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160704読んだ本

西行の歌で有名なのは憶えてるんだけど、百人一首に入っているのは、どんなのだったかな(@_@;)
百人一首の注釈書を3~4冊も読み込んだのに思い出せないんだけど、記憶力のせいなのかしら^_^;

【読んだ本】

石田吉貞『百人一首評解』(有精堂出版,1956)所蔵本

島津忠夫訳注『新版 百人一首』(角川ソフィア文庫,1999)新版十六版で早速確認してみたけど、この
「歎けとて月やは物をおもはするかこちがほなるわがなみだかな」は素人が言うのもナンなんだけど、
そんなにいい歌なのかしら^_^; 実際、その「出典・参考」を読むと、「他に秀作が多くある」とする
田中順二の見解を引用してて、共感を覚えたな(^^) 本書の西行の項の「鑑賞」を読むと、同歌の良さ
も理解できるんだけど、その中に興味深い件があった(^^) 〈西行の数ある傑作の中から、このような
歌を撰んだことによって、定家の眼の高さと、この百人一首の撰歌の性格とがわかるように思われる。
この百人一首は、しばしば言うように傑作集ではなく、妖艶を主とした美しい歌をもって、美しく障子
を飾ろうとしたものである。「心なき身にもあはれは知られけりしぎ立つ沢の秋の夕暮」という歌が
たとい最高の傑作であるとしても、・・・〉云々とあり、どうも石田は「心なき」の歌を最高傑作と
考えているようで面白かった(^^) 他方で、百目鬼恭三郎『新古今和歌集一夕話』(新潮社,1982)は、
寂蓮の「さびしさはその色としもなかりけり槇立つ山の秋の夕暮」を取り上げた回で、他の三夕の歌を
紹介し、「しかし、西行の歌は彼としては平凡な作であるし、定家の歌にしても、上句の思わせぶりが
鼻につくだけであろう。中でましなのは寂蓮の歌だけと思われるのだが、・・・」と西行の「心なき」の歌を
酷評してた^_^; ただ、その直後に、「歌の鑑賞というものは十人十色で、・・・」として、全く逆の評価を
下している安田章生『新古今集歌人論』桜楓社の一節も紹介してるんだけどね(^^) ところで、
桑原博史(全訳注)『西行物語』の巻末「解説」は、藤原隆信(定家の異父兄弟)編という『今物語』の
西行の逸話を紹介(^^) それは〈陸奥国への旅の途中、『千載集』撰進の話を聞いて「鴫立つ沢」の
歌の入集を案じたが、入集せずと聞いて旅にもどる話〉である^_^; 西行にとって自信作と思われてた
ということかな^_^; とまれ、百人一首について「100人の歌人の和歌を、一人一首ずつ選んでつくった
秀歌撰」とwikiなんかは説明してるけどさ、全部が全部「秀歌」とはいえないとの評もあるわけだし、
ましてや入集歌が各歌人の〈代表作〉や〈最高傑作〉とは必ずしも限らないということだろうね(^^)

    http://yomunjanakatsuta-orz.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02
    http://yomunjanakatsuta-orz.blog.so-net.ne.jp/2015-11-04

丹羽文雄『悔いなき煩悩』上巻(新潮社,1963)所蔵本

明日は下部消化管内視鏡検査のため朝8時半に病院着なので、今夜はいつもより更に早く寝なきゃ^_^;
タグ:和歌 古典
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