ひたすら本から学ぶ独学(モチ単なる趣味だけど)だと生じた疑問を質問する相手がいない(^_^;)
答えが書かれてそうな本を探さなくても、また答えが出てる本に自然と出遭うような気が(⌒~⌒)

【読んだ本】

菅野禮行(校注・訳)『新編日本古典文学全集19 和漢朗詠集』(小学館,1999)所蔵本

「立春」に入る紀淑望「吹を逐つて潜かに開く 芳菲の候を待たず 春を迎へて乍ちに変ず 将に雨露
の恩を希はんとす」について「梅花が雨露の恩恵を受けて美しい花を咲かせるように、自分も天子の
恩恵を被って将来の栄達を願いたいものだと暗にうたったもの。『集註』に、この賦によって淑望は、
醍醐天皇から四位に昇進させられたとある。」云々と解説し、同じく「立春」に入っている藤原篤茂
の「池の凍の東頭は風度つて解く 窓の梅の北面は雪封じて寒し」についても「『永済注』によれば、
篤茂が近江少将の娘を妻にしたいと申し出たところ、少将は許したものの夫人が許さなかったのでこ
の詩を作って示すと、大変感激され遂に念願がかなったという。「凍」や「梅」を少将の娘にたとえ、
東側の凍[こおり]が解けたというのは少将の心を、梅の北面の雪はまだ寒いというのは夫人(北の
方)の厳しさを、それとなく訴えたものか。」云々と解説してる本書( ̄◇ ̄;) ついでに書くけど、
川口久雄(全訳注)『和漢朗詠集』(講談社学術文庫,1982)は、前者の話は紹介してるけど、後者の
話については全く触れず、マジで屑本かもねオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ! 話を戻すと、和歌の歌徳説話を
連想したけど、こーゆーのは詩徳説話と言うのかね(@_@;) 『古今和歌集』の紀淑望による真名序
の「天地を動かし、鬼神を感ぜしめ、人倫を化し、夫婦を和ぐるは、和歌より宜しきは莫[な]し」
という一文は『詩経』大序の「天地ヲ動カシ、鬼神ヲ感ゼシムルハ、詩ヨリ近キハ莫シ」に拠るもの
と、例えば、小町谷照彦(訳注)『古今和歌集』(ちくま学芸文庫,2010)の脚注にもあるし(@_@;)