8月も超ビンボー生活は変わらぬ(-ω-、) 去年はブックオフが8月11日~13日に本20%オフやったけど、
今年はやらんのかのぉ(´ヘ`;) ギフト券をゲットしたから、高~い古本を買おうか迷ってる(@_@;)
気温は34度((;゚Д゚)ヒィィィ! 午前中に少し歩き廻っただけで死んだ(+_+) 来年マジ五輪やるのか(゚ロ゚;)

【読んだ本】

新田次郎『小説に書けなかった自伝』(新潮文庫,2012)所蔵本

この書名はかつて私小説が純文学の主流だった文壇を意識したものかと(@_@;) 自伝の形で自作解説
という感じで、新田次郎作品のブックガイドとして読めるし、〈如何にして作家になったか〉が随所に
語られているので作家を目指している人向けでもある(^^) モチ小生は前者の読書案内として(以上は
テンプレ)、続けて「昼の仕事 夜の仕事」を読んだが、新田次郎が風俗で働く話・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;

直木賞を受賞も「私は小説一本で生きて行ける自信が全くなかった。だから気象台[この昭和31年7月
1日から中央気象台は気象庁に]の仕事をやめるなどということはいささかも考えてはいなかった。」
という新田は「役人作家」と言われることに(^_^;) 同年の直木賞受賞直後に「オール讀物」から依頼
されて発表したのが「おとし穴」という作品(@_@;)

    ・・・受賞後第一作だから特に力を入れて書いた。書評が気になった。
    気象台の天気相談所に行くと、たいていの新聞が来ているので、昼食時間に出て行っては
    各紙の文芸欄を読んだ。直木賞受賞第一作ということもあったのであろう、三つの新聞で
    取り上げていた。そのうちの一つはひどいもので、こんな下手な小説を書く人が
    よく直木賞を取ったものだ、先が思いやられると云ったふうな、悪罵に近い批評だった。
    私はひどくこれを気にした。ほんとうにそうかとも思った。この作品は、現在、
    新潮文庫の『強力伝』の中に収録されているし、全集にも入れられている。
    読み返して見てもそんなに悪い作品ではないと思う。なぜ、あんな悪口を書かれたのか
    今もって合点が行かない。/・・・

未読も「おとし穴」に興味は持てなかったし(どんな内容か本書に出てる)、新聞の縮刷版を調べる
気もないから、この件についてはノーコメだなC= (-。- ) フゥー 昭和31年に新田次郎が直木賞を受賞
した時の芥川賞受賞者は『太陽の季節』の石原慎太郎で、そのエピソードも本書には出ていたけど、
平野謙による毎日新聞の昭和32年4月の文芸時評を百目鬼恭三郎「笑え!匿名批評」(『続風の書評』
[ダイヤモンド社,1983]所収)から孫引きしておこう〇 o 。.~~━u( ゚̄  ̄=)プハァ

    石原慎太郎の「蟷螂の庭」(新潮)の冒頭は、「なぜ、耀子は帰って来たのだろうか」
    という文章ではじまっている。私はこの「耀子」というヒロインの名づけかたが、
    まず気に入らなかった。率直にいえば、この主人公の命名に作者自身の幼稚な文学趣味が
    のっけから露出している、と思えたのだ。はたして、読みすすんでゆくうちに、
    この作品は文学的にデタラメといっていい作品であることが分明になった。(中略)
    この作者が文学的にこの程度の幼さから脱却し得ないでいるとは、私には意外であった。
    この作品に関するかぎり、作者は人間を知らず、女を知らず、セックスのなにものたるかを
    知らぬ青くさい一文学青年にすぎない。同人雑誌級の作品として水準以下である。(前略)
    むかし宇野浩二[←文学の鬼]は徳田秋声[←文壇のボス]から山田順子[←秋声の愛人]と
    文学談をしろといわれて、「アホくさ」と横をむいたそうだが、こんな作品を辛抱して
    おしまいまで読まねばならぬとなれば、私も「アホくさ」とでもつぶやくしかない。

石原慎太郎もコレを新田次郎のように「悪罵に近い批評」と受け取ったのかしらね(@_@;) だけどさ、
批評者は天下の平野謙だからねぇ、中日や西武で活躍した・・ヘ(__ヘ)☆\(^^; ちなみに、新田次郎は
この一年間に短篇小説を9本書くも、その内の2本は投稿作家時代に同人誌「文学者」に投稿して没と
された控え原稿に加筆したものである由(^_^;) 他に興味深いのは、直木賞受賞後に村上元三の紹介で
長谷川伸の新鷹会の会員となったことで、その合評会の話(⌒~⌒)

    或る作家が男女の濡れ場を書いた部分に対して、長谷川先生が、/
    〈若いころ、隣室で男女がそれをしているのを聞いたことがある。
    殺し合いが始まったと思った。まあ修羅場だね〉/と云われた。
    媾合が真剣になされる場面を、外から聞いていると、猥褻感よりむしろ切実感がある。
    そういうところをいい加減な筆で誤魔化してはならぬと、
    遠まわしに教えられていたのである。さすがだなと敬服した。/・・・

流石、天下の長谷川伸(⌒~⌒) 慎太郎こそ教わるべきヾ(`◇´)ノ 「蟷螂の庭」は読みたいかも(^_^;)

・不平ばかりで仕事をしない者が多くて真面目に仕事する人は白い眼で見られた「処女作のころ」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-23

・投稿しても落選続きの原稿を直木賞受賞後は新編集長は〈面白い〉と言う「投稿作家の四年間」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-24

・〈あなたは落ちるに決っています。面白くない小説ですものね〉と妻に言われた「直木賞受賞」(^_^;)

 ⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2019-07-29