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210727読んだ本

読書の厄介なところは、和泉式部を浮気女とするなら紫式部は好色者である〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ
藤原道長の人物評を恣意的に用いるのはダブルスタンダードとしか言いようがないオホホホ( ^^)/~~~~ ピシッ!

【読んだ本】

清水好子『王朝の歌人6 和泉式部』(集英社,1985)所蔵本

『和泉式部集(正集)』のある歌を本書が解説してくれているので引く〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    ・・・

        ある人の、扇を取りて持たまへりけるを御覧じて、大殿、
        「誰がぞ」と問はせたまひければ、「それが」と聞えたまひければ、
        取りて、「うかれ女[め]の扇」とかきつけさせたまへるかたはらに

      越えもせむ越さずもあらむ逢坂の関守ならぬ人なとがめそ

    「ある上﨟の女房が、私(和泉式部)の扇を取って持っていられたのを、お殿さま
    ([藤原]道長)が『だれの扇か』とおたずねになったので、そのかたが、
    『だれそれので』と、和泉の名をいってお答えになったところ、お手に取られて、
    『うかれ女(浮気女)の扇』と書きつけなさったので」と、詞書はくわしい。
    そこで、殿さまの筆跡の横に「人とよい仲になりましょうとも、どうしましょうとも、
    関守(夫)でもないおかたは黙っていてくださいまし」と[歌で]応酬する。「まさか、
    お殿さま、私をどうかしてくださるお気持ちがありますのでしょうか」と、暗にさそう
    気持ちが裏にあり、しかも、これすべて冗談なのである。/・・・    
    
例えば、wikiは〈恋愛遍歴が多く、道長から「浮かれ女」と評された。〉とこの歌の詞書に出てくる
藤原道長の和泉式部評を用いているが、それなら藤原道長が紫式部を「すきもの」(好色者)と歌に
詠んでいる事実(『紫式部日記』『紫式部集』)に基づき紫式部も好色者とするのが筋であるのに、
そうしないのはダブルスタンダード(二重基準)であろう(ノ ̄皿 ̄)ノイッカンシテネーゾ!┫:・’.::

山本利達(校注)『新潮日本古典集成 紫式部日記 紫式部集』(新潮社,1980)から、当該歌(詞書は
省略する)とその現代語訳、「すきもの」に付された頭注を引いておく〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    すきものと 名にし立てれば 見る人の をらで過ぐるは あらじとぞ思ふ

     浮気者という評判が立っているので、そなたを見る人で口説かずにすます人は
     ないだろうね。

    さまざまの恋を描いた『源氏物語』の作者なので好色な者と冗談をいったのである。    

藤原道長による人物評から和泉式部のは採用して紫式部のは無視とは恣意的で一貫性に欠けるけど、
藤原道長の和泉式部に対する「うかれ女」との評を清水好子は「冗談」、藤原道長の紫式部に対する
「すきもの」との評を山本利達は「冗談」としており、このようにどちらも藤原道長による「冗談」
とするなら、これもまた一貫性のある解釈として問題ナシオン主権かと〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

実は清水好子は上記の件の前に次のように述べているのだキタ━━━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━━━!!!!

    ・・・道長たち主人筋の男性が女房をからかう──そういうかたちで彼女たちの歓心を
    かう手段に、彼女たちを恋多き女としてあつかうことがあった。宮廷の貴公子たちに
    ちやほやされている女、ということに仕立てるのだ。さきほどの『枕草子』の「宮に
    はじめて参りたるころ」の段で、清少納言のことを[藤原]伊周が「この人は人の筆跡
    をたくさん知っていますからね」といっているのは、恋文をあちこちからもらっている
    だろうから、筆跡をあてるのはお手のものだと、もちあげているのである。道長も、
    紫式部のような年輩の女房に──年輩だから安心していうのでもあろうが、面と向かって
    ──面と向かってでないと効果はないが、「好き者」というのだから、和泉式部などは
    話題に事欠かない。/・・・


相手の歓心を買うために〈恋多き女〉とからかうのが常だったとすると、『紫式部日記』に出てくる
酔っ払った藤原公任が紫式部に「あなかしこ、このわたりに、若紫やさぶらふ(=恐れ入りますが、
このあたりに若紫はおられませんか?)」(萩谷朴『日本古典評釈・全注釈叢書 紫式部日記全注釈
上巻』[角川書店,1971]は「若紫」ではなく「我が紫」とし、「私の紫の上」と訳す)と声を掛けた
場面の「若紫」や「我が紫」もまた〈恋多き女〉というニュアンスを含んでいるのだろうか(@_@;)
『源氏物語』は未読ゆえ「紫の上」がどういうキャラか分からないけど、「紫」とは駒田信二『艶笑
植物事典』(文春文庫,1987)によると陰茎を指し、柴田千秋編『性語辞典』(河出書房新社,1998)
には「紫色の陰茎。陰茎の格付けでは上物とされる。」と・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;ソレハエドジダイノハナシダロ!
タグ:古典 和歌
コメント(6) 
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コメント 6

tai-yama

ちん〇が紫色ならモテるのか・・・・
ジャガイモの芽の様に見えなくもない気が(笑)。
by tai-yama (2021-07-27 22:26) 

ナベちはる

ダブルスタンダード、それに近いものは過去にもあったのですね。
今だと「政治家先生」が主にそれをやっているような…(^^;
by ナベちはる (2021-07-28 01:08) 

middrinn

やっぱり、紫は高貴な色だから、
tai-yama様、だったり(^_^;)
by middrinn (2021-07-28 05:30) 

middrinn

自説に都合のよい部分だけを恣意的に、
ナベちはる様、摘み食いですね(^_^;)
by middrinn (2021-07-28 05:31) 

そら

紫が高貴なのはわかりますが
まさかあそこまで(^^;
by そら (2021-07-28 06:44) 

middrinn

どんなものにでも格付けがあるようで(^_^;)
by middrinn (2021-07-28 07:02) 

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