本人が断ってたらしいが(叙勲は没後)、文化勲章や国民栄誉賞に神様の名前が無いのはねぇ(@_@;)

【一昨昨日買った本&読んだ本】

芸術新潮2020年11月号

25日発売の新品1500円を一割引きの1349円で26日購入(^^) 特集は「トキワ荘と日本マンガの夜明け」
である(⌒~⌒)

    プロローグ「トキワ荘」とは?

    絵物語 トキワ荘の青春(絵:吉本浩二 文:編集部)

    グラフ ようこそ!トキワ荘マンガミュージアムへ

    INTERVIEW 高野之夫(豊島区長)/加藤剛(丹青社クリエイティブディレクター)

    トキワ荘周辺散歩ガイド

    INTERVIEW 鈴木伸一/水野英子/よこたとくお/山内ジョージ

    黎明期のマンガ進化論(文:中条省平)

    水野英子と「少女マンガ」誕生(構成・文:図書の家)

    厳選!トキワ荘時代の貴重マンガ再録

     寺田ヒロオ「漫画つうしんぼ」「おんぼろ地蔵物語」
     新漫画党合作「神様からもうひとつ目をもらったら」
     石ノ森章太郎「墨汁一滴」
     赤塚不二夫「ナマちゃんのにちよう日」

    秘蔵グラフ

    エピローグ マンガ家たちのそれから

    ミニコラム トキワ荘こぼれ話

     トキワ荘グルメ/マンガ家たちの遊び/
     悪書追放運動とは?/手塚治虫のファンへの神対応/
     なぜ「不二雄」「不二夫」?/週刊誌時代へ──雑誌のうつりかわり/
     「漫画少年」のすごい投稿者たち/他にもあったマンガ家コミュニティ

    展覧会&施設案内

どれも読み応えがあったけど、〈・・・水野英子が登場するまで、「女児向けに描かれたマンガ」は
あったが、「少女マンガ」はなかったのだ。・・・そう、水野英子は少女マンガを描いたのではない、
水野英子の描くものがすなわち少女マンガになったのである!〉といった刺激的なリードが付された
「図書の家」(小西優里・岸田志野・卯月もよ)による論稿が非常に興味深かった(⌒~⌒)

    /石ノ森章太郎が全体の構成とネーム、スペクタルシーンやその他の人物を担い、
    水野英子が男女の主人公を描画、背景・効果・仕上げを赤塚不二夫が担当していた
    伝説の豪華合作ユニット、U・マイア。・・・U・マイアが発表した作品数はさほど
    多くない。しかし石ノ森の大胆な演出力や実験的なコマ割りを吸収した水野は
    「銀の花びら」にそれを反映させ、石ノ森・赤塚もまた水野の描く魅力的な
    キャラクターを参考に、可愛い少女キャラクターを描くことへの苦手意識を
    克服するなど、このユニット活動はその後のそれぞれの作品に大きな影響を及ぼした。/

水野英子は本号のインタヴューで「U・マイア」について訊かれて次のように答えていたよ( ̄◇ ̄;)

    /石森さんの部屋で、窓際の机に石森さん、その後ろのちゃぶ台で、赤塚さんと私が
    向き合って描いていました。3人なら3倍速くなるわけではなく、むしろ時間が
    かかるんです。ああ描こう、こう描こうと話すのが楽しかった。自分だけで描くのとは
    違う雰囲気の画面ができていくのが面白かったですし、非常に勉強になりました。・・・

「3人なら3倍速くなるわけではなく、むしろ時間がかかる」というのにナルホドと(^_^;) ならば、
「図書の家」の論稿も・・ヘ(__ヘ)☆\(^^; この点で気になったのが、絵物語「トキワ荘の青春」の
〈エピソード6 手塚治虫行方不明?「ぼくのそんごくう」代筆事件〉の次の件である(⌒~⌒)

    /昭和32年(1957)2月、トキワ荘に、秋田書店「漫画王」の編集者が駆け込んできた。
    いわく、「手塚先生が行方不明!先生の連載『ぼくのそんごくう』が絶体絶命の大ピンチ。
    一晩でみんなで代筆してほしい!」/藤子・F・不二雄、藤子不二雄Ⓐ、石ノ森章太郎、
    赤塚不二夫の4人が急ぎ相談し、作業にとりかかった。「最終的に前号の最後のシーンに
    戻すようにすれば、手塚先生も困らないはず」というアイデアが出て、緊急合作が
    スタートした。猛スピードでの制作は、翌朝にはなんとか終わった[54頁下]。/・・・

こちらは「4人」なのに「猛スピード」が出せ、「翌朝にはなんとか終わった」というのだ( ̄◇ ̄;)

この代筆事件は中条省平の論稿も取り上げていて、次の件がこの謎(?)を解く補助線かと(⌒~⌒)

    ・・・この[4人による代筆]原稿はいまでも見ることができ[右頁下]、タッチが
    若干硬いことは明らかですが、4人が手塚治虫の物語展開、コマ構成、作画技術を
    ほとんど自分のもののように操れたことが見てとれます。それは、手塚治虫の影響力
    の絶大さを示すとともに、藤子のふたりと石ノ森、赤塚ら4人の、手塚マンガへの
    純粋な傾倒と同化を証しだてています。/

「一晩」という期限はあれど、フュージョン?合体?「4人」でも1人の神様になれたわけだ(^_^;)

第2特集は「浸る、愛でる、アイヌの世界」、他に〈知の怪人、荒俣宏の「Low芸術」時代宣言〉(^^)