杉本苑子『平家物語を歩く』(講談社文庫,1985)所蔵本

「木曽義仲の旗上げ」「平家の没落と義仲の死」の両章を読了(^^) 竹生島、倶利伽羅峠、埴生八幡
(護国八幡)、日埜宮林、粟津の松原、不動寺、地獄谷、篠原(古戦場)、実盛首洗池、実盛塚、
鶴岡八幡宮、木曽谷、義仲寺、今井兼平墓(兼平庵)を取り上げ、その交通案内が「ガイド」に(^^)
竹生島の「宝厳寺の唐門、都久夫須麻神社の日暮御殿は共に国宝――――。/慶長年間に豊臣秀頼が
伏見城から移したもので、・・・」_φ( ̄^ ̄ )メモメモ 月岡芳年『月百姿』に「竹生島月 経正」なる
画があるように、平経正が竹生島弁財天に戦勝を祈願し琵琶を弾じた話も紹介してるけど、「経正が
琵琶をかなでたという海に面した一殿では、お年寄りも新婚のカップルもカワラケ投げに夢中だ。」
には笑った(^。^;) 「都落ちにからまる平家側のエピソードとしては、・・・音楽[経正が仁和寺に
琵琶青山を返す話]、文芸[平忠度が藤原俊成に詠草を託すという例の話]にまつわる佳話よりも、
この未曾有の騒動に遇って、人の心がはからずも見せた奥底のきたなさ、勁さ、哀しさのほうに私の
関心は向く。」とあり、『夜叉神堂の男』(集英社文庫,1990)や『逆髪』(集英社文庫,1991)等に
収録されてる各短篇で、残酷なキャラや凄惨なストーリーを創造できた所以が分かった気がした^_^;
この後で「肥後守貞能の生き方も変わっている。」として詳述されている貞能(家貞の子)の話が、
メチャメチャ興味深かったんだけど、wikiを見て実際はチト違うんだぁとがっかりしたよ(´・ω・`)
なお、美術館でじっくり鑑賞し、岩切友里子(編著)大蘇芳年(画)『月百姿』(東京堂出版,2010)
に関して別ブログで詳論したほどだから、ついでに書くけど、『月百姿』には忠度を描いた画も(^^)
その題は「かしかまし野もせにすたく虫の音よ我たになかくものをこそおもへ」という歌なんだけど、
「月百姿 忠度」で検索して最上位にくるサイトが、コレを忠度の詠んだ歌と記してる(゚ロ゚;)マジ!?
画の元となった説話は、三木紀人(全訳注)『今物語』(講談社学術文庫,1998)の「忠度と扇」で、
同書の〈解説〉によると、『十訓抄』『古今著聞集』『平家物語』にも載っているけど(内容が若干
異なるものもある由)、それらも元を辿れば『今物語』とのこと(^^) 同書は良い買い物だった(^^)v

昨夜はポイント10倍に釣られて危うくリクライニングチェアを注文してしまうところだった(^。^;)

[追記170903]

最近は顔文字を使い分けてるけど、一見さんが誤解するかもしれないので敷衍しておくことに^_^;
上記「かしかまし野もせにすたく虫の音よ我たになかくものをこそおもへ」という歌に関し、前掲
『今物語』の〈語釈〉は「この歌は院政期の編集になる『新撰朗詠集』虫・三一三に所収。作者名
なし。しかし、すでに『蜻蛉日記』天禄三年、『狭衣物語』巻一、『夜の寝覚』巻二等にもこの歌
を踏まえた表現が見られ、かなり以前より人口に膾炙していた歌であろう。」としてる(^^) んで、
先週買ったばかりの上村悦子(全訳注)『蜻蛉日記(下)』(講談社学術文庫,1978)で天禄三年を
調べたぞ^_^; 同書だと「一四八 秋を迎へて」の段に〈時雨だちたるに、未の時ばかりに晴れて、
くつくつぼうし、いとかしがましきまで鳴くを聞くにも、「我だにものは」と言はる。〉を発見(^^)
この「我だにものは」の〈語釈〉に〈「かしがまし草葉にかかる虫の音よ我だにものはいはでこそ
思へ」(『宇津保物語』藤原の君)さかのぼって『伊勢物語』(小式部内侍本)などにも見える。
これらを本歌にしたのであろう。〉とある(^^) ちなみに、前掲『今物語』の〈語釈〉も先に引用
した件に続けて、〈なお、異本『伊勢物語』に引用(二句め「草葉にかかる」とするものもある)、
建長三年(一二五一)成立の『秋風和歌集』一三二九にも業平作として載り、『今物語』成立当時
には業平の歌として考えられていた可能性もある。〉と指摘してる(^^) 忠度の作だなんて笑止^_^;
コメント(2) 
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コメント 2

riverwalk

コメントありがとうございました。
『孤愁の岸』、宝暦大治水を「お手伝い」した薩摩藩士の話ですね。
読んではいないんですが、その歴史は知っていました。

木曽三川にはよく釣りに行くので、釣りの情報を調べたことがあります。
すると、治水の歴史が必ず出てきます。
輪中の事も初めて知りました。
この辺りは、昔から、水との戦いの歴史がある事も。

色々、見学しました。
木曽川文庫。
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/sisetu/bunko-detail.html
輪中の郷。
http://www.waju.jp/4_shisetsu.html

千本松原をドライブしましたが、その規模に驚きました。
釣りだけでなく、そういう事を知るのも勉強になりました。
長文になり、申し訳ありませんでした。
by riverwalk (2017-09-04 09:04) 

middrinn

木曽三川は三重方面への電車の車窓から
その巨大さを目の当たりにし驚きましたけど、
御教示頂いたサイトをざっと見ただけでも、
治水の歴史には改めて瞠目させられました(゚o゚;)
貴重な情報の御教示、心より御礼申し上げますm(__)m
貴ブログの昨日の写真「木曽三川の夕陽。」は、
見れば見るほど素晴しく、芸術的ですね(^^)
手前のボート等が廃船だったら、
もっと映えるのに・・・なんて、
船主に失礼な想像をしちゃいました^_^;
by middrinn (2017-09-04 12:45) 

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