発想の転換やね( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚ 「むし歯の予防効果を高めるためには、フッ素を長時間口の中に留める
必要がある。・・・②ハミガキ[歯みがき剤]が歯列全体にいきわたるように2分間以上ブラッシング
する」とあるけど、歯を磨く回数を増やすことで「2分間以上ブラッシング」を達成する、と(⌒~⌒)
期限が近いポイントを使える実店舗に漫画の新刊が無かったけど、取り寄せてもらう、とv( ̄∇ ̄)ニヤッ

【読んだ本】

宮尾しげを『旅に拾った話』(中公文庫,1990)所蔵本

読了(^o^)丿 表紙カヴァー袖の著者紹介には「漫画家・版画家・江戸風俗研究家・江戸文芸研究家・
民俗芸能研究家。」とあり、まさにディレッタント(〃'∇'〃) wikiも大量の著作を紹介してるけど、
森銑三&柴田宵曲『書物』(岩波文庫,1997)の「書名」の項も「江戸時代の笑話集」が幾つか列挙
した後、「これらは木村捨三、宮尾しげを両氏の調べられたものに拠ったものであるが」とあるし
(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.ss-blog.jp/2016-09-30 )、その関係の公職も歴任(゚o゚;)

    ・・・/私が旅行好きになったのは師匠の岡本一平先生が、外国旅行の紀行を
    描いた中に、香港で、アザラシの曲芸を珍しいと言っているのを見て、博学の先生が
    日本にもあるのを知らなかったことを知って、それ以来日本をよりよく知らなくては
    ならないと心懸けたのが始りで、日本中をあちこち旅することに決めた。・・・

と「あとがき」に記されているが、本書は紀行文・随筆としては結構ディープな感じ((;゚Д゚)ヒィィィ!
民俗学(中国と蒙古も少しあるので民族学も)や宗教学、風俗史の資料となりそうな見聞も多いし、

    ずいぶん、あちこちの紅葉の景色を見たが、まだ深坂越で見たほどのものはない。/
    深坂越というのは、琵琶湖の北岸、海津と敦賀の手前の疋田に通ずる旧街道の山中で、
    その坂のすぐ下に、日本三関の一つ、愛発[あらち]の関所があるので、知られている。
    何にしても古道で、土地の人も、炭焼道といっているほどで、山にかかってから、
    愛発の関まで人間に一人あったといえば、その辺鄙さは知られる。/・・・

深坂越(深坂峠)の紅葉、小生は知らんかったけど、ありきたりの旅の話じゃないんだよね( ̄◇ ̄;)

例えば、〈戦前の大阪と、京都に「ぼんや」という今でいえば、逆さくらげを看板に出すと同様な、
御休憩専門の家があった。〉という書き出しの「ぼん屋」という一篇(@_@;)

    ・・・盆屋というのは出合茶屋ということである。出合茶屋とは読んで字の如くで、
    相思の男女が密かに合う場所のことである。相思でなくとも、道頓堀あたりで
    すれ違いざま、目と目が光を放って、あらお久し振り、どこかでお茶でも
    飲みませんかと、社交的の言葉のやりとりが済んで、落ちつく先は性の解放、
    その取引の条件がまとまれば、安直にというので、この盆屋へと出向くのである。
    ・・・

井上章一『愛の空間』(角川選書,1999)は上司小剣[かみつかさしょうけん]の『木像』(1911年)
という小説に出てくる台詞を引いた上で、次のように解説・論評している(@_@;)

    ・・・/そう、上司小剣は、「待合」という漢字に「ぼんや」とルビをふっていた。
    「ぼんや」は盆屋をさしている。いってみれば私娼館のことである。江戸時代から、
    そこではいわゆる盆姫たちが性的サービスをすることで、知られていた。
    しろうとの密通もあったが、もともとは売買春の施設である。大阪で待合と
    よばれたのは、そういう施設だったということか。/・・・

宮尾しげをが盆屋を見たのは「戦災で大阪が焼けぬ前のこと」だそうだが、気になったのは次の件で、
何故お金を払わないのが判るのか、「盆」に何か仕掛けが施されているわけじゃないよね( ̄◇ ̄;)
    
    ・・・/この家[=盆屋]の内部を知りたいので、いとう旅館の女中さんで、
    お福さんという、俳句もやる文字も達者というインテリ女性に相談すると、
    「そんなこと訳あらへん、一人で行って連れの来るのを待つので、暫くおいて
    おくれやすといって、見てしまったら、約束の時間に連れが来んさかい、
    またきまッせといって、ぜぜ置いてくれば良いがな、部屋の隅に黒盆が
    出ている所に載せてくるのを忘れずにナ、幾らと壁か盆に貼紙がしてあるそうや」
    というので、それでまず手順のほどは判った。/「あんた二階へ上っても
    誰も出てこんし、接待が非常に悪うておまんが、そこが盆屋の良い所で、
    家の人が来んさかい、便利というものや、おあいそを盆にのせんでごまかすと、
    これだけはどういう方法かもしれんが、よく判ると見えて二階から降りん中に、
    催促されるそうや、ごまかしてはあかんぜ、誰も居んのに盆の上に、
    ぜぜのせるので、盆屋というのやそうな、よう覚えておきや!」/・・・

芭蕉が敢えて書かなかったと『奥の細道』に記す出羽の湯殿山は実際にはどんな所か、「望月の駒」
(紀貫之が詠んでいる)の伝承(『望月昔物語』に出ている由)などなど個人的に興味深かった(^^)
「阿波美人」で紹介してる「似たり貝」、検索して『土佐日記』に出てくる「貽鮨」(貽貝の鮨)の
貽貝の別名と知った(゚ロ゚;) 萩谷朴『日本古典評釈・全注釈叢書 土佐日記全注釈』(角川書店,1967)
に描かれていた貽貝の「挿絵」(第30図)、その向きからだと女性器には全く見えないぞヾ(`◇´)ノ

本文理解を助ける挿し絵にクレジットは無いが、表紙カヴァー画と同様に「宮尾しげを画」かと(^^)