文学賞に応募しまくってる作家志望の人の奥さんも実は陰で・・・と思っちゃうよねヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

【読んだ本】

高橋一清『芥川賞 直木賞 秘話』(青志社,2020)

続けて、「二、選考委員会前後」を読んだけど、この章も面白いね(⌒~⌒) 平成8年(1996年)春に
文藝振興局へ異動して日本文学振興会の運営と進行をすることになった際に社長(同振興会理事長)
から「芥川賞を立て直すように」と言われた由( ̄◇ ̄;) 文藝春秋誌の3月号と9月号に受賞作が掲載
されると「また面白くない作品に授賞させた」という抗議の電話が何本もあって困っている由(゚ロ゚;)
「選考会に陪席していて感じるのは、作品への印象批評というより、小説への論評、すなわち理屈が
多いのです。日頃書いておられる小説も、面白い筋のある小説というより、流行の文藝理論や手法を
取り入れた実験的な小説や、こまやかに心理を描く小説が多いといってもいいかと思います。」と
本書44頁は評してて、理屈ばかりじゃお腹がでるわよと森高千里に言われちゃう・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;
同頁に名前が列挙されている「当時の芥川賞選考委員の顔ぶれ」を見て、たしかに!と笑った(^_^;)
高橋一清が実際どう「立て直」していったかが読みどころの一つなんだけど、色々ときめ細かな配慮
がなされてて感心した(⌒~⌒) 選考会における興味深いエピソードも紹介されてて面白かった(^_^;)
また徳田雅彦(秋声の息子)から譲られた秘蔵資料の幾つかも公開してるけど、例えば、城山三郎の
直木賞選考委員の「辞任届」の文面を紹介して、新入社員の時の思い出に絡めるのは読ませるけど、
胡桃沢耕史『黒パン俘虜記』が受賞作となった選考会の十日後のこととしか書いてない(^_^;) 当時は
新聞種にもなった事件なのに(^_^;) また本書55頁に〈[選考会の]司会をするのは、芥川賞は「文藝
春秋」編集長、直木賞は「オール讀物」編集長です。なお、例外があって、堤堯先輩が「文藝春秋」
編集長であった間は、当時、「文學界」編集長であった湯川豊先輩が代行しています。〉とさらっと
書いてるけど、堤堯は「諸君!」編集長時代に反核運動や朝日岩波文化人を批判する論文をよく掲載
してたから、「文藝春秋」編集長への異動が決まった時に反核運動のリーダー格で代表的な朝日岩波
文化人の某が芥川賞の選考委員を辞めるとかゴネたため、上記の対応となったとか当時書かれていた
ような記憶(^_^;) 「秘話」とあるけど、こういった具合に、全てを明らかにしてはいない気が(^_^;)

    ・・・水上[勉]さんは、まだ直木賞の選考委員をおつとめの頃でした。会うやいなや、
    「賞は残酷やなァ」と口にされたのです。直木賞の選考会が近づき、「何かお手伝いする
    ことでもあれば」とお目にかかった時でした。これは表向き、それとなく何をおされるか
    を伺ってみたく、お訪ねしたのです。「何かありましたか」とうかがうと、「このことは
    一清[いっせい]が覚えておいて欲しい」と言って、前の日あったことを話し始められた
    のです。その回の予選通過作は、本数が多く、雑誌発表の短い作品もあれば、単行本も
    あります。そのうちの一作は上下本の長篇です。このような時、水上さんはホテルに
    籠って作品を読まれるのです。そうした作品の一つを書いた作者の妻は、彼女が娘時代、
    水上さんの仕事の関係での知り合いでした。/「彼女が、きのう訪れて来たんや。夫を
    何とか男にして欲しいと言うんや。……そんなことできるものではない、と言って
    たしなめたんだ。……でも、そのためには何でもする、というんや。……彼はここに
    来ることを知っているのか、と聞くと、黙って来たと言う。そういうもんやろうけど、
    賞の選考はどうなるものでもない。それにしても辛かったろうとなだめたけどな。一清、
    むごいことよなァ。よう覚えておけよ、女房をここまで追い込む賞だということ、
    知っておけよ」/水上勉さんは、美男ですし、女性の心や姿を書く作家でしたから
    艶聞は絶えませんでしたが、こと文学賞、直木賞の選考に、それを決して持ち込む
    ような者ではなかったこと、私に覚えておいて欲しい、との話でもあるのです。/・・・

本書62~64頁の記述だが、エロ小説やエロ漫画にありそうなシチュエーションじゃんヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ

・「一、候補作品がそろうまで」⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2022-03-03
  ~「世に問うような作品を書く時、必ず身体に変化があらわれます。」だとヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノ